下肢静脈瘤対策!絶対にやってはいけない日常生活での行動4選

下肢静脈瘤の予防:日常生活での避けるべき行動4選

足のだるさ・むくみ・こむら返りなどのつらい症状に加え、足の血管がボコボコ浮き出てきて見た目が悪くなる下肢静脈瘤。特に命に係わる病気ではありませんが、何とも悩ましい病気です。

今回の記事では下肢静脈瘤にならないようにするためにやってはいけない日常生活習慣について解説します。

その1 長時間の同じ姿勢

下肢静脈瘤を予防するためには、長時間同じ姿勢でいることを避けることが重要です。その理由には以下のようなことが挙げられます。

血液循環の悪化

同じ姿勢、特に長時間座りっぱなしや、立ちっぱなしでいると、重力の影響で下肢に血液が滞りやすくなります。このため、心臓への血液の戻りが悪くなり、足の静脈に過剰な圧力がかかります。

静脈内圧の増加

足の静脈に長時間圧力がかかると、静脈内の圧力が増加し、静脈の弁の機能が低下する可能性があります。静脈の弁は血液が一方向(心臓へ)にしか流れないようにする重要な役割を担っていますが、この弁の機能が低下すると血液が重力で逆流し、静脈が拡張して静脈瘤が生じる原因となります。

足の筋肉のポンプ作用不足

歩行時の足の筋肉は「筋肉ポンプ」として機能し、足の静脈内の血液を心臓に向かって押し上げるのを助けます。長時間同じ姿勢でいると、このポンプ機能が十分働かず、足の静脈の血液循環が悪化します。

このように、長時間同じ姿勢でいることは足の血液循環を悪化させ、静脈内圧を増加させ、静脈の弁の機能障害や筋肉ポンプの非活性化を引き起こすことがあります。これらの要因はすべて、下肢静脈瘤の発生リスクを高めます。

したがって、下肢静脈瘤の予防のためには、定期的に姿勢を変えたり、こまめに短い散歩をしたりすることが推奨されます。

その2 締め付ける衣服の着用

締め付ける衣服が下肢静脈瘤の発生に及ぼす可能性について説明します。

血流の妨げ

締め付ける衣服、特にウエスト、太もも、またはふくらはぎを強く圧迫する衣服は、血液の循環を妨げることがあります。これにより、静脈内の圧力が上昇し、静脈弁の機能に負担をかけることがあります。

静脈弁の損傷

長期間にわたって締め付ける衣服を着用することは、静脈弁の正常な機能に影響を及ぼし、血液の逆流を防ぐ能力を低下させる可能性があります。これは下肢静脈瘤のリスクを高める要因となり得ます。

体の特定部分への圧力

ガードル、タイトなベルト、タイトなジーンズなど、特定の部分に圧力をかける衣服は、特に問題となることがあります。これらは特に骨盤周りや太ももの血流を滞らせる可能性があり、足の静脈の血液循環に悪影響を及ぼす可能性があります。

ただし、下肢静脈瘤の発生は多くの要因によって影響を受けるため、締め付ける衣服だけが原因とは限りません。遺伝的な要因、加齢、長時間立ち続ける職業、肥満、妊娠など、他の多くのリスク要因が存在します。締め付ける衣服が静脈瘤のリスクを高める可能性があるとしても、それが直接的な原因とは限りません。

その3 高いヒールの靴の過度な使用

高いヒールの靴を履くと、足とふくらはぎの筋肉の動きが限定され、筋肉のポンプ機能が十分に働かなくなり、下肢の静脈内に血液が滞りやすくなります。

お仕事などで長時間高いヒールを履く習慣がある方は、下肢静脈瘤のリスクを高める一因となる可能性があると認識しておくことが重要です。通勤時間やお仕事が休みの日は高いヒールの靴を履かないように意識することが大切です。

その4 便秘での過度のいきみ

便秘と下肢静脈瘤の発生には関連性が指摘されています。便秘時、排便のための過度ないきみは腹圧を高め、足の静脈において血液の流れを妨げ、静脈内の圧力を上昇させます。静脈の圧力が長期にわたって高まると、静脈の壁が伸び下肢静脈瘤の形成につながります。

したがって、便秘の解消は腹圧を正常に保ち、下肢静脈瘤のリスクを減らすためにも重要です。定期的な運動、食物繊維を豊富に含む食事、十分な水分摂取などが便秘の予防・改善に役立ちます。

もしこれらの事に気を付けていても下肢静脈瘤になってしまった方や、もしかして下肢静脈瘤かも?と心配になった方は専門医にご相談ください。

今回の記事の動画をご覧ください。