【医師監修】クモの巣状静脈瘤とは?赤紫の細い血管と下肢静脈瘤の違い

下肢静脈瘤の治療方法

赤紫の細い血管が気になる方へ

太ももやふくらはぎに、赤紫色の細い血管が網目状・クモの巣状に見えることがあります。これはクモの巣状静脈瘤毛細血管拡張症と呼ばれる状態のことがあります。

ただし、赤紫色の細い血管だけの場合、下肢静脈瘤レーザー手術の対象ではないことが多いです。クモの巣状静脈瘤だけが、どんどん大きくなってボコボコした下肢静脈瘤になるわけではありません。

一方で、太い血管がボコボコ・クネクネ浮き出ている、足の重だるさ・むくみ・こむら返りがある、足首まわりの黒ずみ・湿疹・かゆみがある場合は、別のタイプの下肢静脈瘤が隠れている可能性があります。

※細い赤紫色の血管だけで、痛み・むくみ・皮膚の黒ずみがない場合は、緊急性は高くありません。受診対象か迷う場合は、まず無料写真診断をご利用ください。

クモの巣状静脈瘤は、太ももやふくらはぎ、膝まわりなどに見られる赤紫色の細い血管です。見た目が気になって相談される方が多い一方で、太い血管がボコボコ浮き出る下肢静脈瘤とは、治療方針が異なります。このページでは、クモの巣状静脈瘤とは何か、ボコボコした下肢静脈瘤との違い、放置してよいケース、受診した方がよいケース、硬化療法などの治療法について、目黒外科 院長・齋藤陽がわかりやすく解説します。

クモの巣状静脈瘤とは?

クモの巣状静脈瘤とは、皮膚のすぐ下にある細い血管が拡張し、赤色・紫色・青紫色の細い線として見える状態です。

名前の通り、クモの巣のように細い血管が広がって見えることがあります。医学的には、毛細血管拡張症や細い表在静脈の拡張として扱われることがあります。

太ももにできたクモの巣状静脈瘤の写真
太ももに見られるクモの巣状静脈瘤

多くは見た目の問題として気づかれます。チクチクするような違和感、軽い痛み、ほてり感を訴える方もいますが、症状の強さには個人差があります。


ボコボコした下肢静脈瘤との違い

クモの巣状静脈瘤と、太い血管がボコボコ・クネクネ浮き出る下肢静脈瘤は、見た目も治療方針も異なります。

種類 見た目 主な問題 治療の考え方
クモの巣状静脈瘤 赤紫色の細い血管が網目状に見える 主に見た目の悩み 硬化療法、経過観察など
伏在型の下肢静脈瘤 太い血管がボコボコ・クネクネ浮き出る 重だるさ、むくみ、こむら返り、皮膚症状 超音波検査で逆流を確認し、必要に応じてレーザー手術など

赤紫色の細い血管だけであれば、下肢静脈瘤レーザー手術の対象ではないことが多いです。一方で、太い血管が盛り上がっている場合や、足の重だるさ・むくみ・皮膚の黒ずみを伴う場合は、静脈の逆流を調べる必要があります。

ボコボコした血管との違いを確認したい方へ

写真で下肢静脈瘤の進行度や見た目の違いを確認したい方は、以下のページも参考にしてください。

写真で見る下肢静脈瘤の進行度


クモの巣状静脈瘤は放置しても大丈夫?

クモの巣状静脈瘤は、あくまで皮膚に近い細い血管の拡張です。そのため、これだけがどんどん大きくなって、太い血管がボコボコ浮き出る下肢静脈瘤になるわけではありません。

また、クモの巣状静脈瘤だけで命に関わることは通常ありません。見た目や不快感が気にならない場合は、必ずしも治療が必要というわけではありません。

クモの巣状静脈瘤の様子
赤紫色の細い血管が網目状に見えるクモの巣状静脈瘤はボコボコクネクネ浮き出ている静脈瘤にはなりません

経過観察でも差し支えないことが多いケース

  • 赤紫色の細い血管だけが見える
  • 太い血管のボコボコがない
  • 足の重だるさやむくみが強くない
  • 皮膚の黒ずみ・湿疹・かゆみがない
  • 見た目がそれほど気にならない

