【専門医が解説】クモの巣状静脈瘤はクリームで治る?本当に消すための効果的な治療法とは

硬化療法

【医師監修】クモの巣状静脈瘤はクリームで消える?おすすめケアと硬化療法の真実

監修:下肢静脈瘤専門クリニック「目黒外科」院長 齋藤陽 医師

クモの巣状静脈瘤は、皮膚表面に広がる青紫色の細い静脈で、特に女性に多く見られます。「目立つからどうにかしたい」と思い、市販のクリームを試す方も多いですが、実はどんなクリームでも完全には消えないのが現実です。

本記事では、クリームの効果と限界を正しく解説したうえで、確実に見た目を改善したい方に向けて、健康保険が使える硬化療法という選択肢をご紹介します。

クモの巣状静脈瘤にクリームは効く?その効果と限界

よくある疑問:市販のクリームでは消えないの?

答えはYESです。血行促進クリームや美白クリームで肌表面の印象は改善することがありますが、静脈そのものは残ったままです。理由は以下の通りです:

  • 原因が皮膚表面ではなく静脈内にあるため、皮膚に塗るだけではアプローチできない
  • 物理的に拡張した血管を修復する力がない
  • あくまで補助的なスキンケアであり、医療的治療ではない

クモの巣状静脈瘤を確実に薄くする「硬化療法」とは

硬化療法とは、細い静脈に特殊な薬剤(硬化剤)を注射し、血管を閉じることで見た目を改善する治療です。

施術の流れ

  1. 硬化剤を静脈に注入:クモの巣状静脈瘤に直接薬剤を注射します。注射には非常に細い注射針を使用します。
  2. 血管が閉塞し、自然吸収される:硬化剤を注入したクモの巣状静脈瘤は血液が流れなくなり、体内に吸収され徐々に目立たなくなっていきます。
  3. 3か月程度で見た目が徐々に改善:クモの巣状静脈瘤の広がりや数、血管の細さには個人差があり、非常に細い血管の場合は注射針を刺すことさえ困難なケースもあります。そのため、1回の施術で完全にクモの巣状静脈瘤が消えるということはなく、あくまで徐々に目立たなくなっていく治療です。仕上がりに対する満足度は患者さんご自身の期待値にも左右され、高い仕上がりを求める場合には複数回の施術が必要になることがあります。

治療前後の注意点

  • 色素沈着:施術部位にしばらく褐色の色素が残ることがあります。
  • 弾性包帯または弾性ストッキングを24時間着用:硬化療法後の静脈血栓予防のためです。
  • ピルや骨粗しょう症薬を服用している方:硬化療法を行う場合、4週間前から休薬が必要です。

硬化療法は保険適用!費用と回数

健康保険が適用されるため、自己負担は1回あたり5000~6000円(3割負担)程度です。

動画でわかる硬化療法

実際の硬化療法の施術風景や注意点を動画でご紹介しています。硬化療法がどのような治療か、気になる方はぜひご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q.クモの巣状静脈瘤は自然に治りますか?
A.自然治癒は難しく、放置すると増える傾向があります。
Q.硬化療法は痛いですか?
A.細い針での注射のため、ほとんどの方が我慢できる程度です。
Q.治療後すぐに仕事に戻れますか?
A.ダウンタイムはほとんどなく、当日から日常生活に復帰可能です。
Q.施術後に気をつけることは?
A.1日は弾性包帯またはストッキングを着用し、激しい運動は控えてください。

まとめ:医療的アプローチを選んで美しい脚へ

どれだけ高価なクリームでも、構造的な血管の問題を解決することはできません。本当に消したいなら、専門クリニックでの硬化療法が最も確実な選択です。目立たなくすることで、自信を取り戻す一歩になります。

気になる方はぜひお気軽に当院までご相談ください。

クモの巣状静脈瘤のイラスト

タイトルとURLをコピーしました