弾性ストッキングの効果と選び方|下肢静脈瘤は治るのか専門医が解説

弾性ストッキング
  1. 足のむくみ・だるさで弾性ストッキングを検討している方へ
  2. 弾性ストッキングとは?
  3. 弾性ストッキングで下肢静脈瘤は治りますか?
    1. 弾性ストッキングで期待できること・できないこと
  4. 市販の着圧ソックスと医療用弾性ストッキングの違い
  5. 弾性ストッキングの種類
    1. ハイソックスタイプ
    2. ストッキングタイプ
    3. パンストタイプ
  6. どのタイプを選べばいいですか?
    1. 選ぶときのポイント
  7. 弾性ストッキングの正しい使い方
    1. 基本的な使い方
    2. 着用方法の動画
  8. 寝るときも履いた方がよいですか?
  9. 弾性ストッキングを使うときの注意点
    1. 自己判断で強い圧を使わない方がよいケース
  10. 下肢静脈瘤で受診を検討した方がよいケース
    1. 初診での検査をおすすめする方
  11. 足の血管がボコボコ浮き出ている方へ
  12. 黒ずみ・湿疹・かゆみがある場合は、うっ滞性皮膚炎に注意
    1. 足の黒ずみ・湿疹・かゆみがある方へ
  13. 下肢静脈瘤レーザー手術を検討するケース
    1. 手術について詳しく知りたい方へ
  14. よくある質問
    1. Q. 弾性ストッキングで下肢静脈瘤は治りますか?
    2. Q. 市販の着圧ソックスでも大丈夫ですか?
    3. Q. 寝るときも履いた方がよいですか?
    4. Q. どの圧力を選べばよいですか?
    5. Q. 弾性ストッキングを履くと痛いです。続けてもよいですか?
    6. Q. どのような場合は目黒外科の初診対象ですか?
  15. まとめ|弾性ストッキングは有効なサポートですが、根本治療ではありません
  16. 受診すべきか迷う方へ
  17. 関連記事
  18. 弾性ストッキングの解説動画
      1. 監修:下肢静脈瘤専門クリニック 目黒外科 院長・齋藤 陽

足のむくみ・だるさで弾性ストッキングを検討している方へ

長時間の立ち仕事やデスクワークで、夕方になると足がむくむ、重だるい、靴下の跡が残る――このような症状に心当たりはありませんか。

弾性ストッキングは、足を外側から適度に圧迫し、静脈の血液が心臓へ戻りやすくなるようにサポートする医療用のストッキングです。足のむくみ・だるさの軽減、下肢静脈瘤による症状の緩和、術後のサポートなどに使われます。

ただし、弾性ストッキングは、壊れた静脈の弁や下肢静脈瘤そのものを治す治療ではありません。履いている間は症状を軽くする助けになりますが、脱ぐと圧迫効果はなくなります。

太い血管がボコボコ・クネクネ浮き出ている方、足の黒ずみ・湿疹・かゆみがある方、こむら返りやむくみが強い方は、超音波検査で静脈の逆流を確認することが大切です。

※血管が浮き出ていない軽いむくみや疲れだけの場合、下肢静脈瘤以外の原因も考えられます。足の血管がボコボコ浮き出ている方、黒ずみ・湿疹・かゆみがある方は初診での検査をご検討ください。

弾性ストッキングは、足のむくみやだるさに悩む方、立ち仕事が多い方、下肢静脈瘤の症状がある方、下肢静脈瘤手術後の方などに使われることがあります。一方で、「弾性ストッキングを履けば下肢静脈瘤が治るのか」「市販の着圧ソックスでもよいのか」「寝るときも履いた方がよいのか」と迷う方も少なくありません。この記事では、弾性ストッキングの効果、医療用と市販品の違い、種類と選び方、正しい使い方、注意点、下肢静脈瘤で受診すべき目安について、目黒外科 院長・齋藤陽がわかりやすく解説します。


弾性ストッキングとは?

