下肢静脈瘤の手術後の生活は?安静・入浴・運動・仕事復帰など

下肢静脈瘤手術後の生活について

皆さん、こんにちは!下肢静脈瘤専門クリニック・目黒外科院長の齋藤陽です。

これから下肢静脈瘤の手術を受けようかどうしようか考えている方へ。

下肢静脈瘤の手術自体も心配だと思いますが、手術のあとの事も気になりますよね?

「麻酔が切れたら痛いんじゃないか・・・?」

「足は腫れるのか?内出血は?再発は?」

「仕事は何日くらい休まないといけないのだろう?」

「いつからお風呂に入れるのかしら?」

「運動はいつから再開できるのか?」

そこで、今回の記事では下肢静脈瘤手術後の生活や注意事項について解説いたします。

手術当日

手術が終わると足に弾性包帯が巻かれており、さらにその上から弾性ストッキングを着用しているので多少の歩きにくさがありますが、歩行はもちろんのこと、帰宅途中で買い物をしても構いません。

帰宅後

安静
基本的に安静にしていただく必要はありません。
痛み止め
麻酔が切れたあとは痛みが出ることがありますが、ほとんどの患者さんは「痛み止めを飲むほどではなかったので、飲まなかった」とおっしゃいます。ただし、下肢静脈瘤の状態は個人差がありますので痛みの程度も個人差があります。痛みを我慢する必要はありませんので、痛いと感じたら痛み止めを飲むようにしましょう。
やっても良い事
炊事洗濯掃除など、日常生活動作は通常通りでOKです。

やってはいけないこと
弾性包帯は翌日まで外せませんので、入浴はできません。

自転車をこぐと弾性包帯がずり落ちてしまいますので、自転車もNGです。

自動車の運転もNGです。手術の際に鎮静剤を点滴しますので、眠気が残る可能性があるためです。

お酒については、具合が悪くなった場合に手術の影響なのかお酒の影響なのかが分かりにくくなりますので、手術日のお酒は止めておきましょう。

手術翌日以降

手術翌日は弾性包帯が外れます。当院で行う下肢静脈瘤の手術は基本的に皮膚を切開しませんので、傷も縫いません。したがって、抜糸も必要ありません。注射針の痕が少し見えるだけなので、手術翌日からは日常生活の制限はしていません。
入浴
手術翌日からOKです。
運動
初めは軽い歩行から始め、徐々に運動量を増やしていくように説明しています。痛みを感じたらその強度までにとどめていただき、痛みが許容レベルになれば運動の強度を上げて構いません。ご自身の痛みと相談のうえ、運動を行ってください。
仕事復帰
基本的にはいつからでも復帰可能です。
マッサージ
特に制限はしていません。指圧されたり、もまれた時に痛みを感じる部位があればそこは避けていただけば結構です。
飛行機
手術翌日に搭乗可能です。その際、弾性ストッキングを着用の上、ご搭乗ください。
弾性ストッキング
レーザーカテーテルによる血管内焼灼術の場合、術後約1か月間は弾性ストッキングを着用していただきます。これは術後一時的な足のむくみや腫れが生じることがあり、弾性ストッキングはこれらの症状を軽減する効果があります。また、ごく稀ですが深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)を起こす可能性もゼロではありませんので、血栓予防のためにも弾性ストッキングを着用していただきます。

血管内塞栓術(グルー治療)の場合は、術後の弾性ストッキング着用は必須ではありません。

典型的な術後経過

内出血
個人差がありますが、数日から2週間で消えます。
太もものつっぱり感
レーザーカテーテルによる血管内焼灼術を受けた方は太もものつっぱり感を感じることが多いです。特に長時間座っていて立ち上がる時につっぱり感を感じますが、歩き始めたらつっぱり感は気にならなくなります。通常1か月から2か月で落ち着きます
しこり
当院では皮膚を切開しないで下肢静脈瘤の手術を行っています。ボコボコ浮き出た静脈瘤も切除しないでレーザーで焼いてしまいます。そのため、術後は焼灼した静脈瘤は皮膚の下で硬いしこりとして触れます。小さめの静脈瘤なら数か月、静脈瘤が大きい場合は半年くらいかかりますが、いずれも自然に体に吸収されて消えていきます。

何か心配な事や不明な点があれば、いつでも医師にご相談ください。