下肢静脈瘤のレーザー治療について
下肢静脈瘤は、多くの人が経験する血管の病気であり、その治療法の一つにレーザー治療があります。レーザー治療は、低侵襲でありながら効果的な治療方法として2011年から国内でも健康保険で治療が受けられるようになりました。この記事では、下肢静脈瘤のレーザー治療が適応となる方について詳しく解説します。レーザー治療の基本原理
レーザー治療は、高エネルギーのレーザー光を利用して静脈瘤を閉塞させる治療法です。レーザー光が血管内に挿入されたカテーテルを通じて照射され、熱によって静脈の内壁を焼灼することで、血管を閉塞させます。これにより、血液は健康な静脈を通るようになり、静脈瘤による症状が改善されます。どのような患者さんがレーザー治療の適応となるか?
レーザー治療が適応となるのは、以下のような患者です:下肢静脈瘤の症状がある
足のむくみ、痛み、重だるさ、夜間のこむら返りなどの症状が日常生活に影響を及ぼしている場合、まずは弾性ストッキング(着圧ソックス)による圧迫療法が推奨されます。しかし、圧迫療法は症状の改善には効果的ですが、下肢静脈瘤を根本的に治すわけではありません。あくまでも応急処置という位置づけですので、弾性ストッキングは自覚症状で悩んでいる限りはずっと履き続けなくてはなりませんし、夏の暑い時期でも免除されるわけではありません。ですから、下肢静脈瘤によるつらい症状を根本的に改善させたいという方はレーザー治療の適応となります。
下肢静脈瘤が進行している方(うっ滞性皮膚炎)
下肢静脈瘤が進行し、皮膚の色の黒ずみ(色素沈着)や湿疹・かゆみ、皮膚潰瘍など、うっ滞性皮膚炎と呼ばれる皮膚トラブルを合併した方はレーザー治療の適応となります。この場合はできるだけ速やかにレーザー治療を行うことが大切です。見た目の改善を希望する方
足の静脈瘤が目立ちコンプレックスとして感じていたり、不快に感じていている方もレーザー治療の適応となります。治療前の準備と注意点
レーザー治療を受ける前には、いくつかの準備と注意が必要です:医師による診断と評価
まず、専門医による診断と評価が必要です。超音波検査(エコー検査)を行い、足の静脈の状態を詳しく確認します。治療当日の生活指導
治療前には、治療当日の食事や服薬についての指導が行われます。また、治療当日はゆったりとした服装を着用し、事前に弾性ストッキングを準備しておくことが推奨されます。治療後のフォローアップ
レーザー治療後は定期的な診察で治療効果を確認し、再発の有無をチェックします。目黒外科では①手術後3日以内②手術後1か月③手術後3か月④手術後6か月と4回フォローアップのための診察を行っています。
この記事が、下肢静脈瘤のレーザー治療を検討している方々にとって、有益な情報源となることを願っています。治療の選択肢についてさらに詳しく知りたい場合は、ぜひ専門医にご相談ください。