静脈瘤から突然出血!?入浴中に多い「出血性静脈瘤」の原因と対策
本記事は、下肢静脈瘤専門クリニック「目黒外科」院長 齋藤陽 医師が監修しています。
出血性静脈瘤とは?命に関わるケースも
出血性静脈瘤とは、長期間放置された下肢静脈瘤が悪化し、破裂して出血する状態です。英語では「blue blebs」とも呼ばれます。特に高齢者や静脈瘤の重症者に多く、最も出血が起こりやすいのが入浴中です。
湯船でリラックスしているとき、突然血が勢いよく噴き出すことがあり、本人も周囲もパニックになってしまうことがあります。

なぜ入浴中に出血が起こるのか
入浴中は血管が拡張し、血流が増加します。その結果、静脈圧が一時的に上がり、すでに脆くなった静脈瘤が破れて出血してしまうのです。
皮膚が薄くなっている部位では、少しの圧や摩擦でも出血するリスクが高まります。
実際にあった出血エピソード
ある高齢男性の患者さんは、夕食後に入浴中、突然ふくらはぎから出血。湯船が真っ赤になり、ご家族がすぐに救急車を呼んだことで一命をとりとめました。本人は「全く痛みがなかったので、何が起きているのか分からなかった」と話されていました。
出血性静脈瘤の原因
- 長期間の静脈圧上昇:血液の逆流で血管が膨らみ、内圧が上がります。
- 皮膚の菲薄化:静脈瘤のある部位の皮膚は徐々に薄くなります。
- 未治療による悪化:放置すると血管がさらに弱くなり、破裂しやすくなります。
入浴中に出血したら?3つの対処法
- 出血部位をすぐに圧迫:清潔なタオルやガーゼで強めに押さえましょう。
- 浴槽から出て足を高く上げる:心臓より高く保ち、出血量を抑えます。
- 救急車を呼ぶ:止血できない場合、すぐに医療機関へ。
出血性静脈瘤の治療法
当院での治療体験談
「足から出血して驚きましたが、先生が『大丈夫、すぐに処置しましょう』と対応してくださり、すぐに治療を受けられました。」
(70代 男性・飲食業)
まとめ:出血性静脈瘤を放置しないことが命を守る
出血性静脈瘤は放置すると命に関わることもあります。しかし、早期に治療すれば、日常生活に支障を来すことなく予防できます。症状がある方、特に入浴中の出血を経験した方は、必ず専門医に相談してください。
目黒外科では、日曜診療・日帰り手術にも対応しています。

よくある質問(FAQ)
- Q. 静脈瘤から出血した場合は命に関わりますか?
- A. 多量出血するとショック状態に陥ることもあります。必ず専門医に相談を。
- Q. 出血を予防する方法はありますか?
- A. 早期受診が大切です。
- Q. 入浴は控えた方がいいですか?
- A. 症状がある場合は短時間のシャワーにし、圧迫療法や治療後の入浴指示に従ってください。