【医師監修】下肢静脈瘤の治療法まとめ|手術と非手術の違いを徹底比較
この記事は下肢静脈瘤専門クリニック「目黒外科」院長 齋藤陽 医師が監修しています(2020年~ 下肢静脈瘤レーザー治療件数日本最多)。
下肢静脈瘤とは?
下肢静脈瘤とは、足の静脈が拡張し、ねじれた状態になる疾患で、痛みや重だるさ、見た目の悪化、こむら返りなどの症状を引き起こします。進行すると皮膚の色素沈着や潰瘍などの重症化もあり、早期の治療が推奨されます。

下肢静脈瘤の画像
下肢静脈瘤の治療法は大きく2種類
下肢静脈瘤の治療は、「手術的アプローチ」と「非手術的アプローチ」に分かれます。以下では、それぞれの治療法の特徴・メリット・デメリットを詳しく解説します。
手術的アプローチ
1. 血管内焼灼術(レーザー・高周波)
- 概要:カテーテルを静脈に挿入し、レーザーや高周波の熱で静脈を内側から閉塞する方法です。
- 利点:最小限の侵襲で、短時間で施術が完了し、回復が早く、傷跡が残りにくい。
- 欠点:高周波カテーテルは複雑な静脈瘤には不向き。レーザーは広範囲に対応可だが、若干費用が高くなる場合あり。
2. 血管内塞栓術(グルー治療)
- 概要:医療用接着剤をカテーテルで注入し、静脈を閉じる方法です。
- 利点:麻酔や圧迫が不要で、施術直後に歩行や日常生活が可能。
- 欠点:アレルギー反応の可能性や保険適用範囲に限りがある点に注意。
3. ストリッピング手術
- 概要:脚の表在静脈をワイヤーで物理的に抜去する従来法。
- 利点:過去にはスタンダードな術式でしたが、レーザーやグルー治療がスタンダードになった現在、あまりメリットがありません。
- 欠点:出血・腫れ・痛みのリスクが高く、カテーテル治療と比べるとダウンタイムが長い。
非手術的アプローチ
1. 圧迫療法
- 概要:医療用弾性ストッキングを使用し、足に適度な圧力をかけて血液の逆流を抑制。
- 利点:非侵襲的で自宅でも行えるため、初期段階の静脈瘤や予防目的に最適。
- 欠点:根本的な治療にはならず、ストッキングの着脱や継続使用に手間がかかる。
2. ライフスタイルの改善
- 概要:適度な運動、減量、長時間の立ち・座り仕事の回避など。
- 利点:健康全体の改善につながり、静脈瘤の進行を遅らせる。
- 欠点:即効性がなく、継続が必要。
治療法の比較一覧表
治療法 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
レーザー治療 | 熱で静脈を焼灼 | 傷が残らず回復が早い | 術後のつっぱり感 |
グルー治療 | 接着剤で静脈閉塞 | 術後の弾性ストッキング不要 | アレルギーの可能性 |
ストリッピング | 静脈を物理的に引き抜く | 長期効果あり | 痛みや腫れが強い |
圧迫療法 | 弾性ストッキングで圧迫 | 簡便・即効性あり | 根本治療にはならない |
どの治療法を選ぶべきか?
治療法は、静脈瘤の進行度・生活スタイル・希望する回復期間・医師の判断によって最適なものが異なります。目黒外科では、診察・エコー検査をもとに個別最適化された治療方針をご提案しています。
目黒外科のご案内
目黒外科は、下肢静脈瘤レーザー治療件数で日本最多(2020年~)を誇る専門クリニックです。
完全予約制・日曜診療対応で、平日がお忙しい方でも安心して通院いただけます。
初診時にエコー検査と診察を行い、治療が必要な場合には保険適用の治療も含め、最適な治療法をご提案いたします。
よくある質問(FAQ)
Q1. どの治療法が一番効果的ですか?
A. 症状の進行度や血管の状態によりますが、当院ではレーザー治療やグルー治療を第一選択とすることが多いです。詳しくは診察時にご説明します。
Q2. 手術は入院が必要ですか?
A. 目黒外科ではすべて日帰り手術で対応可能です。手術後は歩いてご帰宅いただけます。
Q3. 弾性ストッキングだけで治せますか?
A. 弾性ストッキングは進行予防や軽症の対処には効果的ですが、根本治療にはなりません。重症の場合はカテーテルやグルー治療が必要です。