弾性ストッキングとは、足首からふくらはぎ、太ももにかけて段階的に圧迫することで、足にたまった血液が心臓へ戻りやすくなるように助ける医療用ストッキングです。

人間の足は心臓から遠く、血液は重力に逆らって心臓へ戻らなければなりません。このとき、ふくらはぎの筋肉によるポンプ作用と、静脈の逆流防止弁が重要な役割を果たしています。

しかし、長時間の立ちっぱなしや座りっぱなしが続くと、ふくらはぎの筋ポンプが十分に働かず、血液が足にたまりやすくなります。その結果、むくみ、重だるさ、張り感などが出ることがあります。

弾性ストッキングが静脈の流れをサポートする仕組み
弾性ストッキングは外側から足を圧迫し、静脈の流れをサポートします

弾性ストッキングは、外側から足を適度に圧迫することで、足の血液がたまりにくくなるようにサポートします。


弾性ストッキングで下肢静脈瘤は治りますか?

弾性ストッキングは、足のむくみやだるさを軽くする助けになります。また、下肢静脈瘤による症状の緩和や、手術後のサポートとして使われることがあります。

しかし、弾性ストッキングで下肢静脈瘤そのものが治るわけではありません。

下肢静脈瘤は、足の静脈の弁が壊れ、血液が足の方へ逆流することで起こります。弾性ストッキングは血液のうっ滞を減らす助けにはなりますが、壊れた弁や太くなった静脈を元に戻す治療ではありません。

弾性ストッキングで期待できること・できないこと

  • 期待できること:むくみ・重だるさの軽減
  • 期待できること:足に血液がたまりにくくなるサポート
  • 期待できること:手術後の圧迫・再発予防の補助
  • できないこと:壊れた静脈弁を治す
  • できないこと:ボコボコ浮き出た静脈瘤を根本的に消す
  • できないこと:黒ずみ・湿疹・潰瘍を根本的に治す

メガネをかけると物が見えやすくなりますが、メガネを外すとまた見えにくくなります。弾性ストッキングも同じように、履いている間に効果を発揮するサポートです。


市販の着圧ソックスと医療用弾性ストッキングの違い

市販の着圧ソックスは、美容目的や軽いむくみ対策として使われることが多く、医療用弾性ストッキングとは圧力設計や目的が異なります。

医療用弾性ストッキングは、足首の圧が強く、上に向かうほど圧が弱くなる「段階的圧迫設計」になっています。これにより、足先から心臓方向へ血液が戻りやすくなるように作られています。

弾性ストッキングの段階的圧迫設計
足首が最も強く、上に向かって圧が弱くなる段階的圧迫設計
種類 主な目的 特徴
市販の着圧ソックス 美容目的、軽いむくみ対策 比較的弱い圧の商品が多く、手軽に購入できる
医療用弾性ストッキング 静脈疾患の症状緩和、術後サポートなど 圧力・サイズを確認して使用することが大切

下肢静脈瘤の症状がある方では、医療用弾性ストッキングを使用することがあります。ただし、圧力やサイズは自己判断ではなく、医療者による計測と確認が大切です。


弾性ストッキングの種類

弾性ストッキングには、ハイソックスタイプ、ストッキングタイプ、パンストタイプなどがあります。使用目的、症状の場所、履きやすさ、生活スタイルによって選びます。

ハイソックスタイプ

ハイソックスタイプの弾性ストッキング
ハイソックスタイプの弾性ストッキング
  • 長所:着脱しやすく、日常生活で使いやすい
  • 長所:価格が比較的抑えられることが多い
  • 短所:太ももまでの圧迫はできない

ストッキングタイプ

ストッキングタイプの弾性ストッキング
ストッキングタイプの弾性ストッキング
  • 長所:太ももまで圧迫できる
  • 長所:スカートに合わせやすい場合がある
  • 短所:ずり落ちやすいことがある
  • 短所:肌に合わないと食い込みやかゆみが出ることがある

パンストタイプ

パンストタイプの弾性ストッキング
パンストタイプの弾性ストッキング
  • 長所:足全体をカバーできる
  • 長所:左右差が少なく、全体を圧迫しやすい
  • 短所:履くのが大変なことがある
  • 短所:トイレや着脱が負担になることがある

どのタイプを選べばいいですか?

