【Q&A】下肢静脈瘤の手術は痛みますか?
今回の記事では下肢静脈瘤の手術において、多くの方が心配される痛みについて解説します。下肢静脈瘤の治療には様々な方法がありますが、それぞれの方法別に解説していきたいと思います。

下肢静脈瘤の手術方法と痛み

1. 血管内焼灼術(レーザーカテーテル)
– レーザーカテーテルを用いて熱によって静脈を焼灼して閉塞させる方法です。
– 局所麻酔を使用します。局所麻酔の注射の回数が何回もあるので、覚醒した状態で手術を行う場合は注射の痛みがあります。鎮静剤によって眠っている間に手術を行う場合は痛みも不安も感じないまま手術が終わります。カテーテルは非常に細く、皮膚の切開を伴わないため、術後の痛みは比較的少ないです。具体的に、術後の痛みに対して処方するロキソニンをどれくらいの方が服用するかというと約10%です。約90%の患者さんは「痛みは多少あったけれど、痛み止めを飲むほどではなかった」と言います。

2. 血管内焼灼術(高周波カテーテル)
– 高周波カテーテルを用いて熱を使って静脈を焼灼して閉塞させる方法です。
– レーザーカテーテルと同様に局所麻酔を使用して手術を行いますので、覚醒して手術を行えば痛みを感じますし、鎮静した状態で手術を行えば痛みも不安も感じないまま手術が終わります。カテーテルはレーザーカテーテルに比べるとやや太く、カテーテルの血管内への挿入に際しては数ミリの皮膚切開を伴います。ですが、レーザーカテーテルと同様に術後の痛みは比較的少ないです。

3. 血管内塞栓術(グルー治療)
– 医療用の接着剤を静脈に注入して閉塞させる方法です。
– カテーテルを挿入する際の局所麻酔注射の際に多少の痛みを感じることがありますが、手術自体の痛みはあまり感じませんし、術後の痛みはほとんどありません。

4. ストリッピング手術
– 最近はあまり行われなくなった手術方法ですが、静脈を直接引き抜いてしまう方法です。
– 医療機関によって全身麻酔・腰椎麻酔(下半身麻酔)・局所麻酔と様々な麻酔方法が選択されます。全身麻酔と腰椎麻酔は手術中の痛みは全く感じませんが、術後に麻酔が切れると多少の痛みを感じます。

術後の痛みと対処法

どの手術方法も術後には痛みが生じることがありますが、痛みの感じ方は個人差があるため、痛みが強い場合には我慢しても仕方がありません。医師が処方する鎮痛剤を服用しましょう。

まとめ

下肢静脈瘤の手術は治療技術や麻酔方法によって痛みを最小限に抑えることが可能です。手術方法によって痛みの程度は異なりますが、術後の痛みは患者さんが想像する痛みの程度よりは軽いことがほとんどです。手術や麻酔方法に関して不安や疑問がある場合には、医師に相談し、十分な情報を得るようにしましょう。