下肢静脈瘤を放置すると皮膚炎や潰瘍に進行?医師が写真で解説する重大リスク

うっ滞性皮膚炎

下肢静脈瘤を放置するとどうなる?皮膚炎や潰瘍のリスクを医師が解説

この記事は下肢静脈瘤専門クリニック「目黒外科」院長 齋藤陽 医師が監修しています。

見た目だけの問題と思われがちな下肢静脈瘤ですが、放置すると皮膚炎や潰瘍といった深刻な合併症を引き起こすことがあります。この記事では、写真を交えながら、医師の視点でその進行リスクと対策について詳しく解説します。

下肢静脈瘤とは?

下肢静脈瘤は、足の静脈が拡張し蛇行する病気で、多くの人に見られます。血液の逆流を防ぐ静脈弁が壊れることで、足に血液が滞りやすくなり、様々な皮膚の変化を引き起こします。

下肢静脈瘤の画像

下肢静脈瘤を放置すると起こる皮膚症状

うっ滞性皮膚炎

静脈のうっ滞によって酸素や栄養が皮膚に届きにくくなり、炎症が起こります。赤み、かゆみ、痛み、皮膚のざらつきが特徴です。

うっ滞性皮膚炎の写真

色素沈着

慢性的な炎症により皮膚が茶色〜黒く変色します。一度沈着すると自然には戻りにくく、美容面にも影響します。

色素沈着の例

湿疹

治りにくい湿疹が長期間続くのも下肢静脈瘤のサインです。皮膚科での外用薬治療では改善しない場合、下肢静脈瘤の可能性を疑う必要があります。

湿疹の写真

皮膚脂肪硬化

慢性炎症が続くことで皮膚が硬くなり、ジンジンとした痛みやかゆみを伴います。皮膚潰瘍の一歩手前の状態です。

皮膚脂肪硬化の写真

皮膚潰瘍

うっ滞性皮膚炎が進行し、皮膚が破れて潰瘍を形成します。感染リスクが高く、治療には時間を要します。


実際の患者さんの声

70代女性・主婦
足に黒ずみができて、市販薬でも治らなかったため相談しました。検査で下肢静脈瘤と診断され、手術を受けました。3ヶ月経ち、湿疹もかゆみもほぼなくなり、皮膚の色も少しずつ薄くなってきました。もっと早く相談すればよかったです。

進行を防ぐための対策

  • 早期診断と治療: 自己判断せず、エコー検査による専門的な評価を受けましょう。
  • 予防策: 弾性ストッキングの着用が血液の逆流を防ぎ、皮膚への負担を軽減します。
  • 生活習慣の改善: 長時間の立ち仕事・座りっぱなしを避け、ふくらはぎを動かす習慣をつけましょう。
  • 適切な治療法の選択: 圧迫療法・硬化療法・レーザー治療・グルー治療など、症状に応じて医師と相談を。

【関連記事】下肢静脈瘤の手術方法|レーザー治療・グルー治療・硬化療法の違いとは?

まとめ

下肢静脈瘤を放置すると、うっ滞性皮膚炎をはじめとする皮膚トラブルが進行し、色素沈着や潰瘍といった重篤な状態に至ることがあります。これらは見た目だけでなく、日常生活にも支障をきたします。放置せず、早めの受診と対策が何よりも大切です。

FAQ

Q1. 黒ずみがあるだけでも受診したほうがいいですか?
はい。色素沈着は静脈うっ滞のサインである可能性が高く、進行を防ぐには早期の検査が重要です。
Q2. 手術を受ければ皮膚は元に戻りますか?
皮膚炎やかゆみなどの症状は改善しますが、色素沈着や硬化は残ることもあります。
Q3. 治療後の再発リスクはありますか?
治療法や体質にもよりますが、適切な治療と予防策をとることで再発リスクは大きく下げられます。

下肢静脈瘤専門クリニック『目黒外科®』のご案内

目黒外科®は東京都品川区にある下肢静脈瘤の専門クリニックです。2020年〜2024年の5年間、レーザー手術件数日本一の実績があり、日曜診療・完全予約制で、全国から患者さまが来院されています。

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