下肢静脈瘤とは?
下肢静脈瘤は、足の静脈が拡張し、クネクネと蛇行した状態を言います。血液の逆流を防ぐための弁の機能不全が主な原因です。通常は足の皮膚の下に見える太い血管が特徴的で、症状が進行すると足の重だるさやむくみなど、健康上の問題を引き起こすことがあります。このような症状はありませんか?
このような症状はありませんか?
- 明け方や起床時に足がつる
- 足が重だるい
- 足がほてる
- 足がむずむずする
- 足の血管が目立つようになる
- 足がむくむ
- 足の皮膚が黒ずんできた
- 足の湿疹やかゆみがなかなか治らない
- くるぶしの上あたりが赤く腫れてジンジン痛む
- 足の傷が治らない
下肢静脈瘤の原因
下肢静脈瘤は、主に静脈の弁の機能不全によって起こります。下肢静脈瘤の主な原因について説明します。- 遺伝:下肢静脈瘤は家族性があることが知られています。親や兄弟に下肢静脈瘤がある場合、そのリスクが高まることが報告されています。
- 加齢:年齢が上がるにつれて、静脈の弁の効率が低下し、静脈壁の弾力性が失われがちです。これにより、静脈瘤の発生リスクが高まります。
- 性別:女性は特にホルモンの影響で静脈壁が弱まりやすいため、男性よりも下肢静脈瘤を発症しやすいとされています。特に妊娠中はホルモンの変化と子宮の圧迫によってリスクが増加します。
- 長時間の立ち仕事や座り仕事:長時間同じ姿勢でいることにより、下肢への血液の循環が悪くなり、静脈内圧が高まります。これが静脈瘤の形成を促す要因となります。
- 肥満:体重が重いほど、脚への圧力が増え、静脈にかかる負担が大きくなります。これが静脈弁への圧力を増加させ、機能不全を引き起こす原因となることがあります。
下肢静脈瘤の頻度
- 全体の発生率: 日本人の約9%に下肢静脈瘤があり、患者数は1,000万人以上いると推測されています。 出産経験のある成人女性は2人に1人が発症するというデータがあります。
- 性別による違い: 一般的に、女性は男性よりも下肢静脈瘤を発症するリスクが高いとされています。これは女性ホルモンが静脈壁の弾力性に影響を与えることと、妊娠が下肢静脈瘤の原因となるためと考えられています。
- 年齢との関連: 年齢が上がるにつれて、下肢静脈瘤のリスクは増加します。特に40歳以上の人々に多く見られますが、若年層でも発症することがあります。
- 遺伝的要因: 下肢静脈瘤は家族内で発生する傾向があり、親や兄弟姉妹に下肢静脈瘤がある人は、それを発症するリスクが高いことが知られています。
- 生活習慣と職業: 長時間立ち仕事をする人々や、長時間座っている人々の間で、下肢静脈瘤がより一般的に見られます。適度な運動不足や肥満も発生率を高める要因となります。
下肢静脈瘤の種類
下肢静脈瘤が発生しやすい静脈が主に2か所あります。それは皮膚の下を走る表在静脈に分類されれる大伏在静脈と小伏在静脈です。– 伏在型静脈瘤:大伏在静脈または小伏在静脈に血液の逆流があるタイプの静脈瘤で、最もポピュラーなタイプです。
– 側枝型静脈瘤:大伏在静脈・小伏在静脈どちらにも血液の逆流はなく、伏在静脈から分岐している小さな静脈が拡張する状態を指します。足の重だるさや疲労感、夜間のけいれん、痛みや不快感などがあります。
– 網目状静脈瘤:直径が2mm程度の比較的小さな静脈が拡張し、青色がかった静脈が皮膚の下に網目状に浮き出る状態を指します。網目状静脈瘤自体は痛みを伴うことは少なく、主に美容的な問題として認識されています。しかし、症状が進行すると重だるさや疲れやすさなどを感じることがあります。