ただし、見た目が気になる場合や、範囲が広がって不安な場合は、写真診断や診察で確認することもできます。


受診をおすすめするケース

クモの巣状静脈瘤だけであれば緊急性はありませんが、次のような症状がある場合は、太い静脈の逆流や進行した下肢静脈瘤が隠れている可能性があります。

受診を検討してよい方

  • 太い血管がボコボコ・クネクネ浮き出ている
  • ふくらはぎやすねにミミズのような血管がある
  • 足の重だるさ、むくみが強い
  • 夜間や明け方にこむら返りがある
  • 足首まわりが茶色く、黒ずんできた
  • 湿疹・かゆみ・皮膚炎を繰り返す
  • 治りにくい傷や潰瘍がある

これらの症状がある場合は、クモの巣状静脈瘤だけではなく、下肢静脈瘤が進行している可能性があります。超音波検査で静脈の逆流を確認することが大切です。


黒ずみ・湿疹・かゆみがある場合は別の注意が必要です

赤紫色の細い血管だけであれば、緊急性は高くないことが多いです。しかし、足首まわりの黒ずみ、湿疹、かゆみ、皮膚の硬さを伴う場合は、下肢静脈瘤によるうっ滞性皮膚炎が関係していることがあります。

皮膚症状を伴う下肢静脈瘤では、放置すると皮膚炎を繰り返したり、色素沈着が残ったり、進行すると皮膚潰瘍につながることがあります。

足の黒ずみ・湿疹・かゆみがある方へ

うっ滞性皮膚炎と下肢静脈瘤の関係については、以下のページで詳しく解説しています。

うっ滞性皮膚炎・足の黒ずみと下肢静脈瘤の関係


クモの巣状静脈瘤はどうしてできるの?

クモの巣状静脈瘤は、女性に多く見られます。女性ホルモンの影響、妊娠・出産、加齢、体質、長時間の立ち仕事などが関係することがあります。

特に、エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンは、血管を拡張させやすくする作用があるため、妊娠中やホルモン変動の時期に目立ちやすくなることがあります。

ただし、原因を一つに特定できるわけではありません。体質や生活習慣が重なって目立つこともあります。


クモの巣状静脈瘤の治療法

クモの巣状静脈瘤の治療は、見た目の悩み、不快感、血管の太さや範囲によって考えます。すべての方に治療が必要なわけではありません。

硬化療法|診察で適応を確認します

硬化療法は、非常に細い注射針を使って、血管内に硬化剤という薬を注入する治療です。治療後、数か月かけて血管が少しずつ目立ちにくくなることを目指します。

クモの巣状静脈瘤に対する硬化療法の様子
クモの巣状静脈瘤に対する硬化療法

硬化療法の特徴

  • 注射によって細い血管に薬剤を入れる治療です
  • 治療後、数か月かけて少しずつ目立ちにくくなります
  • 1回で完全にきれいになる治療ではありません
  • 色素沈着が出ることがあります
  • 血管が細すぎる場合は注射が難しいことがあります
  • 治療当日は弾性包帯を巻くため、入浴を控える必要があります

2026年6月現在、クモの巣状静脈瘤に対する硬化療法の治療費は、1回あたりおよそ8,000円が目安です。実際の費用は、診察内容、治療範囲、保険の負担割合などによって変わることがあります。

