【医師監修】薬剤師が下肢静脈瘤になりやすい理由と対策|立ち仕事による脚の健康リスクとは
薬剤師さんは患者さんの健康を支える大切な存在ですが、実はその職業特性から“足の病気”に悩む方が多いのをご存じでしょうか? 特に「下肢静脈瘤」は、長時間の立ち仕事を伴う薬剤師にとって職業病のような存在です。この記事では、薬剤師さんがなぜ下肢静脈瘤になりやすいのか、その原因と具体的な予防・対策方法を詳しく解説します。
下肢静脈瘤とは?|見た目だけでなく健康リスクも
下肢静脈瘤は、脚の静脈が拡張してボコボコと膨らんだり蛇行する病気で、静脈内の逆流防止弁が壊れることで血液がうっ滞し、静脈圧が高まることで発症します。見た目の問題だけでなく、足のだるさ、むくみ、かゆみ、こむら返りなど多くの不快な症状を引き起こすことがあります。
なぜ薬剤師さんは下肢静脈瘤になりやすいのか?
1. 長時間の立ち仕事
調剤薬局やドラッグストア、病院内の薬剤部など、いずれの勤務形態でも長時間立ちっぱなしになることが多い薬剤師さん。足の筋肉ポンプが働きづらく、血液が下半身に滞留しやすくなります。
2. 限られた動きの繰り返し
カウンターや調剤棚の前で動作が限定されがちで、広範囲を歩き回ることが少ないため、筋肉が十分に使われず血流が悪化。これも静脈瘤の原因になります。
薬剤師さんにおすすめの予防方法
1. 定期的なストレッチと運動
仕事の合間や休憩中に脚を屈伸する、つま先立ちでふくらはぎを動かすなど簡単な運動を習慣に。勤務後はウォーキングや軽い有酸素運動がおすすめです。

仕事中のつま先立ち運動
2. 圧迫ストッキングの着用
足首からふくらはぎを段階的に圧迫することで、血液の流れを補助。白衣や制服の下にも装着しやすいデザインのものを選びましょう。

立ち仕事には弾性ストッキングの着用がお勧めです
3. 休憩中に足を高くする
足を椅子の上や壁に上げて心臓より高い位置に置くことで、重力を利用して血液の戻りを助け、静脈の負担を軽減できます。
患者さんの声:調剤薬局勤務の薬剤師さんより
「勤務中の足のだるさが日常になっていました」
50代女性・調剤薬局勤務:長時間立ちっぱなしで、夕方になるとふくらはぎがパンパンに。目黒外科で検査を受けたところ、下肢静脈瘤が見つかり、弾性ストッキングでの対策を始めました。今は日々の疲労感がかなり減りました。
FAQ:薬剤師さんによくあるご質問
- Q. 男性薬剤師でも下肢静脈瘤になりますか?
- A. はい。立ち仕事であれば男女関係なくリスクがあります。男性でもふくらはぎに血管の浮き出しや重だるさが出る方は要注意です。
- Q. 忙しくて病院に行けません。放置しても大丈夫ですか?
- A. 放置すると症状が進行し、色素沈着や潰瘍などの合併症につながることがあります。検査だけなら短時間で済みますよ。
- Q. 弾性ストッキングはどこで買えますか?
- A. 医療用は病院・クリニックで販売しています。圧力の弱いタイプであれば薬局・ドラッグストアなどでも購入できます。
まとめ:薬剤師さんも自分の足の健康を大切に
患者さんの健康を守る薬剤師さん自身が、日々の立ち仕事で足に負担をかけてしまう現実があります。ぜひこの機会にご自身の脚を見直し、違和感がある方はお気軽に専門医へご相談ください。目黒外科では医療従事者の方の診療実績も豊富です。
監修:医療法人社団トリプルウィン 目黒外科 院長・齋藤陽