弾性ストッキングの基礎知識Q&A|正しい選び方と使い方を徹底解説①

弾性ストッキングにまつわるQ&A

弾性ストッキングは、下肢静脈瘤の予防や治療をサポートするために多くの患者さんに使用されている医療用のストッキングです。しかし、正しい選び方や使用方法について疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?そこで、弾性ストッキングに関するよくある質問をQ&A形式で解説します。



Q1: 弾性ストッキングとは何ですか?

A: 弾性ストッキングは、足に圧力をかけることで血液の流れを助ける医療用のストッキングです。特に静脈の血液が心臓に戻りにくい場合に役立ち、下肢静脈瘤の進行を予防したり、症状を軽減したりします。また、長時間のフライトや立ち仕事での血栓予防にも効果があります。




Q2: 弾性ストッキングの種類にはどんなものがありますか?

A: 主に以下の3種類があります。基本的にふくらはぎが圧迫される事が大事なので、一番履きやすいハイソックスタイプが選ばれやすいです。スカートを履く際にハイソックスタイプが嫌な方はストッキングタイプを選ぶと良いでしょう。

    ハイソックスタイプ       ストッキングタイプ           パンストタイプ
弾性ストッキングには、つま先が出ている「つま先なしタイプ」とつま先が覆われている「つま先ありタイプ」があります。つま先がないタイプは外反母趾や水虫がある方にお勧めしています。

つま先なしタイプ



Q3: 弾性ストッキングはどのように選べばよいですか?

A: 自分に合った弾性ストッキングを選ぶためには、以下のポイントを確認してください。
  • 圧迫力: mmHg(圧力の単位)で表され、弱圧(30mmHg以下)・中圧(30~40mmHg)・強圧(40mmHg以上)までさまざまです。軽いむくみや深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)の予防には弱圧、下肢静脈瘤には中圧、うっ滞性皮膚炎を伴う下肢静脈瘤やリンパ浮腫などは強圧を選びます。それぞれ病態に合わせて医師の指示に従って選びましょう。
  • サイズ: 足首、ふくらはぎ、太ももの周囲を正確に測定し、サイズ表に従って選んでください。最も大切なのは足首のサイズです。



Q4: 弾性ストッキングは1日中着けていても問題ないですか?

A: はい、問題ありません。ただし、以下の点に注意してください。
  • 朝起きた直後に着用: 足がむくむ前に着けると効果が高まります。
  • 夜間就寝中は脱ぐ: 就寝中は心臓と足が同じ高さになりますので、足の静脈に溜まっている血液も上半身に流れやすくなっています。ですから基本的に就寝中は履く必要はありません。



Q5: 弾性ストッキングは夏でも着けたほうがいいですか?

A: 夏でも着用することをおすすめします。暑さで血管が拡張しやすく、下肢静脈瘤の症状が悪化する可能性があるためです。快適に着用するために、通気性の良い素材や、つま先のないオープントゥタイプを選ぶと良いでしょう。




Q6: 弾性ストッキングの手入れ方法は?

A: 正しいお手入れ方法は以下の通りです。
  1. 手洗いが基本: 洗濯機を使用すると劣化が早まるため、手洗いをおすすめしますが、手洗いが面倒な方は洗濯ネットに入れて洗濯機洗いをしてください。
  2. ぬるま湯と中性洗剤を使用: 優しく洗いましょう。
  3. 乾燥機は使わない: 直射日光を避け、陰干ししてください。



Q7: 弾性ストッキングを着けると血行が悪くなったりしませんか?

A: いいえ、正しく着用すれば血行はむしろ改善します。ただし、サイズが合わない場合や、必要以上に強い圧迫力のものを使用すると、血行不良や痛みの原因になる可能性がありますので、脚にしびれや痛みがある場合はすぐに中止し、必ず医師や専門家に相談してください。




Q8: 妊娠中でも使用できますか?

A: 妊娠中でも使用可能です。特に妊娠中はホルモンバランスの変化や体重増加により静脈瘤が悪化しやすいので、弾性ストッキングは有効です。ただし、事前に医師に相談するようにしてください。




Q9: 弾性ストッキングは保険適用になりますか?

A: 医療用弾性ストッキングは、慢性静脈不全による足の難治性皮膚潰瘍やリンパ浮腫などの治療として医師が処方した場合、健康保険が適用される場合があります。詳細は医師にご確認ください。




Q10: 弾性ストッキングの購入はどこでできますか?

A: 以下の場所で購入できます。
  • 医療機関: 処方が必要な場合は、診察後に医師から紹介されることがあります。
  • 薬局やオンラインショップ: 市販用の弾性ストッキングが揃っています。



弾性ストッキングは、正しく使用すれば下肢静脈瘤の症状を改善することができます。ただし、誤った選び方や使い方をすると効果が得られない場合もあるため、専門家のアドバイスを受けながら活用してください。

目黒外科では弾性ストッキングの選び方や使用方法について詳しく説明しています。お悩みの方はお気軽にご相談ください!