下肢静脈瘤手術後のつっぱり感はなぜ起こる?対策と回復の目安
この記事は下肢静脈瘤専門クリニック「目黒外科」院長 齋藤陽 医師が監修しています。
下肢静脈瘤のレーザー手術を受けた後、太もものつっぱり感やひきつれ感を感じることがあります。これは、手術後の自然な反応であり、多くの患者さんが経験する症状です。特に「下肢静脈瘤 手術後 つっぱり」というキーワードで検索される方が多いことからも、この症状に対する関心が高いことがうかがえます。この記事では、このつっぱり感がなぜ起こるのか、どのように対処すべきかについて詳しく解説します。
血管内焼灼術によるつっぱり感の原因
下肢静脈瘤の治療にはさまざまな方法がありますが、その中で最も多く行われている手術方法が血管内焼灼術(カテーテル手術)です。この手術では、レーザーや高周波を用いて静脈を内側から焼きいて血管を収縮させます。この焼灼によって、静脈が閉塞し、血液の逆流が防がれる仕組みです。
レーザー焼灼術では、カテーテルを挿入し静脈の内側から焼灼します。
手術後、太ももに感じるつっぱり感は、この血管内焼灼術によって静脈が焼けて収縮したために起こるものです。特に座った状態から立ち上がる時や、長時間同じ姿勢を続けた後に立ち上がる際に、太もものつっぱり感やひきつれ感を感じやすくなります。この症状は糸を内側から引っ張られるような感覚に近く、瞬間的であり歩き始めるとすぐに和らぐのが特徴です。
グルー治療との違い
下肢静脈瘤の治療法として、血管内塞栓術(グルー治療)もあります。この方法では、特殊な接着剤(グルー)を使用して静脈を閉鎖するため、静脈の焼灼を伴わず、手術後に太もものつっぱり感やひきつれ感を感じることはほとんどありません。治療法によって術後の感覚は異なるため、手術前に担当医としっかり相談し、自分に合った方法を選びましょう。
太もものつっぱり感は医師の事前説明が大切
つっぱり感は一時的で自然な反応であるため、本来ならば手術前に説明がなされるべきです。事前にその可能性を知らされていれば、患者さんの不安は大きく軽減されます。逆に説明が不足していると、予期せぬ症状として心配になってしまうことも。治療前には納得できるまで質問を重ね、信頼できる医師を選ぶことが何より大切です。
つっぱり感が続く場合のセルフケア
一般的に、術後のつっぱり感は1~2か月で自然と消失します。しかし、その間に不快な症状が気になる場合、以下のような運動が有効です。
- ストレッチ:筋肉をゆっくりと伸ばすことで緊張を和らげます。
- 屈伸運動:特に長時間座った後に行うことで血流を促進し、つっぱり感を軽減します。
よくある質問(FAQ)
- Q. 手術後のつっぱり感はいつまで続きますか?
- A. 多くの場合、1〜2か月で自然に軽快します。若い方ほど時間がかかる傾向にあります。
- Q. グルー治療にすればつっぱり感は出ませんか?
- A. 原理的にグルー治療は焼灼を伴わないため、つっぱり感はほとんど起こりません。
- Q. ストレッチはどのくらい行えばいいですか?
- A. 無理のない範囲で、1日に数回を目安に継続することが効果的です。実際、術後の患者さんはほとんどストレッチをしません。
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まとめ
下肢静脈瘤の手術後に感じる太もものつっぱり感は、血管内焼灼術による術後の自然な反応です。この症状は一時的なものであり、通常は1~2か月で軽快します。もし不快感が続く場合は、ストレッチや屈伸運動を取り入れることで症状を軽減できます。医師からの事前説明が不十分な場合でも、焦らず専門医に相談することが大切です。
下肢静脈瘤の治療でお悩みの方へ
目黒外科では、患者さん一人ひとりの症状や希望に合わせた治療を提供しています。下肢静脈瘤に関する疑問や不安がある方は、お気軽にご相談ください。