【医師監修】下肢静脈瘤の術後に旅行しても大丈夫?飛行機・長距離移動時の注意点と予防対策ガイド

弾性ストッキング

【医師監修】下肢静脈瘤の術後に旅行しても大丈夫?飛行機・長距離移動時の注意点と5つの対策

この記事は、下肢静脈瘤専門クリニック・目黒外科 院長の齋藤 陽医師が監修しています。

はじめに

下肢静脈瘤の治療後は、ほとんどの方が翌日から日常生活に復帰できますが、「旅行はいつから大丈夫?」「飛行機に乗っても平気?」といったご相談を多くいただきます。特に飛行機・バス・電車など長時間の移動を伴う旅行では、血栓症のリスクが高まる可能性があるため、十分な対策が必要です。この記事では、安全に旅行を楽しむためのポイントを5つご紹介します。

1. 旅行前の準備と医師への相談

旅行の計画を立てる際は、まず手術後の痛みや体調に応じて判断することが大切です。下肢静脈瘤の手術後は、基本的に翌日から日常生活に大きな制限はなく、旅行を禁止しているわけではありません。ただし、術後の腫れや違和感が残ることもあるため、長距離移動や飛行機などの予定がある場合は、念のため担当医にご相談いただくと安心です。特に術後1週間以内の海外旅行など、長時間の移動を伴う計画を立てている方は、具体的な注意点を事前に確認しておくことをおすすめします。

2. 弾性ストッキングの着用

弾性ストッキング(着圧ソックス)は、旅行中の血栓予防において非常に重要です。術後は一時的に血液が固まりやすくなるため、特に長時間座った状態が続く場面では、ストッキングを着用することで血流が促進され、血栓リスクが軽減されます。飛行機やバスなどでは出発前から着用しておくのが効果的です。気温や移動時間に応じて、快適な素材・圧迫レベルのものを選びましょう。

3. 適度な運動を取り入れる

長時間同じ姿勢を続けると、足の血流が滞り、静脈内の血液が逆流・うっ滞しやすくなります。1〜2時間に一度は立ち上がって歩いたり、ストレッチをしたりすることが望ましいです。もし移動中に立ち上がれない場合は、座ったままで足首を回す・かかとやつま先を上下に動かすだけでも血流改善に効果があります。

4. 水分補給を忘れずに

乾燥した機内や、移動時の水分不足は血液を濃くして血栓のリスクを高めます。旅行中は意識的にこまめに水分を摂取しましょう。特に飛行機では、30分〜1時間ごとに少量ずつ水を飲むことを心がけると良いです。なお、カフェインやアルコールは利尿作用があるため、水やノンカフェインのお茶がおすすめです。

5. 旅行先での経過観察と無理をしない行動

術後すぐの旅行では、普段よりも体調に敏感になることが大切です。足の腫れや痛み、熱感などの異常があれば、我慢せずに医師に連絡を取りましょう。海外旅行の場合は、医療保険の加入や現地の医療機関の確認も事前に行っておくと安心です。無理のないスケジュールで行動し、十分な休息をとるようにしましょう。

患者さんの体験談

50代・女性(東京都在住)
「術後3日目に法事のためにどうしても飛行機に乗らなければならず、心配で目黒外科に相談しました。弾性ストッキングの着用方法や水分摂取など、丁寧に指導してもらい、無事に帰ってくることが出来ました。事前に相談して本当によかったです。」

よくある質問(FAQ)

Q1. 術後どれくらいで旅行に行けますか?

A. 手術後の痛み次第ですが、基本的に手術翌日からは日常生活面での制限はありませんので、旅行も禁止していません。

Q2. 海外旅行でも弾性ストッキングは必要ですか?

A. はい。フライト時間が長くなるほど血栓リスクが高まるため、必ず着用しましょう。気温に応じてオープントゥタイプなどを選ぶと快適です。

Q3. フライトが10時間以上の場合、他にできることはありますか?

A. 弾性ストッキングの着用に加えて、足の運動・水分補給・足を高くする休息を意識してください。機内でも小まめな動きが重要です。

まとめ

下肢静脈瘤の治療後でも、適切な対策をすれば旅行を楽しむことは可能です。弾性ストッキングの使用、適度な運動、水分補給、医師との連携を大切にし、安心・安全な旅を実現しましょう。

旅行前のご相談は、目黒外科までお気軽にどうぞ。

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