足の皮膚が硬くなる原因とは?下肢静脈瘤による皮膚脂肪硬化症を専門医が解説

足の皮膚が硬くなるのは病気のサイン?|下肢静脈瘤と皮膚脂肪硬化症の関係を医師が解説

この記事は下肢静脈瘤専門クリニック「目黒外科」院長 齋藤陽 医師が監修しています。


足の皮膚が硬くなる症状とは?

下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)は、脚の静脈が膨張し蛇行する状態で、見た目だけでなく皮膚の健康にも大きな影響を与えます。特に「皮膚が硬くなる」という症状は、進行した静脈瘤のサインである可能性があります。このブログでは、皮膚の硬化と下肢静脈瘤の関係、そしてその対処法について専門医の視点から解説します。


皮膚脂肪硬化症とは?

下肢静脈瘤と皮膚の硬化の関係

下肢静脈瘤が進行すると、足の静脈に血液が滞留し、皮膚への酸素や栄養が不足します。これにより、皮下組織が炎症・線維化し、皮膚が硬く厚くなる「皮膚脂肪硬化症」が発生します。茶色や赤褐色に変色することも特徴で、痛みやかゆみを伴うこともあります。

皮膚脂肪硬化症の症例写真1 皮膚脂肪硬化症の症例写真2

皮膚が硬くなる原因とそのメカニズム

血液の逆流による静脈圧の上昇

足の静脈内の弁が正常に働かないと、血液が逆流し、足元に滞留します。これにより静脈内圧が高まり、皮膚や皮下組織への負担が増します。

慢性炎症による組織の硬化

血液がうっ滞すると、皮膚で炎症が起こりやすくなります。この慢性炎症が皮下脂肪の線維化を促し、皮膚の硬化が進行します。

酸素不足と代謝の低下

血流不良により皮膚への酸素供給が不足すると、細胞の代謝が低下し、再生能力が落ちることで硬化がさらに進みます。


皮膚の硬化を防ぐための予防と対策

1. 早期治療

下肢静脈瘤が疑われる場合は、専門医の診察とエコー検査を受けることが大切です。当院では圧迫療法、レーザー治療グルー治療などを患者さんの状態に応じてご提案しています。

2. 適度な運動

ウォーキングやふくらはぎのストレッチなどで、足のポンプ機能を高め血流を促進しましょう。

3. 圧迫療法

医療用の弾性ストッキングを着用することで、血液のうっ滞を防ぎ、静脈瘤の進行を遅らせることができます。使用は医師の指導のもとで行いましょう。

4. 皮膚ケア

乾燥や外的刺激を防ぐため、保湿クリームやローションで日常的な皮膚ケアを行うことが大切です。硬化が見られた場合は早めの受診を。


皮膚脂肪硬化症が進行するとどうなる?

皮膚脂肪硬化症を放置すると、皮膚が薄く脆くなり、皮膚潰瘍が形成されるリスクが高まります。これらの潰瘍は治りにくく、感染症の原因となるため、早期の対応が重要です。

皮膚潰瘍の写真


血管外科での診断と治療の重要性

皮膚の硬化や色の変化が気になる場合、血管外科の受診を強くおすすめします。専門医による正確な診断と適切な治療により、症状の進行を防ぎ、皮膚潰瘍などの重症化を避けることが可能です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 足の皮膚が硬くなるのは下肢静脈瘤が原因ですか?

A. はい、血液の逆流や慢性的な皮膚の炎症により皮膚脂肪硬化を引き起こす可能性があります。専門医の診察をおすすめします。

Q2. 硬くなった皮膚は元に戻りますか?

A. 残念ながら重度の皮膚線維化は元に戻りにくいため、早期の対策がカギとなります。

Q3. 自宅でできる予防法はありますか?

A. 弾性ストッキングの着用、適度な運動、皮膚の保湿などで予防が可能です。症状がある場合は医療機関を受診しましょう。


下肢静脈瘤専門クリニック『目黒外科』のご案内

目黒外科は、下肢静脈瘤レーザー手術件数日本最多(2020年〜5年連続)の実績を持つ専門クリニックです。院長 齋藤陽 医師がすべての診療・手術・アフターフォローを担当します。完全予約制・日曜診療も対応。皮膚の硬化や潰瘍が心配な方は、ぜひ一度ご相談ください。

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