【医師監修】妊娠中にできる下肢静脈瘤の予防と対策|原因と注意点を専門医が解説
こんにちは。下肢静脈瘤専門クリニック 目黒外科 院長の齋藤陽です。
妊娠中はホルモンや血流の変化により、下肢静脈瘤が発症・悪化しやすい時期です。
この記事では、妊娠中に下肢静脈瘤が起こる原因、予防・対策法、出産後に向けたアドバイスを、専門医の立場からわかりやすく解説します。
妊娠と下肢静脈瘤の関係
妊娠中の女性の体にはさまざまな変化が起こります。下肢静脈瘤の原因となる主なポイントは以下の通りです。
妊娠中に母体に起こる変化
- 母体の血液量が妊娠前に比べて約1.5倍に増加する
- 女性ホルモンの分泌量が増加し、静脈が拡張しやすくなる
- 大きくなった子宮が骨盤の静脈を圧迫する
これらの影響で足の血液が心臓に戻りにくくなり、静脈瘤ができやすくなります。また、既にある下肢静脈瘤が悪化することもあります。
妊娠中にできる下肢静脈瘤の予防と対策
妊娠中には下肢静脈瘤の手術治療が原則できないため、症状を予防・軽減する日常の対策が重要になります。
- 定期的な運動:軽いウォーキングや水泳などで足の血流を促進しましょう。
- 適切な体重管理:過度な体重増加は静脈への圧力を高めます。
- 弾性ストッキングの活用:医療用の弾性ストッキングは血流を助け、静脈瘤の発症を抑えます。
- 同じ姿勢を長時間続けない:30分〜1時間に1回は足を動かしたり、横になって脚を上げるなどの工夫を。
妊娠中に下肢静脈瘤を経験した方の声
「妊娠後期に足の血管がボコボコ浮き出てきてびっくりしました。痛みやむくみもあり、目黒外科で相談したところ、着圧ストッキングと寝る姿勢を工夫するよう指導を受けました。産後しばらくして自然に治まりましたが、早めに相談して本当によかったです。」(30代・2人目妊娠中の方)
よくある質問(FAQ)
- Q. 妊娠中にできた下肢静脈瘤は出産後に治りますか?
- A. 出産後に自然に軽快することもありますが、完全には治らず残るケースもあるため注意が必要です。
- Q. 妊娠中でも弾性ストッキングを使って大丈夫ですか?
- A. むしろ妊娠中にこそ弾性ストッキングを履きましょう。
- Q. 下肢静脈瘤があっても自然分娩はできますか?
- A. 多くの場合、自然分娩は可能ですが、血栓リスクがある場合などは医師とよく相談する必要があります。
まとめ
妊娠中は下肢静脈瘤ができやすく、症状が出ても手術治療は難しい時期です。日常的な予防とセルフケアの積み重ねがとても重要です。症状が気になる方は、お早めに専門医にご相談ください。
目黒外科では、妊娠中の女性にもやさしい対応とアドバイスを心がけています。
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この記事は、下肢静脈瘤専門医 齋藤陽(目黒外科 院長)の監修のもと執筆されています。
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