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2020.03.25 わかりやすい下肢静脈瘤の教科書

下肢静脈瘤の診断に必要な検査

記事執筆Author

目黒外科 院長 齋藤 陽(あきら)

目黒外科 院長
齋藤 陽(あきら)

  • 日本外科学会 外科専門医
  • 脈管専門医
  • 下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の実施基準による実施医、指導医

詳しいプロフィール

下肢静脈瘤の診断には超音波検査(エコー検査)が欠かせません。

私が研修医だった20年以上前は、「下肢静脈造影」という検査を行っていました。

足を何か所かゴムでしばって、足首や足の甲の静脈に注射針を刺します。

そこから「造影剤」という薬を静脈内に注入すると足の静脈が画面に映し出されます。

「薬も静脈全体に行き渡ったし、この辺でいいかな?」と思ったタイミングでレントゲン撮影するのです。

実はこの検査、撮影した足の静脈がレントゲンフィルムに現像されるのですが、正直なところ何が診断できてるのかイマイチよく分かりませんでした。

 

また、CT検査により足の静脈がボコボコ浮き出た様子を立体的な画像で撮影することもあります。

しかし、このCT検査では静脈の走行や静脈瘤の形態は確認することができるのですが、静止画であるため、静脈弁が壊れて血液の流れが逆流しているかどうかについては分からないのです。しかも、放射線被ばくという問題もあります。

 

 

そこで、ハッキリと断言いたします。

下肢静脈瘤は超音波検査だけで診断できます!

 

<超音波検査で何が分かるの?>

超音波検査では色々なことが分かります。

1.静脈血栓の有無

深部静脈や表在静脈に血栓があるかを確認します。

通常の下肢静脈瘤は「一次性静脈瘤」といいます。

これは表在静脈自体に問題があり、静脈瘤となったものです。

それに対して「二次性静脈瘤」とよばれるものがあります。

これは深部静脈に血栓ができてしまい、足の静脈の血流が悪くなってしまったために、その対策として体が新たに作り出した静脈なのですが、見た目は静脈瘤のようにクネクネと曲がりくねっています。

そこでこの二次性静脈瘤を手術してしまうとどうなるか?

深部静脈は血栓で閉塞しており、さらに二次性静脈瘤も治療してしまうと足の静脈がどこも流れなくなってしまいます。

したがって、二次性静脈瘤の手術はできないのです。

2.表在静脈の走行

表在静脈の走行は正常か?静脈の奇形でおかしな場所を表在静脈が走行していないか?

3.静脈やの太さ

表在静脈や深部静脈の太さは正常か?異常に太くなっていないか?

4.静脈の流れ/逆流の有無

静脈弁は血液が重力によって下に落ちてしまうのを防ぐ役割をしています。

この静脈弁のおかげで、血液は重力があっても心臓に帰ることができるのです。

足の静脈を流れる血液の方向が正しいかどうか、超音波検査により確認することができます。

こちらの動画をご覧ください。

静脈を流れる血液がどの方向に向かって流れているかを確認できるのが、超音波検査のカラードップラーモードと呼ばれる検査方法です。

血液の流れが心臓に向かって流れていれば、輪切りになった静脈は青く表示されます。反対に、血液の流れが足の方に戻ってしまう場合は静脈が赤く表示されるのです。

動画でご覧いただいたように、静脈の血流が正常であれば静脈は青く表示されます。

 

静脈の逆流が0.5秒以上続いた場合、「異常」と診断します。

では、静脈の逆流がどれくらいの時間続いたかを確認する方法がパルスドプラ法です。

次の動画をご覧ください。

 

続いて、静脈弁の故障により血液が逆流している様子を記録した動画をご覧ください。

このように静脈弁が壊れてしまい、血液が重力によって足の方へ戻ってしまうと輪切りになった静脈が青から赤へと変わるのです。

下肢静脈瘤の診断には、表在静脈の逆流を証明することが必須ですから、超音波検査を行わなければ診断がつけられないのです。

超音波検査により、足のどこの静脈のどこからどこまでが逆流しているのかを確認することができます。血液の逆流範囲を特定することによって、手術を行う際に逆流している部分だけ治療すればよく、正常な静脈を治療せずに済みます。

 

5. 静脈瘤の発生場所

ボコボコ浮き出てクネクネと曲がりくねった静脈瘤がどこから発生しているのか、超音波検査によって確認することができます。

最も一般的な伏在型静脈瘤は、表在静脈である大伏在静脈あるいは小伏在静脈から枝分かれするように発生します。

超音波検査により、いったいどこから枝分かれした静脈瘤が発生しているかを確認することができます。

 

6.静脈弁の動き

超音波検査では静脈弁の動きが観察できます。動画でご覧ください。

以上、超音波検査によって分かることをご説明いたしました。

 

超音波検査の手順

1.検査の前に半ズボンにお着替えしていただきます。

2.椅子または診察台にお座りいただき、観察する部分にゼリーを塗ります。

(ちなみに、立った状態で検査を行うこともありますが、検査中に緊張で気分が悪くなる方がいらっしゃいますので、当院では座ったまま検査を行っています。立った状態と座った状態で検査結果が変わることはありません。)

3.足の静脈に超音波探触子(プローブといいます)を当てて静脈の様子を観察します。

 

超音波検査は手軽にできる検査で、検査の際に痛みもありません。

レントゲンやCT検査のように放射線の被ばくもありません。

しかも、検査結果がその場で分かるため、とても便利な検査です。

当院では患者さんに超音波検査の映像を一緒に見ていただき、その場で病状を説明しています。

口で説明するよりも、実際の検査結果を映像で見ていただいた方が患者さんも病気について理解しやすいと思います。

まさに「百聞は一見に如かず」なのです。

 

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