下肢静脈瘤の画像紹介
下肢静脈瘤と一言で言っても十人十色です。そこで今回の記事では様々な下肢静脈瘤の画像をご覧いただきたいと思います。
ご自分の足に似たような静脈瘤があるかもしれません。
伏在型静脈瘤
まずは典型的な下肢静脈瘤です。すねやふくらはぎに曲がりくねった静脈瘤が見られます。
この患者さんは、足のむくみ、だるさ、こむら返りといった症状がありました。
良く見ると足首のあたりには赤い湿疹が見られ、痒みをともなっています。
これは下肢静脈瘤に伴う「うっ滞性皮膚炎」の一つの症状です。
広範囲の湿疹を伴ったうっ滞性皮膚炎
この患者さんも湿疹による皮膚のかゆみがなかなか治らないため、皮膚科から紹介されて受診されました。術後の写真です。
手術後は湿疹・かゆみは改善したのですが、残念ながら色素沈着は消えません。
特に女性の患者さんは、こうなる前に治療をしましょう。
皮膚潰瘍
うっ滞性皮膚炎に伴うかゆみのため皮膚を搔き壊してしまった患者さん
うっ滞性皮膚炎を伴った下肢静脈瘤は、ひっかき傷やけがが治りにくく、時に皮膚潰瘍に移行することもあるため手術が必要です。皮膚脂肪硬化
うっ滞性皮膚炎が進行すると、慢性的な皮膚の炎症により皮膚が硬くなります。安静にしていても痛みを感じることがあり、患者さんの症状はつらくなります。
皮膚潰瘍になる一歩手前ですので手術が必要な状態ですが、手術を行った後も皮膚の痛みが長引く事があります。
クモの巣状静脈瘤
クモの巣状静脈瘤は皮膚の直下、真皮と呼ばれる層を走る直径0.1~1mmの毛細血管です。英語ではspider veinといい、クモの巣状「静脈瘤」と名前はついていますが「毛細血管拡張症」とも言います。
多くのケースでは女性ホルモンの影響を受けて皮膚の毛細血管が目立つようになります。
そのため20-30代の女性、特に妊婦さんはクモの巣状静脈瘤が出現しやすいです。
側枝型静脈瘤
側枝型静脈瘤は大伏在静脈または小伏在静脈などから枝分かれして発生した静脈瘤です。ご自身の静脈瘤がこのような状態と似ていることでご心配な方は一度専門医を受診なさってみてください。