血栓性静脈炎とは?原因・予防・治療法のまとめ
「足が急に赤く腫れて痛くなった」

「足の血管が硬くしこりを触れる」

このような症状でお困りではありませんか?このような症状が突然現れた場合は「血栓性静脈炎」を疑いましょう。この記事では、血栓性静脈炎とは何か、なぜ起こるのか、そして予防と対処方法について解説します。

    血栓性静脈炎とは?

    血栓性静脈炎は、体の静脈内に血栓(血の塊)が形成され、その結果として生じる炎症のことを指します。この状態は主に脚の静脈で発生しますが、他の部位の静脈でも起こり得ます。

    なぜ血栓性静脈炎が起こるの?

    血栓性静脈炎は、静脈の壁が損傷する、血液の流れが遅くなる、血液が固まりやすくなるといった、さまざまな理由で起こりますが、下肢静脈瘤のある方に起こりやすいです。下肢静脈瘤を持つ方が長時間のデスクワークで同じ姿勢でいて、さらに水分の摂取不足などの要因が加わると血栓が生じやすくなります。

    汗をかきやすく脱水状態になりやすい夏場に発生する事が多いのですが、意外にも冬場でも血栓性静脈炎は起こりやすいのです。その理由は、暖房のきいた部屋で厚着をして、長時間座りっぱなしでトイレにもあまり行かず、水分もあまり飲まない・・・こんな経験ありませんか?

    血栓性静脈炎の症状

    血栓性静脈炎の症状には、以下のようなものがあります:
    • 赤み、腫れ、熱感
    • 痛みや圧痛
    • 硬化した静脈
    足の静脈に血栓ができるとなぜ痛みや腫れが生じるのかというと、もともと自分の体の一部であった血液も、血栓になってしまうと「異物」として認識されてしまうので免疫反応が起こってしまうのです。

    診断

    血栓性静脈炎の診断は、医師による身体検査、患者の病歴、および超音波検査などの画像診断を通じて行われます。

    治療

    血栓性静脈炎の治療はそのタイプと重症度によって異なりますが、一般的な治療法には以下のようなものがあります:
    • 抗凝固薬:血栓の成長を防ぎ、新たな血栓の形成を防ぐために使用されます。大腿静脈付近に血栓が認められる場合などに使用されます。
    • 圧迫療法:弾性ストッキングを使用して脚の血流を改善します。
    • 痛み止め:痛み止めを飲むと数日で痛みが消失することが多いです。
    • 下肢静脈瘤のある人が多いため、下肢静脈瘤に対する治療も必要になることがあります。

    血栓性静脈炎はどのように予防できるの?

    血栓性静脈炎の予防には、定期的に動くことが重要です。長時間座ったり立ったりしている場合は、時々足を動かしたり、歩き回ったりして血流を良くすると良いでしょう。水分をたくさん摂ることも重要です。

    そして何より、下肢静脈瘤を放置している方は治療を検討しましょう。

    最後に

    血栓性静脈炎の症状に当てはまる症状が出現したら、心臓血管外科を受診するようにしましょう。