下肢静脈瘤は遺伝する？親子で知っておきたい確率と予防策

下肢静脈瘤は遺伝するのか？ 家族に同じ症状を抱える人がいると不安になりますよね。本記事では、遺伝の確率やリスク要因、医師がすすめる予防法について、下肢静脈瘤専門クリニック『目黒外科』院長が詳しく解説します。親子で静脈瘤に悩まされないためにも、ぜひお読みください。

下肢静脈瘤とは？
親から子への遺伝はあるのか？
遺伝以外のリスク要因
予防方法：親から子へと続かせないために
体験談：母と娘、二世代で治療を受けました
まとめ
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下肢静脈瘤は遺伝する？親から子へのリスクと予防法を専門医が動画で解説！

下肢静脈瘤とは？

下肢静脈瘤は、足の静脈が拡張して瘤（こぶ）のように浮き出る疾患です。見た目の問題だけでなく、足の疲労感や痛み、だるさ、こむら返りなどの症状を引き起こすことがあります。

親から子への遺伝はあるのか？

下肢静脈瘤には遺伝的な素因があるとされており、家族歴のある方は注意が必要です。両親ともに静脈瘤がある場合、子供に遺伝する確率は約90％。片方の親だけの場合、女の子には62％、男の子には25％の確率で遺伝すると言われています（出典：Gundersen J, Hauge M. Hereditary factors in venous insufficiency. Angiology. 20: 346-55, 1969）。

また、両親に症状がなくても、祖父母や叔父叔母に静脈瘤がある場合もリスクとなります。

遺伝以外のリスク要因

立ち仕事・座り仕事：同じ姿勢を長時間続けることで、下肢の静脈に血液が溜まりやすくなります。
妊娠：ホルモンバランスの変化と体重増加により、下肢静脈への圧力が増します。
肥満・運動不足：血流が滞りやすくなり、静脈にかかる負担が増えます。

予防方法：親から子へと続かせないために

遺伝的素因があっても、以下のような予防策を講じることで発症リスクを下げることができます。

1. 足を動かす習慣をつける

ウォーキングやかかとの上げ下げ運動、階段の昇り降りなどでふくらはぎのポンプ機能を活性化しましょう。

2. 長時間同じ姿勢を避ける

デスクワーク中は1時間に一度立ち上がって軽く足踏みしたり、立ち仕事ではつま先立ちを繰り返すなどして血流を促進します。

3. 弾性ストッキング（着圧ソックス）の着用

弾性ストッキング（着圧ソックス）は血流の逆流を抑制するのに役立ちます。特にリスクの高い妊婦さんや長距離移動をする方におすすめです。

4. 体重管理と運動習慣

肥満は静脈に大きな負担をかけるため、食生活の改善と有酸素運動で適正体重を維持することが大切です。

体験談：母と娘、二世代で治療を受けました

東京都在住のAさん（50代女性）は20年前から足の血管の浮きが気になっていたものの、なかなか受診せずに放置していました。ところが最近、娘さん（20代）にも同じような症状が現れたため、一緒に目黒外科を受診。親子ともに下肢静脈瘤の診断を受け、日帰り手術を受けたことで足の見た目も疲れや痛みも改善しました。「もっと早く受診すればよかった」と語ってくださいました。