下肢静脈瘤を気温が寒くなる秋から冬のあいだに治療するメリットとは

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下肢静脈瘤を気温が寒くなる秋から冬のあいだに治療するメリットとは


みなさんこんにちは。目黒外科院長の齋藤です。

例年になく続いた大型台風も過ぎ去り、ようやく秋らしい気候になってきました。

秋は旬の食べ物がとてもおいしいので、「食欲の秋」が一番最初に来る私は秋が一番好きです。

 

昼間は雲一つないポカポカ陽気でとてもすがすがしいのですが、朝晩は冷え込みます。

このような時期は体の免疫をつかさどる自律神経の働きが乱れやすく、風邪をひきやすいので体調管理が大切です。

寝不足は健康の大敵です。夜更かしをせず、睡眠時間を十分に確保しましょう。

ウィルスに対する免疫力はリンパ球が担っています。リンパ球を元気にするためには体の中心部の体温「深部体温」を冷やさないようにすることが大切です。

冷えやすい体質の方は、シャワーで済ませる方が多い傾向にあります。シャワーで短時間で済ませてしまうと、体の表面を一時的に温めることはできても、体の中心部までは温まりません。

これでは体が「温まりにくく、冷めやすい」体質になってしまいます。

毎日お風呂で温まるようにしましょう。

熱めのお風呂にサッと入るだけではしゃぶしゃぶと同じです。

ご自身をジャガイモだと思ってください。じっくり芯まで火を通すイメージです。

すると「温まりやすく冷めにくい」体になります。つまり、風邪をひきにくくなります。

お忙しいとは思いますが、ぜひ毎日お風呂で体を芯まで温めるようになさってください。

 

さて、本日の本題です。

 

下肢静脈瘤を秋から冬に治療するメリットについて

その1 人知れず治療を行うことができる

春から夏にかけて、気候が暖かくなってくると衣服が薄着になってきます。

女性の場合はパンツスタイルよりもスカートの割合が増え、ストッキングよりも素足を出す方が増える傾向にあります。

おしゃれをして気分も軽やかになりますね。

そんなウキウキの季節にもかかわらず、下肢静脈瘤をお持ちの方は見た目を気にしてスカートがはくことができません。

秋から冬にかけての寒い季節は、素足を出す機会はほとんどありませんので、見た目を気にされる方にはホッとする季節かもしれません。

誰もが素足を出すことなく過ごす秋から冬にかけての季節は、静脈瘤の治療のきっかけとして良いのではないでしょうか。

網目状静脈瘤やクモの巣状静脈瘤の方は、見た目の改善を目的として硬化療法を行います。

硬化療法は、毛細血管の静脈瘤に「硬化剤」というお薬を注射します。

硬化剤が入った静脈瘤は炎症をおこします。2日間患部を圧迫することで静脈瘤は閉塞し、見た目の改善をはかるものです。

硬化療法を行う際に、10%から30%の割合で皮膚に色素沈着が生じることがあります。

色素沈着は時間とともに薄くなっていく傾向にはありますが、半年くらいかかることがあります。

秋から冬は素足を出す機会はまずありませんので、来年の暖かい季節に素足を出せるようにする準備期間としては適していると思います。

また、足の血管がボコボコに浮き出ていることで長年半ズボンやスカートをはくことためらっている方も、手術により見た目を改善することができます。

見た目が良くなると、内面も明るくなりますよ。

何十年ぶりにスカートをはくことができたという患者さんはこうおっしゃいました。

「先生、しばらく忘れていたけれど、あたしやっぱり女だわ」

 

その2 弾性ストッキングをはくのが苦にならない

下肢静脈瘤の治療に欠かせないのが弾性ストッキングです。

弾性ストッキングは、足を圧迫することにより静脈の流れを改善してくれる医療器具です。

ストッキングのタイプには、ハイソックス型・ストッキング型・パンスト型と3つのタイプがあります。

どのタイプを着用するのがよいかとよくご質問をいただきますが、ハイソックスタイプが一番良いと思います。

足の静脈血が一番たまりやすいのはふくらはぎなので、ふくらはぎが圧迫されていることがポイントです。

膝上まで圧迫するストッキングタイプはずり落ちやすく、結局ひざ下までしか圧迫できないということが多々あります。

パンストタイプは足全体を圧迫してくれるので理想的ではありますが、いかんせん着用しにくいです。

ふくらはぎを圧迫するという要点を押さえつつ、着用しやすい、ずり落ちないなどのバランスを考えると、一番良いのは「ハイソックスタイプ」ということになります。

 

