下肢静脈瘤の画像あれこれ

下肢静脈瘤の画像紹介

下肢静脈瘤と一言で言っても十人十色です。

そこで今回の記事では様々な下肢静脈瘤の画像をご覧いただきたいと思います。

ご自分の足に似たような静脈瘤があるかもしれません。

伏在型静脈瘤

まずは典型的な下肢静脈瘤です。

すねやふくらはぎに曲がりくねった静脈瘤が見られます。

この患者さんは、足のむくみだるさこむら返りといった症状がありました。

良く見ると足首のあたりには赤い湿疹が見られ、痒みをともなっています。

これは下肢静脈瘤に伴う「うっ滞性皮膚炎」の一つの症状です。

70代の男性患者さんです。毎朝のように足がつるので足が痛くて困っていました。超音波検査の結果、左大伏在静脈に逆流が見られ、伏在静脈から側枝静脈瘤が発生していました。

高周波カテーテルで左大伏在静脈を焼灼し、側枝静脈瘤は皮膚を小切開して切除しました。

術後はこむら返りがピタリと止み、患者さんはとても喜んでくださいました。

こちらの患者さんは70代の女性で、足のだるさこむら返りに悩まされていました。

右の太ももからすねにかけて、大きな静脈瘤が見られています。

超音波検査では右大伏在静脈に逆流があり、レーザーカテーテルによる血管内焼灼術を行いました。

手術後は歩いて帰宅し、通常通り家事を行う事が出来ました。手術翌日からは入浴もでき、こむら返りは手術後1回も起きていません。

30代の外国人男性です。左足のだるさと静脈瘤が気になり受診しました。このような広範囲の静脈瘤も、レーザーカテーテルによって皮膚を一切切ることなく、傷を残さず治療することが可能です。手術後は多少の痛みはありますが、痛み止めを飲むレベルではありません。

広範囲の湿疹を伴ったうっ滞性皮膚炎

この患者さんは60代の男性です。湿疹による皮膚のかゆみがなかなか治らないため、皮膚科から紹介されて受診されました。

超音波検査の結果、ふくらはぎにある小伏在静脈に逆流が見られ、そこから発生する静脈瘤が湿疹につながっていました。

塗り薬を続けていましたが、かゆみがなかなか治らず、皮膚を掻き壊していました。いずれ皮膚潰瘍になってしまう危険があったため手術を行いました。

術後の写真です。

手術後は湿疹・かゆみは改善して喜んでいただけました。しかし、残念ながら色素沈着は残ってしまいます。うっ滞性皮膚炎による色素沈着は、手術によって多少薄くはなりますが、完全に消える事は難しいです。男性の患者さんでしたので外見はあまり気にされませんでしたが、女性の患者さんは、こうなる前に治療をしましょう。

皮膚潰瘍

50代男性です。もともと立ち仕事をしていて、以前から右足の静脈瘤がありました。見た目は気にならず、特に足の症状もなかったため放置していましたが、ある時右すねをぶつけて小さな傷ができました。しかし、はじめはほんの数ミリだった傷がみるみる大きくなり、3日間でこの写真のように大きな皮膚潰瘍となりました。

この状態では傷に薬を塗って手当をしていても皮膚潰瘍は治りません。下肢静脈瘤の手術を行ったのち、約2か月で傷がふさがりました。

うっ滞性皮膚炎に伴うかゆみのため皮膚を搔き壊してしまった患者さん

うっ滞性皮膚炎を伴った下肢静脈瘤は、かゆみによるひっかき傷や、けがによる傷が治りにくいのが特徴で、時に皮膚潰瘍に移行することもあるため手術が必要です。

60代の男性で、飲食店の方です。目黒外科を受診される男性患者さんの約8割は飲食店で働いている方です。飲食業は10時間以上立ちっぱなしは当たり前、というくらい足に負担をかけるお仕事で、特に皮膚潰瘍になるまで放置してしまう方が多いのが特徴です。

超音波検査で左大伏在静脈に逆流があり、レーザーカテーテルによる血管内焼灼術を行ったところ、約1か月で潰瘍は治りました。

皮膚脂肪硬化

うっ滞性皮膚炎が進行すると、慢性的な皮膚の炎症により皮膚が硬くなります。このような状態を皮膚脂肪硬化と言います。

安静にしていてもジンジンとした痛みを感じることがあり、患者さんは毎日つらい症状に悩まされます。

皮膚潰瘍になる一歩手前ですので手術が必要な状態ですが、手術を行った後も皮膚の痛みが改善するまでに3か月ほどかかります。このような状態になりますと、患者さんの生活の質が低下しますので、このような状態になる前に下肢静脈瘤の治療を受けるようになさってください。

クモの巣状静脈瘤

クモの巣状静脈瘤は皮膚の直下、真皮と呼ばれる層を走る直径0.1~1mmの毛細血管です。

英語ではspider veinといい、クモの巣状「静脈瘤」と名前はついていますが「毛細血管拡張症」とも言います。

多くのケースでは女性ホルモンの影響を受けて皮膚の毛細血管が目立つようになります。

そのため20~40代の女性、特に妊娠中はクモの巣状静脈瘤が出現しやすいです。

側枝型静脈瘤

側枝型静脈瘤は大伏在静脈または小伏在静脈などから枝分かれして発生した静脈瘤ですが、伏在静脈には逆流がないタイプの静脈瘤です。

「自分の静脈瘤と似ている」と思われた方は一度専門医を受診してみてください。

目黒外科のご紹介

目黒外科は下肢静脈瘤の治療に特化した専門クリニックです。「皮膚を切らない」「傷を縫わない」「痛みが少ない」体に対する負担が少ないレーザーカテーテル治療を最も得意としており、2020年から5年連続で日本最多の手術件数実績があります。

完全予約制で、お一人おひとりに対してじっくりお話を聞き、医師が自ら超音波検査を行いその場で結果を説明いたします。

お仕事で平日は受診するのが難しい、という方のために日曜診療も行っています。

JR山手線目黒駅前でアクセスも良好です。