下肢静脈瘤がわかる写真集!専門医が解説する病態と治療法
下肢静脈瘤は、足の静脈がうねるように拡張し、血液の逆流を引き起こす病気です。多くの人が美容の問題と捉えがちですが、足のだるさやこむら返りなどの嫌な症状に悩まされたり、さらに放置すると皮膚の変色や潰瘍が発生することもあります。このブログでは、下肢静脈瘤の実際の写真をもとに、その特徴と治療法について解説します。下肢静脈瘤の症状
- 足がつる(こむら返り)
- 足が重だるい
- 足が痛む
- 足がむくむ
- 足がほてる(熱をもった感じ)
- 足がムズムズする
- 足の血管が浮き出てくる
- 足の皮膚のくろずみ
- 足の湿疹やかゆみがなかなか治らない
- 足の傷がなかなか治らない
- 足の皮膚潰瘍
これは足の静脈内に備わる弁の機能不全により血液が重力により逆流するため、血液が静脈の中で滞るために発生します。
写真で見る下肢静脈瘤
下肢静脈瘤ができやすい場所はありますが、これには個人差があり、症状の進行具合によって見た目も変わります。写真は患者さんが自身の状態を理解しやすくするためにも重要なツールです。下肢静脈瘤が進行すると、うっ滞性皮膚炎という皮膚病変が出現することがあります。うっ滞性皮膚炎の場合、足の湿疹や黒ずみ(色素沈着)、皮膚が硬くなる(皮膚硬化)などの症状が見られます。
最悪の場合、皮膚潰瘍に至ることもあります。
下肢静脈瘤の治療法と治療後の変化
下肢静脈瘤の治療法
- 下肢静脈瘤血管内焼灼術➡レーザーカテーテルや高周波(ラジオ波)カテーテルにより静脈瘤を焼いて血液の逆流を止める
- 下肢静脈瘤血管内塞栓術➡シアノアクリレートという医療用の接着剤により静脈瘤を詰めて血液の逆流を止める
- ストリッピング➡静脈瘤を特殊なワイヤーで引き抜いて血液の逆流を止める(昔ながらの手術法)
- 硬化療法➡硬化剤(ポリドカスクレロール)という薬を静脈瘤に注射する(小さな静脈瘤に対する治療)
治療後の写真では静脈瘤が消失している事が確認できます。