下肢静脈瘤は自然に治ることはあるのか?〜専門医が解説します〜

下肢静脈瘤は自然に治るのか?

こんにちは。下肢静脈瘤専門クリニック「目黒外科」院長の齋藤陽です。

今回は患者さんからいただいた「下肢静脈瘤は自然に治ることはありますか?」というご質問に対してブログでお答えします。

下肢静脈瘤とは?

まず、下肢静脈瘤とは、足の静脈の弁の機能不全により血液がうまく心臓に戻らず、足の静脈内に血液が滞留してしまう病気です。その結果、静脈が太く拡張して曲がりくねったりする病気です。症状としては、こむら返り・足の重だるさ・むくみ・痛み・かゆみ・皮膚の黒ずみなどがあります。

下肢静脈瘤は自然の治るのか?

では、下肢静脈瘤は自然に治るのでしょうか?残念ながら、下肢静脈瘤は自然に治ることはありません。足の静脈の弁の機能不全が原因であるため、生活習慣の改善や自己管理だけでは根本的な解決には至りません。患者さんには「履き古したパンツのゴムと同じで、伸びきってしまった静脈弁は元には戻らない」と話しています。

下肢静脈瘤は自然には治りませんので、予防や治療をしないでおくと症状が悪化したり、皮膚の変色や湿疹・かゆみなどの皮膚トラブル、最悪の場合皮膚が潰瘍になってしまうこともあります。

下肢静脈瘤の悪化予防

では、どのように対処すれば良いのでしょうか?下肢静脈瘤の悪化を予防するためには、以下のような方法があります。

1. 適度な運動を行う: 歩行やジョギング、水泳などの運動は、ふくらはぎの筋肉を動かして血液循環を良くし、静脈瘤の悪化を予防するのに役立ちます。

2. 長時間の同じ姿勢を避ける: 長時間立ち続けたり座り続けたりすることは「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎを動かさないので静脈血の流れが停滞して静脈瘤の悪化につながります。定期的に休憩を取り、足を動かしたり、座っているときは足を上げたりすることが重要です。

3. 弾性ストッキングの着用: 医師の指示に従って適切なサイズと圧力の弾性ストッキングを着用することで、足の静脈の血行を促進して静脈瘤の悪化を防ぐことができます。

4. 足を高くする: 寝るときや休憩時に足を心臓よりも高い位置に置くことで、足の静脈から心臓への血液の戻りが良くなり、静脈瘤の悪化を予防できます。

これらの予防対策に加え、早めに専門医による診察を受けることで、症状の早期発見や適切な治療が可能になります。

下肢静脈瘤の治療には、圧迫療法(弾性ストッキングの着用)、カテーテルによる血管内焼灼術、医療用の接着剤による血管内塞栓術(グルー治療)、くもの巣状静脈瘤などの細かい毛細血管に対しては注射による硬化療法などがあります。個々の病状に応じて適切な治療計画を立てることができます。

まとめ

最後に、下肢静脈瘤は自然に治ることはなく、放置すると症状が悪化する可能性があるため、早めに専門医に相談することが重要です。また、予防のためにも定期的な運動、長時間の立ち仕事や座り仕事の際の適切な休憩、弾性ストッキングの着用などの生活習慣を心がけることが大切です。