妊娠と下肢静脈瘤の関係:予防と対策のポイント

妊娠と下肢静脈瘤:予防と対策のポイント

みなさんこんにちは。下肢静脈瘤専門クリニック目黒外科院長の齋藤陽です。今回は、妊娠中の女性にとって気になる下肢静脈瘤と妊娠の関係についてお話しします。

妊娠と下肢静脈瘤の関係

妊娠中に母体に起こる変化
  • 母体の血液量が妊娠前に比べて約1.5倍に増加する
  • 女性ホルモンの分泌量が増加するため静脈が拡張しやすくなる
  • 大きくなった子宮が骨盤の静脈を圧迫する
妊娠中は母体の血液量が妊娠前のおよそ1.5倍に増加するため、足の静脈はパンパンになります。

女性ホルモンの影響で血管が拡張しやすくなり、下肢静脈瘤が発症したり、すでにある静脈瘤が悪化することがあります。

妊娠中期から後期にかけて子宮が大きくなることで骨盤内の静脈が圧迫され、足から心臓への血流がさらに悪化することがあります。

下肢静脈瘤の予防と対策

妊娠中に下肢静脈瘤が悪化して足が痛くなったり、むくみがひどくなったり、静脈瘤が浮き出てくることがありますが、妊娠中には手術を行うことはできません。したがって、妊娠中の下肢静脈瘤の悪化を予防することが非常に大切になります。

妊娠中に下肢静脈瘤を予防するためには、次のような対策が有効です。
  • 定期的な運動:軽いウォーキングや水泳など、下肢の血液循環を促進する運動を心がけましょう。
  • 適切な体重管理:過度な体重増加は静脈に負担をかけます。バランスの良い食事と適度な運動で、妊娠中の体重管理に注意しましょう。
  • 着圧ストッキングの使用:医療用の着圧ストッキングを使用することで、下肢の血液循環をサポートし、静脈瘤の発症や悪化を防ぐことができます。
  • 長時間同じ姿勢を避ける:長時間立ちっぱなしや座りっぱなしの姿勢は避け、定期的に足を動かしたり、適度に休憩を取りましょう。

まとめ

妊娠中は下肢静脈瘤が発症しやすい時期ですが、適切な予防と対策を行うことでリスクを軽減することができます。妊娠中に静脈瘤の症状が現れた場合は、専門の医師に相談することが大切です。目黒外科では、妊婦さんの足の健康をサポートするためのアドバイスや治療を提供しています。お気軽にご相談ください。