目黒外科には「足の血管が目立つようになってきた」と心配して多くの患者さんが受診されます。
「足の血管が浮き出ている」状態と言っても様々です。
このように、クネクネと曲がりくねった血管が浮き出ている場合は「下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)」です。
しかし、この写真の方のように足の甲の血管が浮き出ている人は正常です。
よく患者さんから「手の甲の血管が浮き出ているけれど、これは静脈瘤ですか?」と質問されます。
これも正常な静脈です。
どうして足の甲・手の甲・すねの静脈は浮き出て見えているのでしょうか?
それは皮下脂肪が少ない場所だからです。
皮下脂肪の厚い場所を走行する静脈は皮下脂肪に隠れてしまい、皮膚からは見えません。
しかし、皮下脂肪が少ないと、皮膚の真下を走行する静脈は丸見えです。
では、このような血管はどうでしょう?
静脈瘤のようにクネクネ曲がりくねっていないけれど、太めの静脈です。
この写真のように、「下肢静脈瘤」なのか、それとも「正常な静脈が太く見えている」なのか
正確に判定する方法があります。
それは超音波検査(エコー検査)です。
正常な静脈であれば血液の流れは心臓の方へ流れていきます。
反対に、下肢静脈瘤の場合は血液が重力によって下に流れます。
静脈には血液が重力によって落下しないようにする「弁」が備わっています。
下肢静脈瘤はこの弁がきちんと閉じませんので、血液が重力によって落下します。
ご自身の目で見ただけでは正常な静脈なのか、それとも下肢静脈瘤なのか、判断に困った方は一度超音波検査を受けてみてください。
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