日常的に使いやすいのは、ふくらはぎを圧迫できるハイソックスタイプです。着脱しやすく、続けやすいことが大きな利点です。

ただし、静脈瘤の場所、症状、皮膚の状態、足の形、年齢、手術後かどうかによって、適したタイプは異なります。

選ぶときのポイント

  • 足首・ふくらはぎのサイズを測る
  • 圧力が強すぎないか確認する
  • 日常生活で続けられるタイプを選ぶ
  • 皮膚のかゆみ・傷・潰瘍がある場合は医療者に相談する
  • 足が冷たい、しびれる、強い痛みがある場合は自己判断で強い圧を使わない

下肢静脈瘤の症状がある方では、中圧タイプを使用することがあります。ただし、圧力やサイズが合っていないと、食い込み、かゆみ、皮膚トラブル、痛みの原因になることがあります。


弾性ストッキングの正しい使い方

弾性ストッキングは、正しく履くことで効果を発揮します。しわやたるみがあると、部分的に強く食い込んで皮膚トラブルの原因になることがあります。

基本的な使い方

  • 朝、足がむくむ前に履く
  • しわができないように整える
  • 足首の位置を合わせる
  • 強く引っ張りすぎない
  • 痛み、しびれ、食い込みがあれば無理に続けない
弾性ストッキングの着用方法
弾性ストッキングはしわを作らず、正しい位置に合わせて着用します

着用方法の動画

弾性ストッキングの履き方について、動画でも解説しています。


寝るときも履いた方がよいですか?

通常、弾性ストッキングは日中の活動時に着用し、就寝時は外すことが多いです。

横になっている間は、立っているときほど重力の影響で血液が足にたまりにくいためです。また、寝ている間に食い込みやずれが起きても気づきにくいことがあります。

ただし、手術後や病状によっては、医師から別の指示が出ることがあります。術後の方や特殊な病状がある方は、自己判断せず、医師の指示に従ってください。


弾性ストッキングを使うときの注意点

弾性ストッキングは便利なサポート用品ですが、誰にでも無条件に強い圧をすすめられるわけではありません。

自己判断で強い圧を使わない方がよいケース

  • 足が冷たい
  • 足のしびれが強い
  • 歩くと足が痛くなり、休むと楽になる
  • 足に傷や潰瘍がある
  • 皮膚が弱く、かぶれやすい
  • 糖尿病や動脈硬化を指摘されている
  • ストッキングが食い込んで痛い
  • 履いた後に足先の色が悪くなる

これらに当てはまる場合は、自己判断で強い弾性ストッキングを使用せず、医療機関で相談してください。


下肢静脈瘤で受診を検討した方がよいケース

弾性ストッキングで足のむくみやだるさが軽くなることはあります。しかし、下肢静脈瘤が進行している場合は、ストッキングだけでは根本的な解決にならないことがあります。

初診での検査をおすすめする方

  • 足の血管がボコボコ・クネクネ浮き出ている
  • ふくらはぎやすねにミミズのような血管がある
  • 足の重だるさ、むくみが続く
  • 夜間や明け方にこむら返りがある
  • 足首まわりが茶色く、黒ずんできた
  • 湿疹・かゆみ・皮膚炎を繰り返す
  • 治りにくい傷や潰瘍がある

このような症状がある場合は、超音波検査で静脈の逆流を確認することが大切です。

足の血管がボコボコ浮き出ている方へ

弾性ストッキングは症状の軽減には役立ちますが、下肢静脈瘤そのものを治す治療ではありません。

太い血管が浮き出ている方、黒ずみ・湿疹・かゆみがある方は、初診で超音波検査を受けることをおすすめします。

※写真診断は確定診断ではありません。最終的な診断と治療方針の決定には、医師の診察と超音波検査が必要です。
※足が冷たい、しびれが強い、歩くと足が痛い、急な強い痛みや腫れがある場合は、下肢静脈瘤以外の原因も考えられます。