関連記事:クモの巣状静脈瘤や網目状静脈瘤には硬化療法

皮膚表面からのレーザー照射

皮膚の上からレーザーを照射して、細い血管にアプローチする治療が美容皮膚科などで行われることがあります。

ただし、これは太い静脈の逆流を治療する「下肢静脈瘤レーザー手術」とは別の治療です。目黒外科で行う血管内レーザー手術は、主に太い静脈の逆流を治療する方法です。

赤紫色の細い血管だけなのか、太い静脈の逆流を伴う下肢静脈瘤なのかは、診察や超音波検査で確認します。

レーザー手術との違いに注意してください

クモの巣状静脈瘤に対する皮膚表面からのレーザー照射と、下肢静脈瘤に対する血管内レーザー手術は、目的も対象も異なります。

太い血管がボコボコ浮き出ている場合は、まず超音波検査で静脈の逆流を確認することが大切です。


下肢静脈瘤レーザー手術を検討するケース

赤紫色の細い血管だけでは、下肢静脈瘤レーザー手術の対象ではないことが多いです。

一方で、太い血管がボコボコ・クネクネ浮き出ている、足の重だるさやむくみがある、足首まわりの黒ずみ・湿疹を伴う場合は、下肢静脈瘤レーザー手術の対象となることがあります。

下肢静脈瘤の手術について詳しく知りたい方へ

日帰りレーザー手術、保険適用、費用の目安、術後の生活については、以下のページで詳しく解説しています。

下肢静脈瘤レーザー手術|日帰り・保険適用・費用を専門医が解説


よくある質問

Q. クモの巣状静脈瘤は自然に治りますか?

自然に完全に消えることは多くありません。見た目が気になる場合は、硬化療法などで目立ちにくくする治療を検討することがあります。

Q. クモの巣状静脈瘤を放置しても大丈夫ですか?

赤紫色の細い血管だけで、重だるさ・むくみ・皮膚の黒ずみなどがない場合は、必ずしも治療が必要ではありません。クモの巣状静脈瘤だけが、どんどん大きくなってボコボコした下肢静脈瘤になるわけではありません。

Q. クモの巣状静脈瘤はレーザー手術で治しますか?

通常、赤紫色の細い血管だけの場合は、下肢静脈瘤レーザー手術の対象ではないことが多いです。太い静脈の逆流を伴う下肢静脈瘤とは治療方針が異なります。

Q. 硬化療法は痛いですか?

硬化療法では細い針を使いますが、軽い痛みを伴うことがあります。痛みの感じ方には個人差があります。治療が不安な方は、診察時にご相談ください。

Q. 1回の硬化療法できれいになりますか?

1回の治療で完全にきれいになるとは限りません。血管の範囲や太さによって、複数回の治療が必要になることがあります。また、治療後に色素沈着が出ることがあります。

Q. どのような場合は目黒外科を受診した方がよいですか?

太い血管がボコボコ・クネクネ浮き出ている方、足の重だるさ・むくみ・こむら返りがある方、足首まわりの黒ずみ・湿疹・かゆみがある方は、下肢静脈瘤が関係している可能性があります。超音波検査で静脈の逆流を確認することをおすすめします。


まとめ|赤紫の細い血管とボコボコした下肢静脈瘤は違います

クモの巣状静脈瘤は、赤紫色の細い血管が網目状に見える状態です。見た目が気になる方は多いですが、これだけがどんどん大きくなって、太い血管がボコボコ浮き出る下肢静脈瘤になるわけではありません。

赤紫色の細い血管だけの場合、下肢静脈瘤レーザー手術の対象ではないことが多く、見た目が気にならなければ経過観察でもよいことがあります。

一方で、太い血管がボコボコ・クネクネ浮き出ている、足の黒ずみ・湿疹・かゆみがある、足の重だるさやむくみが強い場合は、下肢静脈瘤が進行している可能性があります。

受診すべきか迷う方へ

赤紫色の細い血管だけなのか、太い血管がボコボコ浮き出る下肢静脈瘤なのか迷う場合は、まず無料写真診断をご利用ください。

太い血管が浮き出ている方、黒ずみ・湿疹・かゆみを伴う方は、初診で超音波検査を受けることをおすすめします。

※写真診断は確定診断ではありません。最終的な診断と治療方針の決定には、医師の診察と超音波検査が必要です。
※赤紫色の細い血管だけの場合は、下肢静脈瘤レーザー手術の対象ではないことがあります。

関連記事

硬化療法の解説動画

クモの巣状静脈瘤に対する硬化療法について、動画でも解説しています。

監修:下肢静脈瘤専門クリニック 目黒外科 院長・齋藤 陽

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