下肢静脈瘤と職業:立ち仕事・座り仕事がリスクを高める理由とその対策
この記事は下肢静脈瘤専門クリニック「目黒外科」院長 齋藤陽 医師が監修しています。
飲食店スタッフ、美容師、看護師、運転手、オフィスワーカー…あなたの職業が、実は「下肢静脈瘤」を引き起こす要因になっているかもしれません。下肢静脈瘤とは、足の静脈の弁が壊れて血液が逆流し、血管が膨らんでしまう病気です。

さまざまな下肢静脈瘤の写真
この記事では、なぜ立ちっぱなし・座りっぱなしの仕事がリスクになるのか、どうすれば予防できるのかを、専門医の視点からわかりやすく解説します。
立ち仕事が下肢静脈瘤に与える影響
飲食店スタッフ、美容師、看護師、スーパーのレジ係など、長時間立ちっぱなしで働く職業は、足の静脈に大きな負担をかけます。人間の体は歩くことでふくらはぎの筋肉がポンプのように働き、足の静脈から心臓へ血液を戻します。しかし、ずっと立ちっぱなしだとこのポンプ機能がうまく働かず、血液が足に滞ってしまいます。
特に皮膚のすぐ下を走る表在静脈は、周囲に筋肉が少なく筋肉のポンプ作用が働きにくく、血液が溜まりやすい構造です。その結果、血管が膨らみ、下肢静脈瘤となって現れます。
座り仕事のリスク
一見リラックスしているように見える座り仕事も、静脈にとっては危険です。デスクワークやタクシー・バスの運転手など、長時間同じ姿勢で座る仕事では、ふくらはぎの筋肉が動かず、血液が足にたまりやすくなります。血流の停滞により、静脈内圧が高まり、同様に下肢静脈瘤を引き起こす原因となります。
下肢静脈瘤になりやすい職業とは?
- 立ち仕事:美容師、調理師、看護師、販売員、教師など
- 座り仕事:事務職、コールセンター、トラック・バス運転手など
立っていても、座っていても、「同じ姿勢で長時間過ごす」ということが共通のリスクです。
下肢静脈瘤を予防する3つの方法
- 1時間ごとに足を動かす
立ち仕事でも座り仕事でも、1時間に1回はふくらはぎを動かしましょう。つま先立ちやその場足踏み、足首を回すだけでも血流が改善されます。 - 弾性ストッキング(着圧ソックス)を活用する
弾性ストッキング(着圧ソックス)は足の静脈を外から支え、血液の逆流を防ぎます。特に長時間勤務の方にはおすすめです。 - 足を高く上げて休む
帰宅後は10分程度、クッションなどを使って足を心臓より高い位置に置いて休む習慣をつけましょう。静脈のうっ滞解消に有効です。
患者さんの体験談
「運送業をしていて長時間座りっぱなしの生活が続き、気づいたら足にボコボコした血管が出ていました。むくみやだるさもありましたが、“男だから気にしない”と放置していたら悪化してしまいました。目黒外科でレーザー治療を受け、数日で楽になりました。もっと早く相談すればよかったと反省しています。」
(50代男性・運転手)
まとめ
立ち仕事も座り仕事も、日々の習慣が積み重なって静脈に大きな負担をかけます。しかし、正しい知識と予防法を知っておけば、下肢静脈瘤の発症リスクを抑えることができます。「足が重い」「むくむ」「つる」と感じたら、早めに専門医の診察を受けましょう。
目黒外科では、初診から検査・診断・日帰り手術までワンストップで対応しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. オフィスワークでも下肢静脈瘤になりますか?
A. はい。長時間同じ姿勢で座ることで血流が滞り、下肢静脈瘤のリスクが高まります。
Q2. 弾性ストッキングに副作用はありますか?
A. 正しくサイズを選び、医師の指導に従って使えば基本的に副作用はありません。ただし、敏感肌の方はかぶれてしまう事があります。
Q3. 一度できた静脈瘤は治りますか?
A. 自然治癒は期待できませんが、レーザー治療やグルー治療で静脈を閉塞させることで治療することができます。早めの受診がおすすめです。
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