
スタンディングデスクと下肢静脈瘤の関係とは?健康的に使うための対策と注意点
この記事は下肢静脈瘤専門クリニック「目黒外科」 院長 齋藤陽 医師が監修しています。「座りすぎは健康に悪い」という考えから、スタンディングデスクを導入するオフィスが増えています。しかし、立ちっぱなしで作業を続けることが、かえって脚に悪影響を及ぼす可能性があることをご存じでしょうか?特に足がだるい、夕方になるとむくむ、血管が浮き出てきたと感じる方は、下肢静脈瘤のリスクが高まっているかもしれません。この記事では、スタンディングデスクと下肢静脈瘤の関係、そしてリスクを回避するための具体的な対策について、専門医の立場から詳しく解説します。
スタンディングデスクのメリットと落とし穴
長時間の座位は、肥満、心血管疾患、糖尿病、腰痛のリスクを高めるとされ、スタンディングデスクはこれらを軽減する手段として注目されています。しかし、長時間の立位にもまた別の健康リスクが存在します。その一つが下肢静脈瘤です。スタンディングデスクを活用する際には、適切な使用法を知ることが重要です。立ちっぱなしが下肢静脈瘤を引き起こす理由
下肢静脈瘤は、足の静脈に血液が逆流し、血管が拡張してこぶ状になる疾患です。立ちっぱなしの状態が続くと、ふくらはぎの筋肉(第2の心臓)が働かず、血液が心臓に戻りにくくなります。その結果、血液が下肢に滞留し、静脈の弁が壊れてしまい、血管が浮き出る・だるい・痛い・むくむといった症状が現れます。
スタンディングデスクを安全に使う4つの対策
- 30分ごとに座りと立ちを切り替える 立ちっぱなしや座りっぱなしを避け、30分ごとに姿勢を変えることで足の血流を促進します。
- 足を意識的に動かす その場で足踏みをしたり、かかとの上げ下げ、ふくらはぎのストレッチなど、数分でできる運動をこまめに行いましょう。
- 弾性ストッキング(着圧ソックス)を使用する 下肢にかかる圧力を均等に分散し、静脈への負担を軽減します。特に長時間のデスクワークをする方には効果的です。
- 足を高くする休憩時間を設ける 昼休みや帰宅後に、足を心臓より高い位置に上げて休むことで、下肢に溜まった血液を効率的に戻すことができます。
患者さんの体験談
「リモートワークが増えてからスタンディングデスクを導入したんですが、3か月くらいしてから足がだるくて重い日が増えました。気づいたらふくらはぎの血管が浮いてきていて、目黒外科で診てもらったら下肢静脈瘤と診断されました。今はレーザー治療を受けてだいぶ改善し、立ちっぱなしを避けるよう意識しています。」
(40代女性・IT企業勤務)
まとめ
スタンディングデスクは健康に良い側面がある反面、使い方を誤ると下肢静脈瘤という新たなリスクを抱えることになります。大切なのは「立ちっぱなし」にならず、こまめに動く・姿勢を変える・圧を分散させるといった工夫です。足の疲れやむくみを感じる方は、早めに血管外科専門医にご相談ください。▶ 目黒外科の診療予約はこちら
よくある質問(FAQ)
Q1. スタンディングデスクを使っていても、足を動かしていれば大丈夫ですか?
A. 動かす頻度が低ければ血液は滞留します。理想は30分に1回足を動かす・姿勢を変えるなど、意識することが大切です。Q2. 弾性ストッキング(着圧ソックス)は1日中履いていても問題ないですか?
A. 問題ありません。むしろ弾性ストッキング(着圧ソックス)は履き続けることで足の静脈の血流が滞留するのを防いでくれます。Q3. スタンディングデスクを使いながら静脈瘤を予防するには?
A. 立つ・座るを交互に行う、こまめに動く、弾性ストッキングを併用するなど、多角的に対策することが重要です。下肢静脈瘤専門クリニック「目黒外科」のご案内
目黒外科は、下肢静脈瘤の日帰り手術に特化した専門クリニックです。東京・品川区にあり、年間1000件を超える症例実績があります。最新のレーザー治療やグルー治療に対応し、術後もスムーズに職場復帰できる体制を整えています。▶ 詳しくはこちら