黒ずみ・湿疹・かゆみがある場合は、うっ滞性皮膚炎に注意

足首まわりの黒ずみ、湿疹、かゆみ、皮膚の硬さがある場合は、下肢静脈瘤によるうっ滞性皮膚炎が関係していることがあります。

皮膚症状を伴う下肢静脈瘤では、放置すると色素沈着が残ったり、皮膚炎を繰り返したり、進行すると潰瘍につながることがあります。

足の黒ずみ・湿疹・かゆみがある方へ

うっ滞性皮膚炎と下肢静脈瘤の関係については、以下のページで詳しく解説しています。

うっ滞性皮膚炎・足の黒ずみと下肢静脈瘤の関係


下肢静脈瘤レーザー手術を検討するケース

足の血管がボコボコ・クネクネ浮き出ていて、足の重だるさ、むくみ、こむら返り、皮膚の黒ずみや湿疹を伴う場合は、下肢静脈瘤レーザー手術の対象となることがあります。

手術が必要かどうかは、診察と超音波検査で静脈の逆流を確認したうえで判断します。

手術について詳しく知りたい方へ

日帰りレーザー手術、保険適用、費用の目安、術後の生活については、以下のページで詳しく解説しています。

下肢静脈瘤レーザー手術|日帰り・保険適用・費用を専門医が解説


よくある質問

Q. 弾性ストッキングで下肢静脈瘤は治りますか?

弾性ストッキングで下肢静脈瘤そのものが治るわけではありません。足のむくみや重だるさを軽くする助けにはなりますが、壊れた静脈弁や太くなった静脈を元に戻す治療ではありません。

Q. 市販の着圧ソックスでも大丈夫ですか?

軽いむくみ対策であれば市販品が役立つこともあります。ただし、下肢静脈瘤の症状がある方、術後の方、皮膚症状がある方は、医療用弾性ストッキングを適切なサイズ・圧力で使うことが大切です。

Q. 寝るときも履いた方がよいですか?

通常は日中の活動時に着用し、就寝時は外すことが多いです。ただし、術後や病状によって指示が異なる場合があります。医師から指示がある場合は、その指示に従ってください。

Q. どの圧力を選べばよいですか?

下肢静脈瘤の症状がある方では、中圧タイプを使用することがあります。ただし、足の状態や皮膚の状態によって適した圧力は異なります。自己判断で強い圧を選ばず、医療者に確認してください。

Q. 弾性ストッキングを履くと痛いです。続けてもよいですか?

痛み、しびれ、強い食い込み、足先の色の悪さがある場合は、サイズや圧力が合っていない可能性があります。無理に続けず、使用を中止して医療機関に相談してください。

Q. どのような場合は目黒外科の初診対象ですか?

足の血管がボコボコ・クネクネ浮き出ている方、足の黒ずみ・湿疹・かゆみがある方、下肢静脈瘤の手術を検討している方は、初診で超音波検査を受けることをおすすめします。


まとめ|弾性ストッキングは有効なサポートですが、根本治療ではありません

弾性ストッキングは、足のむくみや重だるさを軽くし、静脈の流れをサポートするために役立ちます。立ち仕事や座りっぱなしが多い方、下肢静脈瘤の症状がある方、術後の方に使われることがあります。

ただし、弾性ストッキングは下肢静脈瘤そのものを治す治療ではありません。履いている間に効果を発揮するサポートであり、脱ぐと圧迫効果はなくなります。

足の血管がボコボコ浮き出ている、黒ずみ・湿疹・かゆみがある、重だるさやむくみが強い場合は、超音波検査で静脈の逆流を確認しましょう。

受診すべきか迷う方へ

足のむくみやだるさだけで下肢静脈瘤と判断することはできません。ただし、太い血管がボコボコ浮き出ている方、黒ずみ・湿疹・かゆみがある方は、初診で超音波検査を受けることをおすすめします。

血管が浮き出ているか分からない、受診対象か迷う場合は、まず無料写真診断をご利用ください。

※写真診断は確定診断ではありません。最終的な診断と治療方針の決定には、医師の診察と超音波検査が必要です。
※足が冷たい、しびれが強い、急な強い痛みや腫れがある場合は、下肢静脈瘤以外の原因も考えられます。

関連記事

弾性ストッキングの解説動画

弾性ストッキングの使い方や、下肢静脈瘤との関係について動画でも解説しています。

監修:下肢静脈瘤専門クリニック 目黒外科 院長・齋藤 陽

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