弾性ストッキングの基礎知識Q&A|正しい選び方と使い方を徹底解説②
弾性ストッキング(着圧ソックス)は、下肢静脈瘤の症状改善に役立つ一方で、正しい使い方を知らないとトラブルの原因になることがあります。このブログでは、皆さんからよくいただく質問にお答えし、適切な選び方や使用方法を解説します。

Q. 皮膚がかぶれてしまったのですが

A. 足の皮膚がかぶれてしまった場合、大きく分けて以下の3つの原因が考えられます。
  1. 弾性ストッキングの生地が肌に合わなかった場合 → 他の種類の弾性ストッキング(異なる素材やメーカーのもの)に変更しましょう。
  2. 着用時間が長すぎた場合 → 一度に着用する時間を短くし、適宜脱ぎながら使いましょう。
  3. ストッキングを引っ張り上げすぎて、皮膚との摩擦が起こった場合 → 適度な力加減で装着するようにし、無理に引っ張り上げないよう注意してください。
かぶれてしまった皮膚には、皮膚科医の指示のもとでステロイド軟膏を塗ると良いでしょう。

Q. 弾性ストッキングが長いので端を折り返して履いても良いですか?

A. 折り返して履くことは避けてください。
特にハイソックスタイプのストッキングの上端を折り返すと、その部分が過度に締め付けられ、静脈血の流れを妨げてしまいます。これは、血液検査で腕にゴムを巻くときと同じ状態を引き起こします。

対策:
  • ストッキングが膝丈より少し長い場合は、上端を膝下に合わせ、つま先方向に生地を寄せることで長さを調整しましょう。

Q. 夏は暑いのでつま先を切って良いでしょうか?

A. つま先を切ることは避けてください。
ストッキング全体が伝線してしまうリスクがあります。暑い季節には、つま先部分が空いている「オープン・トゥータイプ」の弾性ストッキングを使用するのがおすすめです。

Q. 膝のところにストッキングが食い込んで痛いのですが?

A. ハイソックスタイプの弾性ストッキングは、引っ張り上げすぎると膝の皮膚にシワができ、食い込みや痛みを引き起こします。場合によっては皮膚が赤くなったり、水ぶくれができることもあります。

対応策:
  1. ストッキングの上端を少し下げ、シワができないようにつま先方向に生地をならしましょう。
  2. 上端部分にガーゼやハンカチを挟むことで、圧力を分散させることができます。
  3. ハイソックスタイプからストッキング全体を覆うタイプに変更することも有効です。

まとめ

弾性ストッキングは、正しく選び、使うことでその効果を最大限に引き出すことができます。一方で、肌トラブルや痛みを引き起こす場合もあるため、早めに適切な対応を行うことが大切です。自分の足に合ったストッキングを選び、快適に使用していきましょう。