クモの巣状静脈瘤・網目状静脈瘤の治療を検討している方へ
足の皮膚に赤紫色の細い血管がクモの巣のように広がって見える、青い血管が網目状に透けて見える――このような状態は、クモの巣状静脈瘤や網目状静脈瘤のことがあります。
これらの細い血管に対して行う治療の一つが、硬化療法です。硬化療法は、細い血管に薬剤を注入して、時間をかけて血管を目立ちにくくする注射治療です。
ただし、クモの巣状静脈瘤や網目状静脈瘤は、太い血管がボコボコ・クネクネ浮き出る下肢静脈瘤とは治療方針が異なります。赤紫色の細い血管だけの場合、下肢静脈瘤レーザー手術の対象ではないことが多いです。
※赤紫色の細い血管だけで、足の重だるさ・むくみ・皮膚の黒ずみがない場合は、緊急性は高くありません。受診対象か迷う場合は、まず無料写真診断をご利用ください。
このページでは、クモの巣状静脈瘤・網目状静脈瘤に対する硬化療法について、治療方法、費用の目安、痛み、色素沈着、治療後の圧迫、注意が必要な薬について、目黒外科 院長・齋藤陽がわかりやすく解説します。
硬化療法は、細い血管向けの注射治療です
硬化療法は、クモの巣状静脈瘤や網目状静脈瘤に対して行うことがある注射治療です。血管の中に硬化剤という薬剤を注入し、時間をかけて血管を目立ちにくくすることを目指します。
一方で、太い血管がボコボコ・クネクネ浮き出る下肢静脈瘤では、足の太い静脈に逆流が起きていることがあります。その場合は、硬化療法ではなく、血管内レーザー手術など別の治療が必要になることがあります。
レーザー手術との違いに注意してください
硬化療法は、主に細い血管を目立ちにくくするための注射治療です。
下肢静脈瘤レーザー手術は、太い静脈の逆流を治療するための血管内治療です。対象となる血管も治療の目的も異なります。
クモの巣状静脈瘤とは?
クモの巣状静脈瘤とは、皮膚のすぐ下にある直径0.1〜1mm程度の赤色・紫色の細い血管が、クモの巣のように広がって見える状態です。
英語では spider vein と呼ばれ、医学的には毛細血管拡張症として扱われることがあります。

網目状静脈瘤とは?
網目状静脈瘤とは、皮膚の浅い部分にある直径2mm程度までの青色の血管が、網目状に見える状態です。
クモの巣状静脈瘤より少し太く、青く透けて見えることがあります。見た目が気になって相談される方が多い一方で、太い血管がボコボコ浮き出る下肢静脈瘤とは治療方針が異なります。

放置しても健康上大きな問題はないことが多いです
クモの巣状静脈瘤や網目状静脈瘤だけであれば、命に関わる病気ではなく、必ず治療が必要というわけではありません。
赤紫色の細い血管だけが見える場合、それがどんどん大きくなって、太い血管がボコボコ浮き出る下肢静脈瘤になるわけではありません。
経過観察でもよいことが多いケース
- 赤紫色の細い血管だけが気になる
- 太い血管のボコボコがない
- 足の重だるさやむくみが強くない
- 足首まわりの黒ずみ・湿疹・かゆみがない
- 見た目がそれほど気にならない
ただし、見た目が気になる場合、範囲が広がって不安な場合、ピリピリした違和感がある場合は、硬化療法などを検討することがあります。
クモの巣状静脈瘤・網目状静脈瘤の原因
クモの巣状静脈瘤や網目状静脈瘤は、女性に多く見られます。女性ホルモンの影響、妊娠・出産、加齢、体質、長時間の立ち仕事などが関係することがあります。
特に妊娠中はホルモン分泌が変化し、血管が拡張しやすくなるため、細い血管が目立ちやすくなることがあります。出産後に目立たなくなることもありますが、完全には消えずに残ることもあります。
スカートを履くことができない、水着になれないなど、美容面で悩まれる方も少なくありません。このような場合に、硬化療法が選択肢となることがあります。
硬化療法とは?
硬化療法では、クモの巣状静脈瘤や網目状静脈瘤に、硬化剤という薬を注射します。目黒外科では、状態に応じてポリドカスクレロールという薬剤を使用します。
薬剤を注入すると、治療した血管の中の血流が止まり、時間をかけて少しずつ目立ちにくくなっていきます。
使用する針は非常に細いものですが、注射治療であるため軽い痛みを伴うことがあります。痛みの感じ方には個人差があります。
硬化療法の費用の目安
2026年6月現在、クモの巣状静脈瘤や網目状静脈瘤に対する硬化療法の治療費は、1回あたりおよそ8,000円が目安です。
実際の費用は、診察内容、治療範囲、保険の負担割合、処置内容などによって変わることがあります。正確な費用は診察時にご確認ください。
費用についての注意点
- 治療範囲によって費用が変わることがあります
- 保険の負担割合によって自己負担額が変わります
- 複数回の治療が必要になることがあります
- 診察や検査の内容によって費用が変わることがあります
硬化療法は1回で完全に消える治療ではありません
硬化療法は、1回の治療で完全に血管を消す治療ではありません。治療後、数か月かけて少しずつ血管が目立ちにくくなることを目指します。
血管の太さ、範囲、皮膚の状態によっては、複数回の治療が必要になることがあります。また、細すぎる血管では注射が難しい場合もあります。
治療前に知っておきたいこと
- 1回ですべての血管が完全に消えるわけではありません
- 血管が目立ちにくくなるまで数か月かかります
- 治療後に色素沈着が出ることがあります
- 色素沈着が薄くなるまで数か月から1年以上かかることがあります
- 血管の太さや範囲によっては複数回の治療が必要です
治療後の圧迫と入浴制限
硬化療法の後は、治療した血管を圧迫するために弾性包帯を使用します。治療後は一定時間の圧迫が必要です。
治療当日は入浴を控えていただく必要があります。シャワーや入浴の再開時期は、治療内容や圧迫の方法によって異なるため、診察時に説明します。

