夜間や明け方の足のこむら返りに要注意|専門医が解説する下肢静脈瘤との関係と治療法

夜間や早朝に足のこむら返りでお悩みの方へ

夜中に突然足がつることで目が覚める…そんな経験はありませんか?毎晩のように足の痛みで目を覚ますことが日々のストレスとなり、朝の目覚めもつらいものになっている方は少なくありません。

こむら返りは、足の筋肉が突然収縮することにより、ふくらはぎ、太もも、すね、足の指先などで激しい痛みが生じる症状です。この不快な痛みの背後には、下肢静脈瘤が隠れている可能性があります。

下肢静脈瘤とは何か?

下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)は、足の静脈の逆流防止弁が正常に機能しないことで血液が足に溜まり、静脈が拡張する疾患です。この状態により、以下のような様々な症状が引き起こされます:
  • 足のこむら返り
  • 足の重だるさ
  • 足のむくみ
  • 足のムズムズする不快感
  • 足の血管がボコボコ浮き出てくる
さらに症状が進行すると、足の皮膚に黒ずみや湿疹が現れ、慢性的なかゆみを伴う「うっ滞性皮膚炎」や、最悪の場合には皮膚が潰瘍化することもあります。特に、こむら返りは下肢静脈瘤の一般的な初期症状とされています。

下肢静脈瘤の診断方法

下肢静脈瘤が疑われる場合は、専門医を受診して診断を受けることが大切です。診断には超音波検査が有効であり、専門の医療機関で詳しい検査を受けることが推奨されます。

もし下肢静脈瘤が原因であれば、適切な治療を行うことで、こむら返りや他の症状の改善が期待できます。

下肢静脈瘤の治療方法

下肢静脈瘤の治療には様々な方法が存在します。最も一般的なのは、血管内焼灼術(レーザーや高周波)、血管内塞栓術(グルー治療)です。これらの方法は、症状の程度や患者さんの状態に応じて選択されます。どちらも健康保険が適用されます。

レーザー治療は、最小限の侵襲で行われるため、回復が早く、日常生活に早く戻れるというメリットがあります。

まとめ

夜間や早朝に起こる足のこむら返りは、単なる不快な症状だけでなく、下肢静脈瘤の可能性があることを示しているかもしれません。早期の診断と治療が重要です。症状が見られたら、専門の医療機関で相談なさってください。