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2018.02.02 写真で見る治療経過

下肢静脈瘤による足のむくみが日帰り手術で改善した患者さん

記事執筆Author

目黒外科 院長 齋藤 陽(あきら)

目黒外科 院長
齋藤 陽(あきら)

  • 日本外科学会 外科専門医
  • 脈管専門医
  • 下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の実施基準による実施医、指導医

詳しいプロフィール

下肢静脈瘤による足のむくみが日帰り手術で改善した患者さん

 

下肢静脈瘤をお持ちの方は、

「今の自分の状態はどの程度なのだろう?」

「治療したら症状が良くなるのだろうか?」  と気になるのではないかと思います。

自分の症状と似ている患者さんがどのような治療後の経過をたどるかは、非常に参考になると思います。

(※ 患者さんの同意を得たうえで掲載しています)

【患者さん】

50代・男性の患者さんです。

【来院のきっかけ】

10年来の左足のだるさ、むくみ、こむら返り、皮膚の色素沈着、湿疹・かゆみがなかなか治らない、ということで皮膚科の先生よりご紹介いただきました。

初診の状態です。

左足はむくんでおり、靴下の跡がくっきりとついています。

また、左すねを中心に皮膚の色素沈着が見られます。湿疹・かゆみがあるそうです。

このような状態を「うっ滞性皮膚炎(うったいせいひふえん)」といいます。

【検査結果】

超音波検査を行うと、左大伏在静脈の逆流が見られました。

【診断】

うっ滞性皮膚炎・左下肢慢性静脈不全

【治療】

血液が逆流している左大伏在静脈に対してレーザー焼灼術を行いました。

手術時間は15分。寝ている間に治療が終わりました。治療中は全く痛みを感じなかったそうです。

【術後の経過】

術後1ヶ月目の写真です

左足のむくみが改善しています。

皮膚の色素沈着は残っていますが、湿疹とかゆみは改善しました。

以前は左足の皮膚を触った時に自分の皮膚ではないような違和感がありましたが、術後はご自分の皮膚を触っているという実感があるそうです。

【解説】

動脈は全身に栄養や酸素を届ける役割をします。

反対に、静脈は全身から出た老廃物を回収する下水管のような役割をします。

足の静脈は、重力に逆らって下から上に血液が流れますが、そのために足の筋肉のポンプ作用と血液の逆流を防止する弁が必要です。

足の筋肉のポンプ作用があまり使われない場合や、静脈の弁がきちんと閉じなくなると、重力により血液が足に溜まってしまいます。

すると、血液中の水分がたまり、足がむくみます。

血液がたくさん溜まると足の毛細血管の圧力が高くなるので、切れやすくなり小さな内出血を繰り返します。その際に血液中のヘモジデリンという物質が残り、皮膚の色が褐色になります。

血液中の老廃物がたくさん溜まると皮膚に湿疹やかゆみが出ることがあります。

これらの皮膚症状を「うっ滞性皮膚炎」と言います。

足の静脈の逆流があって、うっ滞性皮膚炎を引き起こしていた場合は手術が必要になります。

具体的には静脈の逆流を止める手術です。

最新の治療方法は、レーザーや高周波カテーテルにより静脈を内側から焼いて閉塞させる「血管内焼灼術」があります。

また、血管内焼灼術に主役の座を譲った感がありますが、逆流している静脈を抜き取る「ストリッピング手術」も再発率の少ない良い方法です。ただし、術後の痛みや内出血については血管内焼灼術が優れています。

 

この患者さんは、レーザー治療により足のむくみ、だるさ、湿疹・かゆみ、足の皮膚感覚が治ったそうです。

残念ながら、うっ滞性皮膚炎にともなう皮膚の色素沈着は静脈の手術をしてもなかなか消えません。

 

 

 

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