– クモの巣状静脈瘤:皮膚の表面に近い小さな毛細血管が拡張し、クモの巣のような形をした赤い毛細血管が現れる状態です。医学的には害はないものの、見た目の問題により治療を希望する人もいます。
下肢静脈瘤の経過と皮膚症状
むくみ(浮腫)
静脈の圧力が高まると血液が組織に漏れやすくなり、むくみが発生します。色素沈着
静脈圧の高まりにより皮膚の下で小さな内出血が繰り返されるようになると、色素沈着が生じることがあります。湿疹・かゆみ
皮膚科に通院してかゆみ止めの塗り薬をもらっていてもなかなか湿疹・かゆみが治らない、という方は一度下肢静脈瘤を疑ってみてください。皮膚脂肪硬化
老廃物の多い汚れた血液が長期間にわたって足の静脈に溜まり続けると皮膚が炎症を起こして赤く腫れて痛みが出ます。「ジンジン痛む」とか「痛痒い」という表現をされる方が多いですが、下肢静脈瘤の症状としては潰瘍の一歩手前の重症の状態です。潰瘍(かいよう)
最も重度の症状の一つで、治療が遅れると皮膚が潰瘍を形成することがあります。下肢静脈瘤の検査
超音波検査(エコー検査)によって静脈の血流の状態を詳しく調べることができます。これにより、正確な診断と適切な治療計画を立てることができます。下肢静脈瘤の治療
下肢静脈瘤の治療法は、症状の程度や患者様の健康状態によって異なります。一般的には、以下のような治療方法があります:下肢静脈瘤の治療法
– 圧迫療法:医療用の圧迫ストッキングを着用することで、ふくらはぎが圧迫され血液の逆流を防ぎます。手軽に始められ速やかに症状が改善しますが、根本的な治療ではありません。 – 硬化療法:硬化剤という薬剤を静脈瘤に注入し、静脈の内壁に炎症を生じさせて閉塞させる方法です。小さな静脈瘤や再発した静脈瘤に対して効果的な方法です。 – ストリッピング手術:側枝静脈瘤を含む伏在静脈を外科的に除去する手術です。現在は血管内焼灼術や血管内塞栓術など、より低侵襲な手術方法が主流となっており、あまり行われていません。 – 血管内焼灼術:カテーテルを用いて静脈瘤を熱によって焼いて閉塞させる方法です。局所麻酔下で行われます。皮膚切開が不要で、術後の痛みも少なく、回復が早いという利点があります。現在世界で最も多く行われている治療法です。 – 血管内塞栓術:医療用の瞬間接着剤を用いて静脈瘤を閉塞させる方法です。局所麻酔下で行われ、皮膚切開が不要で、術後の痛みも少なく、回復が早いという利点があります。 当院が下肢静脈瘤治療専門クリニックとして選ばれる理由
下肢静脈瘤の専門医師による日帰り手術
高い専門性を持つ医師が治療を行います。当院は2020年以降、4年連続でレーザーカテーテルによる下肢静脈瘤血管内焼灼術の手術件数が日本一の実績があります。「切らない」「縫わない」「抜糸しない」傷あとが目立たず、痛みが小さい日帰り手術
当院で行う下肢静脈瘤手術は、皮膚を切開しないため、傷を糸で縫う必要もなく、抜糸も不要です。そのため、傷あとがほとんど目立ちませんし、局所麻酔が切れた後も痛みが非常に少なく、大部分の患者さんは痛み止めを飲まずに済んでいます。手術翌日から入浴・運動・お仕事などは通常通りに行っていただけます。日曜日も診療しています
忙しい方でも通院しやすいよう、週末も診療を行っています。治療はすべて保険適用
当院で行う治療はすべて健康保険が適用されます。高額な自費の治療を強引に勧めることはありませんのでご安心ください。患者さんお一人お一人に合わせて複数の治療法の中から適切な治療法を提案します
患者様一人一人の状態を把握したうえで最適な治療計画を提案いたします。下肢静脈瘤でお悩みの方はどうぞお気軽にご相談下さい。