【専門医が解説】下肢静脈瘤とは？症状・受診すべき診療科と医師選びのポイント

下肢静脈瘤とは？

下肢静脈瘤とは、足の静脈にある逆流防止弁が壊れることにより、血液が逆流し、血管が拡張・蛇行してコブのように浮き出る病気です。特にふくらはぎ・すね・太ももの内側に多くみられます。

通常、静脈弁は血液が心臓へ戻るときに逆流しないようにする働きをしていますが、加齢・妊娠・立ち仕事などで弁が壊れると、血液が下へ逆流し、血管が圧迫されて変形してしまいます。

主な症状には、

足の重だるさ
夕方以降のむくみ
夜間や明け方のこむら返り
皮膚の色素沈着や湿疹
進行すると皮膚潰瘍

などがあり、長時間立ちっぱなしだった日に悪化しやすいのが特徴です。

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下肢静脈瘤は何科を受診すればいい？

足の血管が浮き出ている、夕方に足が重だるくなる、夜中にこむら返りがある…。
このような症状がある方は、下肢静脈瘤の可能性があります。
適切な治療を受けるためには、症状に応じて専門の診療科を受診することが大切です。以下に代表的な診療科とその特徴をご紹介します。

心臓血管外科（または血管外科）

下肢静脈瘤の診療・治療を最も多く取り扱っている専門診療科です。
特にレーザー治療・高周波治療・血管内塞栓術（グルー治療）などの最新の血管内治療を受けたい方は、心臓血管外科または血管外科を受診するのが確実です。
手術件数や設備の充実度にも注目するとよいでしょう。

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皮膚科・形成外科

皮膚に湿疹・色素沈着・潰瘍といった皮膚トラブルが主症状の場合には、皮膚科や形成外科での初期診断や処置が行われることがあります。
ただし、根本的な原因（足の静脈の逆流）に対する検査や治療は、最終的に血管外科で行われることが多いため、連携体制があるか確認することが重要です。

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循環器内科

心臓や血液循環に関わる全身疾患（例：心不全・浮腫・深部静脈血栓症）が疑われるケースでは、循環器内科が診療を担当することがあります。
ただし、下肢静脈瘤の治療そのもの（手術・血管内治療・硬化療法など）は、一般的に循環器内科では行われず、血管外科へ紹介されるのが通常です。

まとめ：確実な診断と適切な治療を受けるには、下肢静脈瘤の治療実績が豊富な心臓血管外科や血管外科を受診するのが最も安心です。
症状の程度や目的（症状改善か美容か）によって、他の診療科と連携しながら治療を進めることもあります。

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専門医を選ぶ際のポイント

治療を検討する際は、以下の点を参考に信頼できる医師・医療機関を選びましょう。

1. 専門資格・実績

下肢静脈瘤の治療を安心して任せられる医師かどうかは、専門資格と実績で判断できます。
「下肢静脈瘤血管内治療実施医」や「指導医」の資格を有しているかを確認しましょう。
また、年間の手術件数や、その医師が何年にわたって静脈瘤治療に携わってきたかという経験年数も信頼の目安になります。

2. 治療の選択肢が豊富か

静脈瘤の状態や患者さんの生活スタイルによって、適した治療法は異なります。
レーザー治療や高周波治療といった血管内焼灼術、接着剤を用いたグルー治療、硬化療法、ストリッピング手術など、複数の選択肢から最適な治療を提案してくれる医師を選びましょう。
1つの治療法しか提供していない場合、柔軟な対応が難しいケースもあります。

3. 初診時の説明やカウンセリング

初診時には、超音波検査などを用いた的確な診断が行われ、治療の必要性や選択肢について丁寧に説明してくれるかを確認しましょう。
患者の気持ちに寄り添い、納得できるまで説明してくれる医師は信頼できます。
「診察5分で即手術決定」など、一方的な提案をする場合には注意が必要です。
セカンドオピニオンを求めるのは患者の当然の権利です。納得できるまで複数の医師に相談するのも良い判断です。

4. 術後フォロー体制

下肢静脈瘤は「治療して終わり」ではありません。
術後は、血流の再評価や再発の有無を確認するために、1〜数回の定期診察が必要になります。
術後の痛みや腫れ、内出血などのトラブルが発生した場合に、迅速かつ丁寧に対応してくれる体制が整っているかは非常に重要です。
術前に「どんな流れでフォローが行われるのか」をしっかり説明してくれる医師・クリニックを選びましょう。

5. 口コミ・患者の声

実際に治療を受けた患者さんの評価は、非常に参考になります。
Googleレビュー、病院検索サイト、SNS、公式ホームページの患者の声などから、術前の対応・治療の効果・術後フォローの丁寧さなどを確認しましょう。
高評価だけでなく、具体的な感想や体験談が記載されているかも信頼性を測るうえで重要です。

6. 通いやすさ（アクセス）

静脈瘤治療は日帰りで可能な場合がほとんどですが、手術前後の通院は数回必要になることがあります。
そのため、自宅や職場からの通いやすさや、最寄り駅からのアクセス、診療日（平日夜・日曜診療など）も、医師選びの重要なポイントです。
特に、地方や遠方から来院する場合は、初診・検査・手術を1日でまとめて対応してくれるクリニックがあるかも確認すると良いでしょう。