弾性ストッキングのメリット

静脈の血液は体から出たゴミ(老廃物といいます)を多く含むため、だるさやむくみ、こむら返り、皮膚の色素沈着などの原因となります。

弾性ストッキングは足を下から段階的に圧迫するため、血液を下から上に押し上げる効果があります。

その結果、症状が改善して足が軽くなります。

ちょうど、歯磨き粉をチューブから出すのと同じ原理です。

弾性ストッキングのデメリット

1.はきにくい

実際に着用したことがある方はお分かりかと思いますが、弾性ストッキングは非常にはきにくいです。

普通の靴下の比較すると、あまり伸び縮みしにくいので、硬いです。

2.夏は暑苦しい

下肢静脈瘤は季節性の病気ではありません。

また、残念ながら自然治癒をすることがない病気です。

下肢静脈瘤の治療として弾性ストッキングによる圧迫療法を選んだ方は、季節を問わず一年中弾性ストッキングを着用していただく必要があります。

多くの患者さんが「夏は暑いから弾性ストッキングをはきたくない」とおっしゃいます。

アンケート調査をしたところ、夏場に弾性ストッキングの着用を中断した経験をもつ患者さんは90%にのぼりました。それだけ夏場の弾性ストッキングは患者さんにとっては苦痛だということです。

 

暑い夏場に弾性ストッキングをはかなくて済む方法

「弾性ストッキングをはくのは嫌だけど、だるさ、むくみ、こむら返りなどのつらい症状は良くしたい」

このようなご意見を耳にすることがよくあります。

この患者さんの場合、静脈の逆流が確認されれば治療の選択肢としては、「血管内焼灼術」が必要になります。

血管内焼灼術とは、カテーテルという細い管を逆流のある静脈に入れて、カテーテルの先端から出る熱により静脈を内側から焼いて閉塞させる治療です。

この治療方法は、下肢静脈瘤の根本的な原因である「静脈弁不全による静脈の逆流」に対処するので、根治的治療と呼ばれます。

反対に弾性ストッキングは、着用している間は症状が改善しますが、脱ぐと効果が失われますのであくまでも応急処置の域を出ません。

根治的治療である血管内焼灼術を行ったとしても、手術後の合併症(血栓症や足のむくみなど)を予防するために弾性ストッキング着用は必要です。ただし約1か月間だけです。

ですから、秋から冬の寒い時期に血管内焼灼術を行うと、暑い季節がやってくる前に弾性ストッキングを卒業することができます。

その3 足がほてる方は秋から冬にかけての治療をおすすめします

下肢静脈瘤の症状で、頻度は高くはありませんが、足のほてりを訴える方がいらっしゃいます。

秋冬の気温が低い時期でも布団から足を出して寝ることがあるそうです。

夏の暑い時期であればなおさらです。

そのような方は、生活の質を改善するためには夏の暑い時期よりも、秋冬のうちに治療を受けられるほうが良いと思います。

その4 湿疹・かゆみのある方は早めの治療をおすすめします

下肢静脈瘤は、病気の進行の程度によって症状が変わっていきます。

軽度のうちは血管が浮き出るなどの見た目だけの問題が多いのですが、

中等度のなるとだるさ、むくみ、こむら返りなどの症状が出てきます。

さらに病状が進行すると、うっ滞性皮膚炎といって湿疹、かゆみ、色素沈着など皮膚の症状が出現してきます。

これが最終的にはどうなるかというと、皮膚潰瘍につながります。

カサカサした乾燥肌の方は、寝ている間に布団の中で体温が温まるとかゆみが出てきます。

寝ている間に無意識に皮膚をかきこわしてしまい、ほんのちょっとした傷が治らず、潰瘍に発展してしまうのです。

秋から冬にかけては空気が乾燥するため、乾燥肌の方にとってはより皮膚がカサカサになりやすく、かゆみもひどくなりがちです。

かゆみ止めと保湿剤、そして弾性ストッキングによる圧迫療法は原因に対しての治療というよりは、対症療法

になりがちです。

一般的に静脈逆流のあるうっ滞性皮膚炎の患者さんは手術が必要です。

うっ滞性皮膚炎の治療を開始するにあたっては、静脈の逆流を止める根本的な治療を行うことが大事です。

うっ滞性皮膚炎を伴っている下肢静脈瘤の方は、「暖かくなる」まで待たないほうが賢明だと思います。

 

 

以上、下肢静脈瘤を寒い時期に治療するメリットについて書いてみました。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

 

下肢静脈瘤専門クリニックの目黒外科。

下肢静脈瘤でお悩みの方はどうぞお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

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