明け方のこむら返りに注意!下肢静脈瘤の初期症状を専門医が解説
 

こむら返りは静脈からのSOSかも?足がつる原因を医師がわかりやすく解説

「朝起きたときにふくらはぎがつって痛い」「布団の中で背伸びをしたら足がつった」──そんな経験はありませんか?実はその症状、単なる疲れではなく、下肢静脈瘤の初期サインである可能性があります。
本記事では、28年以上にわたり下肢静脈瘤治療を専門にしている目黒外科 院長・齋藤陽 医師が、足がつる原因と下肢静脈瘤の関係について、専門医の視点からわかりやすく解説します。

下肢静脈瘤とは?静脈弁の働きと逆流の仕組み

足の静脈には、重力に逆らって心臓に血液を送り返すために逆流防止の「弁」が備わっています。ところがこの弁が壊れてしまうと、血液が心臓に戻らずに足にたまり、古い血液が滞留するようになります。
これが進行すると血管がボコボコと浮き出たり、足のだるさ・むくみ・かゆみなどの症状が現れる病気──それが「下肢静脈瘤」です。

初期症状としての「こむら返り」

下肢静脈瘤の初期に多く見られるのが、明け方や起床時のこむら返り(ふくらはぎの痙攣)です。特に布団の中で伸びをした瞬間に足がつることがあり、多くの患者さんが「昔より足がつりやすくなった」と感じています。
しかし、意外なことに病気が進行していくと、こむら返りの頻度が減るケースもあります。これは決して改善ではなく、筋肉の収縮反応が鈍くなるほど静脈の状態が悪化しているサインと考えられます。
つまり、足がつらなくなったからといって安心してはいけません。むしろ静脈の異常が進んでいる可能性があるため、早めの専門医の診断が必要です。 <

下肢静脈瘤が悪化すると現れる具体的な症状とは?

下肢静脈瘤を放置すると、見た目だけでなく、次のようなさまざまな不快な症状が現れるようになります。
  • 足の重だるさや疲労感 長時間の立ち仕事や歩行のあとに、足が鉛のように重く感じることがあります。血液のうっ滞によって静脈圧が高まり、筋肉や組織に余分な負担がかかることでこのような症状が生じます。
  • 足がむずむずする感覚(むずむず脚症候群に似た症状) 特に夜間や横になった時に、足にむずがゆいような違和感を覚えることがあります。これは血流障害によって神経が刺激されることで起きる現象で、睡眠の質にも影響を与えることがあります。
  • 足が熱を持つような「ほてり感」 足の静脈に血液が滞留することで、皮膚温が上昇し、熱を持ったような感覚が現れることがあります。実際に皮膚表面の温度が上がっていることもあります。
  • 皮膚表面にボコボコとした血管が浮き出て目立つ 蛇行した静脈瘤が皮膚から透けて見えるようになり、まるで「ミミズ」のような血管が浮き出るのが特徴です。これは下肢静脈瘤の代表的な外見上の症状です。
  • 夕方になると靴下の跡がくっきり残るような足のむくみ 日中の活動によって足に血液や水分がたまり、夕方には靴下のゴム跡が深く残るほどの浮腫(ふしゅ)が出ることがあります。これは毛細血管から水分がしみ出すことで起こります。
  • 皮膚のかゆみ、色素沈着、黒ずみ 慢性的なうっ血により、皮膚に炎症が起きやすくなり、かゆみや湿疹が出現することがあります。また、赤茶色〜黒ずんだ色素沈着が生じると、元の肌色に戻るのが難しくなる場合もあります。
これらの症状が1つでも当てはまる場合は、下肢静脈瘤の進行が疑われます。単なる疲労や加齢のせいだと自己判断せず、専門医による診察と静脈エコー検査を受けることが大切です。

よくある質問(FAQ)

Q. 足がつるのは何科を受診すればいいですか?
A. ふくらはぎのけいれんや足のむくみ、血管の浮き出しが気になる場合は、血管外科や下肢静脈瘤専門クリニックの受診をおすすめします。皮膚科では根本治療ができないこともあります。
Q. こむら返りが毎日出るのは異常ですか?
A. 頻繁に足がつる場合は、筋肉疲労だけでなく、血流障害や下肢静脈瘤の可能性があります。一度静脈の超音波検査(エコー検査)を受けることをおすすめします。
Q. 漢方やサプリで治りますか?
A. 一時的な緩和にはなることもありますが、静脈弁の逆流は自然には治りません。症状が続くようであれば医療機関での検査が必要です。

患者さまの声

  60代・女性 「朝方に足がつるのが毎日続いていて悩んでいました。テレビで下肢静脈瘤が原因かもと知って目黒外科を受診したところ、検査で下肢静脈瘤と判明。レーザー治療を受けたら足がつらなくなりました!
  40代・男性(飲食業) 「仕事柄立ちっぱなしで、夜寝ているとふくらはぎがつるので毎日足が筋肉痛みたいでつらかったです。弾性ストッキングの使い方も教えてもらえて、今では快適に仕事できています。もっと早く来ればよかったです。」

こむら返りが続いたら専門医の受診を

ふくらはぎのけいれんが頻繁に起きる場合は、血流異常による可能性があります。特に高齢者、立ち仕事が多い方は注意が必要です。
目黒外科では、こむら返りをきっかけに来院された患者さまのうち約8割に、下肢静脈瘤が確認されています。「たかが足がつるだけ」と軽視せず、違和感を感じたら早めの受診をおすすめします。

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28年以上にわたり下肢静脈瘤治療に専念してきた院長が、診察・検査・説明・手術・フォローアップまで一貫して担当します。
完全予約制・日曜診療対応で、忙しい方でも安心してご来院いただけます。
足の静脈瘤が気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。

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