【Q&A】足の血管が浮き出ているのですが、これって病気ですか?

足の血管が浮き出てきた?それ、下肢静脈瘤かどうか見分ける方法とは

最近になって「足の血管がくっきりと浮き出てきた」「血管が目立ってきて気になる」と感じて、心配になって来院される方が増えています。とくに、以前は気にならなかったのに、ある日ふと鏡を見たときに気づいたという方も少なくありません。

目黒外科にも、こうした血管の見え方について不安を抱えてご相談に来られる患者さんが多くいらっしゃいます。

ただし、血管が見えているからといって、それがすぐに「下肢静脈瘤」というわけではありません。中にはまったく問題のない、正常な静脈が皮膚の上から見えているだけのケースもあります。

この記事では、「どのような血管の浮き方が下肢静脈瘤のサインなのか」、そして「見た目だけでは判断がつかないケースをどう見分けるのか」について、専門医の視点からわかりやすく解説していきます。

「血管が浮き出る=下肢静脈瘤?」見た目だけでは判断できません

クネクネと浮き出た血管は、典型的な下肢静脈瘤

下肢静脈瘤の写真
皮膚の表面に、まるでミミズが這ったようにクネクネと蛇行した血管が浮き出て見える場合、それは典型的な下肢静脈瘤の症状です。
この状態は、静脈の中にある逆流防止弁がうまく機能しなくなり、血液が本来の流れとは逆方向に滞ってしまうことで、血管がふくらみ、皮膚の上からもはっきりと確認できるようになるのです。

足の甲や手の甲の血管は「正常」であることが多い

足の甲の血管
手の甲の血管
足の甲や手の甲にスッと浮き出て見える血管は、多くの方に見られる自然な状態です。これらの部位は皮下脂肪が少なく、皮膚のすぐ下を血管が走っているため、表面から血管がはっきりと見えるのです。血管が目立っていても、それだけで異常や病気というわけではなく、生理的なものとして心配のないケースがほとんどです。

太くまっすぐ見える血管は静脈瘤?判断には検査が必要

太い静脈の写真
血管がクネクネと蛇行していなくても、「なんだか太くなってきた気がする」「片足だけ血管が目立つ」といった違和感を抱える方は少なくありません。
一見すると健康的な血管のように見えても、実は下肢静脈瘤が始まっていることもあり、見た目だけで正常かどうかを判断するのは非常に難しいのが現実です。

超音波検査(エコー)で血流の流れを確認

エコー検査の様子
当院では、静脈の状態を詳しく調べるために、超音波検査(エコー)を実施しています。
この検査では、静脈の中を流れる血液の方向や逆流の有無をリアルタイムで確認できるため、下肢静脈瘤の診断には欠かせません。
痛みをともなうことはなく、数分で終わるため、初めての方やご高齢の方でも安心して受けていただけます。体への負担が少ない、やさしい検査です。

正常な血流と異常な血流の違い

正常な静脈の図逆流する静脈の図

本来、静脈の中を流れる血液は、重力に逆らって心臓に向かって上方向へと送られています。
この働きを支えているのが、静脈の内側にある「逆流防止弁」です。
弁は血液が逆流しないように一方通行のゲートのような役割を果たしています。

しかし、下肢静脈瘤のある静脈では、この弁が壊れていたり、うまく閉じなくなっていたりします。
その結果、血液が重力に従って下へ逆流してしまい、足の静脈に血液がたまる「うっ滞」状態が起こります。
この血液の滞留が、血管のふくらみやだるさ、むくみといったさまざまな症状の原因になるのです。

迷ったら、一度エコー検査を受けてみましょう

「浮き出た血管が気になるけれど、これが静脈瘤なのか、それとも正常な血管なのか判断できない…」
そんなときは、ご自身で悩み続けるよりも、下肢静脈瘤の専門医による検査を受けることが何より確実です。
静脈瘤は見た目だけでは判別が難しく、放置してしまうと症状が進行し、足のだるさやむくみ、皮膚の変色、潰瘍などを引き起こすこともあります。
早めに正確な診断を受けることで、体への負担が少ない段階で治療を始めることができるため、不安を感じたらどうぞお早めに医療機関へご相談ください。

動画でわかる!血管の見分け方


目黒外科のご紹介

目黒外科は、下肢静脈瘤治療を専門とするクリニックとして2017年に開院しました。院長は下肢静脈瘤ひとすじ28年、これまでに数多くの症例に対応してきた実績があります。
JR目黒駅東口から徒歩1分とアクセスも良好。超音波検査による診断から、日帰りのレーザー治療まで、専門性の高い医療を提供しています。
血管の浮き出しや足の違和感など、気になる症状があればお気軽にご相談ください。