足の毛細血管が目立つ理由?くもの巣状静脈瘤の原因について解説します

クモの巣状静脈瘤が発生する原因

美しい足元を目指す女性たちにとって、クモの巣状静脈瘤は気になる存在です。その名の通り、クモの巣のように細かく広がった赤紫の毛細血管が太ももやふくらはぎの肌の表面に浮かび上がるこの状態は、女性にとって大きな悩みです。
では、なぜクモの巣状静脈瘤は発生するのでしょうか。今回は、その原因について解説をしていきます。

女性ホルモンの影響

クモの巣状静脈瘤と女性ホルモンの関係は、特に卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響が大きいとされています。これらのホルモンは、血管の拡張作用と血管新生を促す作用を持っており、クモの巣状静脈瘤の発生に密接に関わっています。

卵胞ホルモン(エストロゲン)の影響

エストロゲンは、血管の内皮細胞に作用して血管を拡張させる効果があります。この血管拡張作用により、静脈内の圧力が高まり、静脈壁が伸びやすくなります。また、エストロゲンは血管の新生を促進する作用も持っており、静脈瘤の形成を助けることがあります。妊娠中や更年期にエストロゲンの分泌量が増加すると、クモの巣状静脈瘤が目立ちやすくなることがあります。

黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響

プロゲステロンもまた、血管の拡張作用を持っています。エストロゲンと同様に、プロゲステロンは静脈の内皮細胞に作用して血管を拡張させ、静脈壁を弱くすることがあります。また、プロゲステロンは血管の平滑筋にリラックス効果をもたらし、静脈瘤の形成を促進する可能性があります。

クモの巣状静脈瘤の予防法は?

クモの巣状静脈瘤は、確かに女性ホルモンの影響を受けやすい状態ですが、残念ながら確実な予防法はありません。これは、女性ホルモンの変動は自然な生理現象であり、避けることができないためです。特に、妊娠や更年期など、ホルモンバランスが大きく変化する時期には、クモの巣状静脈瘤が発生しやすくなります。また、ピルを服用したり更年期障害に対するホルモン補充療法を行う事もクモの巣状静脈瘤の発生に影響を与える可能性があります。
しかし、予防法がないとはいえ、クモの巣状静脈瘤のリスクを減らすためにできることはいくつかあります。例えば、適度な運動を行うことで血流を改善し、静脈内の圧力を低下させることができます。また、長時間の立ち仕事や座りっぱなしを避けることも重要です。定期的に足を動かし、血流を促進することで、静脈瘤のリスクを減らすことができます。
加えて、適切な体重を維持することも、クモの巣状静脈瘤のリスクを減らすために役立ちます。肥満は静脈に余分な圧力をかけ、静脈瘤の発生を促進することがあります。バランスの良い食生活を心がけることで、体重を管理し、静脈瘤のリスクを低減することができます。
最後に、靴や衣類の選択にも注意が必要です。締め付けが強い衣類やハイヒールは、血流を悪化させる可能性があるため、避けることが望ましいです。
クモの巣状静脈瘤の予防法は確立されていませんが、日々の生活習慣に注意を払うことで、リスクを減らすことが可能です。美しい足元を保ち、健康な生活を送るために、適切なケアを心がけましょう。

安心してください!クモの巣状静脈瘤は放置しても巨大化しません!毛細血管のままです!

ほとんどの患者さんが誤解されていますが、クモの巣状静脈瘤を放置してもクネクネボコボコした静脈瘤にはなりません。

クモの巣状静脈瘤と下肢静脈瘤は別物です。

クモの巣状静脈瘤は「静脈瘤」という名前がついているため下肢静脈瘤と混同されやすいのですが、実際は「毛細血管拡張症」と言います。毛細血管拡張症は皮膚表面の毛細血管が女性ホルモンの影響によって拡張したものですので、クモの巣状静脈瘤を放置しても巨大化することはありません。
「放っておいたら将来くもの巣がヘビのような静脈瘤になってしまうのではないかと心配で・・・」と皆さんおっしゃいますが、ご安心ください。クモの巣状静脈瘤は毛細血管拡張症ですので、放置しても毛細血管のままです。数や範囲は増えることはありますが、太くはなりません。

見た目が気になる方は硬化療法をお勧めしますが、放置しても健康面では何ら問題はありません。