【医師監修】女性ホルモンと下肢静脈瘤の関係を徹底解説|妊娠・月経・更年期でリスクが変わる理由とは?

下肢静脈瘤の原因

【医師監修】女性ホルモンと下肢静脈瘤の関係とは?妊娠・ピル・更年期による影響を徹底解説

この記事は、下肢静脈瘤専門クリニック・目黒外科 院長齋藤 陽医師が監修しています。

女性に多い下肢静脈瘤、その理由とは?

下肢静脈瘤は、脚の静脈が拡張し血液が逆流して滞ることで起こる病気です。特に女性に多いことが知られており、その背景には女性ホルモンが関与しています。この記事では、妊娠、月経、更年期、避妊薬、ホルモン補充療法といったホルモン変動が下肢静脈瘤にどう影響するのかを詳しく解説します。

1. 女性ホルモンと静脈の関係

エストロゲンは血管の柔軟性を保つ作用がある一方で、ホルモンバランスが乱れると血管が拡張しやすくなります。プロゲステロンは血管壁の筋肉をゆるめる働きがあり、これにより血液の逆流が起こりやすくなるのです。

生理周期における女性ホルモンの変化

生理周期における女性ホルモンの変化

2. 妊娠と下肢静脈瘤の関係

妊娠中はエストロゲン・プロゲステロンが急激に増加し、血管がより拡張しやすくなります。加えて、子宮の圧迫により下肢の静脈への圧力が高まり、血流が滞ることで静脈瘤ができやすくなります。特に2人目、3人目の妊娠で悪化しやすいのはこのためです。

妊娠時の女性ホルモンの変化

妊娠時の女性ホルモンの変化

3. 月経周期による一時的な悪化

月経前はプロゲステロンが増加するため、血管が拡張しやすくなり、足のだるさやむくみを感じやすくなります。月経が終わると自然に症状が軽減するケースが多いです。周期的な症状の変動に気づいている方は多く、当院にも「生理前や生理2~3日目に足が重い」と相談に来られる患者さんが多いです。

4. 更年期と下肢静脈瘤

更年期になるとエストロゲンの分泌が減少し、血管の柔軟性が低下。血流が悪くなり、静脈瘤が悪化しやすくなります。加えて、体重増加や運動不足もリスクを高めます。更年期に静脈瘤が目立ち始めたというケースは少なくありません。

5. 避妊薬・ホルモン補充療法の影響

経口避妊薬やホルモン補充療法(HRT)にはエストロゲン・プロゲステロンが含まれており、ホルモンバランスの変化により血管が拡張しやすくなることがあります。特に長期間使用している方や静脈瘤の家族歴がある方は注意が必要です。

6. 遺伝とホルモンの相互作用

女性ホルモンの影響に加えて、遺伝も重要なリスク因子です。両親ともに下肢静脈瘤がある場合、その子どもが静脈瘤を発症する確率は90%に達するという報告もあります。特に女性はホルモン変動も加わり、リスクがさらに高まります。

患者さんの体験談

40代・女性(東京都)
「妊娠中に静脈瘤が出て、産後もなかなか消えず悩んでいました。女性ホルモンの影響があると知り、ホルモン変動が大きい時期に症状が強くなることに納得。先生の説明で安心し、治療を受ける決心がつきました。」

よくあるご質問(FAQ)

Q1. ピルを飲んでいて足の血管が浮いてきました。下肢静脈瘤でしょうか?

A. 経口避妊薬は静脈に影響を与えることがあります。足の血管が浮いてきた場合は、専門医による超音波検査をおすすめします。

Q2. 妊娠中にできた静脈瘤は自然に治りますか?

A. 出産後に改善することもありますが、残るケースも多いため、産後数ヶ月経っても改善しない場合は受診をおすすめします。

Q3. 更年期で静脈瘤が悪化しています。治療は可能ですか?

A. はい、可能です。年齢に関係なく静脈瘤治療は受けられますので、症状が気になる場合は早めにご相談ください。

まとめ

女性ホルモンは妊娠・月経・更年期・薬剤使用などさまざまな場面で変動し、下肢静脈瘤の発症や悪化に関わっています。女性特有のライフステージごとに症状が変わるため、違和感を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。

ご相談は目黒外科までお気軽にどうぞ。

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