暑い季節は包帯による圧迫が不快に感じやすいため、硬化療法は涼しい時期に行う方が過ごしやすい場合があります。
関連ページ:硬化療法を行うのにおすすめのタイミングや季節
硬化療法を受ける際に注意が必要な薬
低用量ピル、ホルモン剤、骨粗しょう症治療薬などを内服中の方は、治療前に休薬が必要になることがあります。
自己判断で薬を中止すると危険な場合があります。内服中の薬がある方は、必ずお薬手帳を持参し、処方医と当院にご相談ください。
注意が必要なことがある薬
- 低用量ピル
- ホルモン剤
- 骨粗しょう症治療薬 など
関連ページ:下肢静脈瘤の治療の際に注意が必要な薬
太い血管がボコボコ浮き出ている場合は別の治療が必要なことがあります
赤紫色の細い血管だけではなく、ふくらはぎ・すね・太ももに太い血管がボコボコ・クネクネ浮き出ている場合は、下肢静脈瘤が進行している可能性があります。
その場合、硬化療法だけではなく、超音波検査で静脈の逆流を確認し、必要に応じて血管内レーザー手術などを検討します。
黒ずみ・湿疹・かゆみがある場合は注意が必要です
足首まわりの黒ずみ、湿疹、かゆみ、皮膚の硬さがある場合は、下肢静脈瘤によるうっ滞性皮膚炎が関係していることがあります。
皮膚症状を伴う下肢静脈瘤では、放置すると色素沈着が残ったり、皮膚炎を繰り返したり、進行すると潰瘍につながることがあります。
下肢静脈瘤レーザー手術を検討するケース
赤紫色の細い血管だけでは、下肢静脈瘤レーザー手術の対象ではないことが多いです。
一方で、太い血管がボコボコ・クネクネ浮き出ている、足の重だるさやむくみがある、足首まわりの黒ずみ・湿疹を伴う場合は、下肢静脈瘤レーザー手術の対象となることがあります。
下肢静脈瘤の手術について詳しく知りたい方へ
日帰りレーザー手術、保険適用、費用の目安、術後の生活については、以下のページで詳しく解説しています。
よくある質問
Q. 硬化療法はどのような治療ですか?
硬化療法は、クモの巣状静脈瘤や網目状静脈瘤に硬化剤を注射し、血管を時間をかけて目立ちにくくする治療です。太い静脈の逆流を治療するレーザー手術とは対象が異なります。
Q. 硬化療法の費用はいくらですか?
2026年6月現在、硬化療法の治療費は1回あたりおよそ8,000円が目安です。実際の費用は、診察内容、治療範囲、保険の負担割合などによって変わることがあります。
Q. 硬化療法は痛いですか?
非常に細い針を使用しますが、注射治療のため軽い痛みを伴うことがあります。痛みの感じ方には個人差があります。
Q. 1回できれいに消えますか?
1回の治療で完全に血管が消えるとは限りません。治療後、数か月かけて少しずつ目立ちにくくなります。血管の範囲によっては複数回の治療が必要になることがあります。
Q. 色素沈着は起こりますか?
硬化療法後に、シミのような色素沈着が出ることがあります。薄くなるまで数か月から1年以上かかることがあります。
Q. クモの巣状静脈瘤だけでもレーザー手術が必要ですか?
赤紫色の細い血管だけの場合、下肢静脈瘤レーザー手術の対象ではないことが多いです。太い血管がボコボコ浮き出ている場合や、皮膚の黒ずみ・湿疹がある場合は、別の下肢静脈瘤が隠れている可能性があります。
まとめ|硬化療法は細い血管を目立ちにくくする治療です
硬化療法は、クモの巣状静脈瘤や網目状静脈瘤に対して行うことがある注射治療です。赤紫色や青色の細い血管を、時間をかけて目立ちにくくすることを目指します。
ただし、1回で完全にきれいになる治療ではありません。治療後に色素沈着が出ることがあり、薄くなるまで数か月から1年以上かかることがあります。
また、太い血管がボコボコ・クネクネ浮き出る下肢静脈瘤に対するレーザー手術とは、対象が異なります。赤紫色の細い血管だけなのか、太い血管の逆流を伴う下肢静脈瘤なのかを分けて考えることが大切です。
受診すべきか迷う方へ
赤紫色の細い血管だけなのか、太い血管がボコボコ浮き出ているのか分からない場合は、まず無料写真診断をご利用ください。
太い血管が浮き出ている方、黒ずみ・湿疹・かゆみを伴う方は、初診で超音波検査を受けることをおすすめします。
※写真診断は確定診断ではありません。最終的な診断と治療方針の決定には、医師の診察と超音波検査が必要です。
※赤紫色の細い血管のみの場合、日帰りレーザー手術の対象ではないことがあります。


