静脈瘤が目立たないケースもある?特に注意すべきうっ滞性皮膚炎の症状

ボコボコしていない静脈瘤もある?特にうっ滞性皮膚炎に注意

下肢静脈瘤と聞くと、多くの人は足に浮き出たボコボコした血管をイメージするかもしれません。しかし、全ての下肢静脈瘤が目に見える形で膨らんでいるわけではありません。特に、うっ滞性皮膚炎という症状は、下肢静脈瘤による血液の停滞が原因で皮膚に変化を引き起こすものであり、表面的には静脈瘤がボコボコしていない場合でも発症します。このブログでは、ボコボコしていない下肢静脈瘤の存在と、特に注意すべきうっ滞性皮膚炎について解説します。

ボコボコしていない下肢静脈瘤とは?

下肢静脈瘤といえば、皮膚の表面に膨らんで見えるものが典型的ですが、必ずしもそうではありません。静脈瘤が表面に出ていない場合でも、血液が逆流し、足にむくみや疲れ、さらには痛みを引き起こすことがあります。このような場合、見た目には異常が見られなくても、静脈の機能不全が進行している可能性があります。

特に注意したいのが、うっ滞性皮膚炎です。これは、血液の流れが悪くなることで皮膚に炎症が起きる状態で、皮膚の色が褐色や赤色に変わり、かゆみや痛みを伴うこともあります。ボコボコした静脈が見られない場合でも、足の皮膚が硬くなったり、色素沈着が見られる場合は、このうっ滞性皮膚炎が進行している可能性があります。

うっ滞性皮膚炎とは?

うっ滞性皮膚炎は、下肢静脈瘤が引き起こす慢性的な血液の停滞が原因で起こる皮膚炎です。この状態になると、初期段階では皮膚の色が変わり、軽いかゆみが見られることが多いですが、進行すると皮膚が硬くなり、潰瘍が形成されることもあります。治療が遅れると、皮膚の潰瘍が重度化し、日常生活に大きな影響を与えることがあるため、早めの対処が重要です。

うっ滞性皮膚炎の症状

  1. 皮膚の変色:特に足首やふくらはぎの皮膚が褐色や赤色に変わることがあります。
2.かゆみや痛み:最初は軽度のかゆみを感じますが、進行すると強いかゆみや痛みを伴うことがあります。

3.皮膚が硬くなる:うっ滞が進むと、皮膚が硬く厚くなり、触ると弾力を失っているのがわかります。

4.潰瘍の形成:重症化すると、皮膚に潰瘍ができ、治癒が困難になります。

うっ滞性皮膚炎の予防と治療

うっ滞性皮膚炎を予防するためには、まず下肢静脈瘤の早期発見と治療が重要です。下肢静脈瘤が原因である場合、その治療を適切に行わないと、皮膚の炎症や潰瘍が悪化するリスクがあります。以下の方法で予防や治療を進めることが推奨されます。
  1. 圧迫療法:着圧ソックス(弾性ストッキング)を使用することで、血液の流れを助け、静脈にかかる負担を軽減します。
  2. 適度な運動:ふくらはぎの筋肉を動かすことは、静脈の血液循環を助けるため、ウォーキングやストレッチが効果的です。
  3. 皮膚の保湿:かゆみや乾燥を予防するために、日常的に保湿を行い、皮膚を守ることが大切です。
  4. 専門医の受診:皮膚の変色やかゆみが続く場合は、早めに専門医に相談し、適切な治療を受けることが重要です。

外見だけで下肢静脈瘤によるうっ滞性皮膚炎ではないと診断することは危険

静脈瘤が外見的にボコボコと浮き出ていないからといって、うっ滞性皮膚炎でないと判断するのは非常に危険です。特に下肢静脈瘤の専門外の医師に相談した場合、2つのケースがあり得ます。まず一つ目は、医師が下肢静脈瘤の事は専門外で詳しくないので、専門医を受診するよう勧めてくださるケース。これは大変ありがたいことです。しかし、残念ながらそのような医師ばかりではありません。外見を見ただけで「下肢静脈瘤ではない」と言い切ってしまう医師が少なくありません。このパターンは誤った情報によって患者さんの治療の奪ってしまうため、相談する場合は専門医にされることをお勧めします。必ずしもすべての下肢静脈瘤の患者さんの静脈瘤がボコボコしているわけではないため、診断のためには必ず超音波検査を受けてください。超音波検査は、見た目ではわからない下肢静脈瘤の正確な診断に不可欠です。

まとめ

ボコボコした静脈が目立たないからといって、下肢静脈瘤がないわけではありません。特にうっ滞性皮膚炎は、外見上の変化が少ない場合でも、皮膚に深刻な問題を引き起こす可能性があります。足の皮膚に異常を感じたら、早めに専門医に相談し、必要な治療を受けることが大切です。超音波検査を通じて、見えない静脈瘤を確認することが、より健康的な足を保つための第一歩となります。