太もものクモの巣状静脈瘤|原因・治療法を専門医が徹底解説

若い女性にも多い!太ももに浮かぶクモの巣状静脈瘤の正体と治療法

本記事は下肢静脈瘤専門クリニック「目黒外科」院長 齋藤 陽 医師が監修しています。

「最近、太ももに赤や青い細い血管が見える…これって大丈夫?」と思ったことはありませんか?それは「クモの巣状静脈瘤」かもしれません。特に女性に多く、見た目の悩みとしてご相談が増えています。

この記事では、クモの巣状静脈瘤の原因や予防法、そして医師の視点からの治療法について詳しく解説します。

クモの巣状静脈瘤とは?

クモの巣状静脈瘤とは、皮膚のすぐ下にある毛細血管が拡張し、赤や青の血管がクモの巣のように浮き出て見える状態です。

医学的には「毛細血管拡張症」や「網状静脈瘤」などとも呼ばれますが、見た目に悩む方にとっては美容面でも気になる症状です。

くもの巣状静脈瘤の画像

なぜ若い女性にも?クモの巣状静脈瘤の原因

中高年の女性だけでなく、若年層にも見られることが多くなっています。原因としては以下が挙げられます。
  • 長時間の立ち仕事や座りっぱなし カフェやショップの接客、デスクワーク、授業中の姿勢のままなど、血流が滞りやすくなります。
  • ホルモンバランスの変化 生理前・妊娠・ピル服用による女性ホルモンの変動が血管を拡張させやすくします。
  • 遺伝 親や祖母が同じような症状を持っていた場合、遺伝的素因の可能性があります。
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見た目の悩みを防ぐ4つの予防習慣

発症を100%防ぐことは難しいですが、生活習慣の工夫でリスクを下げることができます。
  1. 日常的な軽い運動 1日20分のウォーキングや階段の利用、ストレッチで血流改善を意識しましょう。
  2. 定期的な脚のストレッチ 1時間に1回、かかとの上げ下げやつま先立ち運動を。むくみ対策にもなります。
  3. 弾性ストッキングの活用 見た目が気になる方にも履きやすいデザイン性のある商品が増えています。予防にも効果的です。
  4. 下半身を冷やさない 冷えは血流悪化の原因。寒い日はレッグウォーマーなどで保温を。
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見た目が気になるなら、迷わず専門医へ

「ただの美容の悩み」と思って放置すると、範囲が広がったり、色素沈着が残ることもあります。
気になる場合は、皮膚科ではなく下肢静脈瘤の専門医にご相談ください。

クモの巣状静脈瘤の治療法

硬化療法(保険適用)

血管内に薬剤を注射し、血管を閉じて目立たなくする治療法。1~3回の施術で改善する例が多く、保険が使えるのも魅力です。

副作用としては一時的な色素沈着が起きることがありますが、数ヶ月で薄くなります。

硬化療法施術の様子



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レーザー照射(自由診療)

皮膚の上からレーザーを照射して毛細血管を消す方法。1回で完了することは稀で、通常5回程度の施術が必要です。

保険適用外であり、熱傷や炎症が残るリスクもあるため、施術経験が豊富な医師による判断が重要です。

※目黒外科ではレーザー照射は行っておりません。

まとめ:早めのケアで自信を取り戻そう

クモの巣状静脈瘤は、見た目の悩みに留まらず、将来の静脈瘤のサインであることもあります。
早めの相談で、症状の進行を食い止めることが可能です。

「気になるけど病院はちょっと…」という方も、まずは専門医への相談から始めてみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q1. クモの巣状静脈瘤は自然に治りますか?

A. クモの巣状静脈瘤は自然に消えることはありません。範囲が広がる前に、予防や治療を検討しましょう。

Q2. クモの巣状静脈瘤は健康保険で治療できますか?

A. 硬化療法は健康保険が適用されますが、レーザー治療は自由診療(自費)となります。

Q3. クモの巣状静脈瘤と下肢静脈瘤は同じですか?

A. 血管の種類と深さが異なります。クモの巣状静脈瘤は皮膚表面の毛細血管、下肢静脈瘤はより深い静脈の逆流が原因です。