こむら返りとカルニチン欠乏

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こむら返りとカルニチン欠乏


足のこむら返りとカルニチン欠乏

下肢静脈瘤には様々症状が現れますが、「足のこむら返り」は「だるさ」「むくみ」などと並んで代表的な症状です。

「こむら返り」は足の筋肉がけいれんして痛くなる状態をいいます。

下肢静脈瘤は他にも足のだるさや足の血管が浮き出ているなど、見た目で判断ができます。

超音波検査で静脈の逆流が証明されれば診断確定です。

ところが、下肢静脈瘤ではない方が少なからずいらっしゃいます。

こむら返りの原因

こむら返りには様々な原因があります。

  • 下肢静脈瘤
  • 電解質異常
  • 肝硬変
  • 腎不全
  • カルニチン欠乏 など

これらの中で、肝硬変や腎不全の患者さんでは「カルニチン」という物質が欠乏しており、それがこむら返りの原因であることが分かってきました。

カルニチンとは

カルニチンは、体内の脂肪をエネルギーとして使うのに必要な物質で、ビタミンに似ています。

カルニチンの75%は食事により摂取され、25%は肝臓・腎臓・脳など体内で合成して作られます。

体内ではカルニチンのほとんど(98%)は筋肉に貯蔵されます。

カルニチン欠乏

食事からのカルニチン摂取が不足したり、肝硬変や腎不全により体内でのカルニチンの合成ができなくなると、カルニチン欠乏となります。

また、カルニチンを貯蔵しておくための筋肉量が不足しても体内のカルニチン貯蔵量が低下します。

筋肉を維持するためのカルニチンが体内で不足すると、筋肉のけいれんがおこるようになります。

これが足のこむら返りのメカニズムです。

カルニチン不足を補うためには

カルニチンを多く含む食品を提示します。カルニチンは赤身肉に多く含まれます。

食事によるカルニチン不足や、肝硬変・腎不全によるカルニチン合成不足を補うためには、カルニチン製剤の服用や注射薬などがあります。

カルニチン製剤と芍薬甘草湯との使い分け

カルニチン製剤は体内のカルニチン欠乏を補うためのお薬ですが、即効性はありません。

ちょうど鉄欠乏性貧血の患者さんが鉄剤を服用すると徐々に貧血が改善してくるのと似ています。

したがって、カルニチン製剤を服用し始めた頃には まだこむら返りが出現することがあります。

そのような場合は、即効性のある漢方「芍薬甘草湯」も併せて使用するとよいでしょう。

芍薬甘草湯の使い方

芍薬甘草湯は「甘草」が含まれており、1日3回毎日服用すると「体のむくみ・血圧が高くなる・血液中のカリウム濃度が低下する」などの症状が現れる「偽性アルドステロン症」という副作用が出る恐れがあります。

また「甘草」は1日3回毎日服用しているとだんだん効かなくなってくるので、足がつった時にだけ応急処置として服用するか、1日1回夜寝る前だけ服用するなど飲み方の工夫をするとよいでしょう。

 

 

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