
足のかゆみや湿疹が治らない原因、実は「下肢静脈瘤」かもしれません
「皮膚科に何ヶ月も通っているのに、足のかゆみや湿疹がなかなか治まらない。」
「薬を塗ると一時的に落ち着くけれど、またすぐにぶり返してしまう。」
そんな状態が続いている方は、原因が皮膚ではなく「血管」にある可能性があります。
実は、足の静脈の血流が滞ることで起こる「うっ滞性皮膚炎」が、かゆみや湿疹の裏に隠れているケースが少なくありません。
皮膚症状の原因が“静脈”だった?「うっ滞性皮膚炎」とは
「うっ滞性皮膚炎(うったいせいひふえん)」は、下肢静脈瘤が原因となって起こる皮膚炎です。足の静脈の血流が滞ると体にはどんな影響があるのでしょうか?
静脈には、体の中で使い終わった老廃物や二酸化炭素を含んだ“汚れた血液”が流れています。通常であれば、この血液は心臓に戻って再び浄化されるのですが、下肢静脈瘤などによって血流がスムーズに戻らなくなると、血液が足にとどまったままになってしまいます。下水管のような役割をする静脈が逆流するということは、汚れた血液が足の静脈に溜まってしまう事になります。
このような状態が長く続くと、血液の流れが滞った部分に老廃物や余分な水分がたまりはじめます。
やがて、それらの不要な成分が皮膚の下にじわじわと染み出し、皮膚に慢性的な刺激を与えるようになります。
こうした刺激が積み重なることで、皮膚は徐々にダメージを受け、色素沈着が起こったり、湿疹や強いかゆみに悩まされるようになります。
見た目にも変化が現れはじめ、皮膚が黒ずんだり、かきむしった跡がなかなか治らなかったりと、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。

なぜ、かゆみ止めを塗っても改善しないのか——。
その理由は、かゆみの“発生源”にあります。
うっ滞性皮膚炎のかゆみは、肌の表面だけの問題ではありません。
皮膚の奥、つまりその下を通る静脈に血液が滞り、老廃物や水分が染み出すことで炎症が起きているのです。
いわば、皮膚は“結果”としてかゆみや湿疹が出ている状態。
そのため、いくら表面的に塗り薬でケアをしても、根本的な原因である「血管のうっ滞」が解消されなければ、症状は繰り返し現れてしまいます。

かゆみがつらくてつい掻いてしまい、その結果、皮膚に傷ができてしまうことがあります。
その傷がなかなか治らず、じゅくじゅくした状態が続くようになると要注意です。
さらに悪化すると、皮膚の表面がただれるだけでなく、深い部分まで組織が傷んで、皮膚がえぐれたような「潰瘍」に発展することもあります。
潰瘍になると治るまでに長い時間がかかるうえ、痛みや感染を伴うこともあり、日常生活に支障をきたすほど深刻になるケースも少なくありません。

3か月以上かゆみが続く方は、静脈の検査を
「皮膚科で治療を続けているのに、3か月以上たっても足のかゆみが改善しない」
そんなお悩みを抱えている方は、もしかすると原因が皮膚ではなく、足の血管にあるかもしれません。
長引くかゆみの背後には、下肢の静脈に血液が滞る「下肢静脈瘤」が隠れているケースが少なくありません。
皮膚の症状がなかなか良くならないと感じたら、一度、血管の専門医による検査を受けてみることをおすすめします。
静脈瘤は見た目でわかるとは限りません
足の血管が浮き出ている場合は、見た目にも変化があるため比較的気づきやすいものです。しかし、足のむくみが強い方は、血管のふくらみがむくみに隠れてしまうことがあり、外見だけでは判断が難しいケースもあります。
そのため、目に見える症状がなくても、かゆみやだるさなどの違和感が続く場合は、静脈の異常が隠れている可能性も考えられます。
エコー検査で正確に診断できます
当院では、足の静脈の状態を詳しく調べるために、超音波検査(エコー検査)を行っています。この検査は体への負担がほとんどなく、痛みもありません。10~15分程度で終わります。お忙しい方や検査に不安のある方でも安心して受けていただけます。
足のむくみやかゆみの原因を正しく見極めるためにも、気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

目黒外科のご紹介
目黒外科は、下肢静脈瘤専門クリニックとして2017年に開院。 院長は下肢静脈瘤ひとすじ28年、豊富な臨床経験をもとに患者さま一人ひとりに寄り添った診療を行っています。超音波検査による正確な診断と、日帰り可能な最新レーザー治療を提供し、体への負担を最小限に抑えた治療が可能です。
「皮膚のかゆみが長引く」「むくみがなかなか引かない」といった症状がある方は、お気軽にご相談ください。
JR目黒駅東口より徒歩1分、通いやすさも魅力です。