【医師監修】下肢静脈瘤を放置する危険性と早期治療の重要性|飲食業で働く方に特に多い症状とは
はじめに:立ち仕事が多い飲食業の方へ
飲食店で働く男性患者さんは、長時間の立ち仕事や歩き回る勤務形態により、下肢静脈瘤を発症しやすい環境にあります。しかし「見た目が気になるだけ」「命に関わる病気ではない」と考え、受診を後回しにしてしまう方が少なくありません。放置された結果、症状が進行して皮膚潰瘍に至り、治療が困難になるケースも多く見られます。本記事では、放置によるリスクや早期治療の重要性について、特に立ち仕事をされる方の視点で解説します。
下肢静脈瘤とは?|立ち仕事の方に多い理由
下肢静脈瘤は、足の静脈にある血液の逆流を防ぐ弁が壊れ、血液が逆流して血管が拡張・蛇行する病気です。特に飲食業など、長時間立ちっぱなしで足を動かしづらい職種では、ふくらはぎの筋ポンプ機能が働きにくく、血液のうっ滞が起こりやすくなります。
下肢静脈瘤を放置することで起こる3つのリスク
1. 色素沈着(ヘモジデリン沈着)
進行すると皮膚に茶色い色素沈着が見られるようになります。これは血液中の鉄分(ヘモジデリン)が皮膚に沈着することで起こります。
2. 湿疹(うっ滞性皮膚炎)
血液が滞ることで皮膚が乾燥し、かゆみや炎症を伴う湿疹が生じます。初期の軽症でも、慢性化すると皮膚が硬くなり、治療に時間がかかるようになります。
3. 皮膚潰瘍
最も重症化したケースでは、静脈うっ滞により皮膚に潰瘍が形成されます。潰瘍の治療には数か月以上かかる場合があり、仕事への支障も避けられません。
早期に治療すべき理由
- 進行を防ぐ:症状が軽いうちに治療することで、色素沈着や潰瘍への進行を防げます。
- 治療効果が高い:初期段階での圧迫療法やカテーテル治療、硬化療法は短期間で改善効果が得られます。
- 生活の質が向上:立ち仕事中の足のだるさや痛みが軽減し、仕事のパフォーマンスも向上します。
患者さんの声
「厨房での長時間立ちっぱなしが原因だったなんて…」
40代 男性 飲食業:ずっと足のだるさを我慢していましたが、ついに皮膚が黒ずみはじめたので受診しました。先生の説明が丁寧で、レーザー治療も思ったより楽で驚きました。今では仕事中も足が軽く、もっと早く診てもらえばよかったと感じています。
FAQ:飲食業・立ち仕事の方に多いご質問
- Q. 忙しくて病院に行けません… 放置しても大丈夫ですか?
- A. 放置すると潰瘍に進行する恐れがあります。健康第一です。通院で治療できますので、何とか受診のお時間を作ってください。
- Q. 治療後すぐ仕事に復帰できますか?
- A. 多くの方が翌日から通常勤務されています。
- Q. 男性でも受診していいですか?
- A. もちろんです。最近は男性の患者さんも増えており、特に飲食業の方が多く来院されています。
おわりに:健康な足で働き続けるために
下肢静脈瘤は命に関わる病気ではありませんが、放置することで生活の質を大きく下げる合併症を引き起こします。仕事が忙しい方こそ、足の違和感を軽視せず、早めに専門医を受診することが大切です。目黒外科では、短時間での診療・日帰り治療・丁寧なフォローアップで、働くあなたをサポートします。
監修:医療法人社団トリプルウィン 目黒外科 院長・ 齋藤陽