
足の静脈瘤の見た目を改善したい方へ|治療法の種類と選び方
本記事は下肢静脈瘤専門クリニック「目黒外科」院長 齋藤 陽 医師が監修しています。「スカートやショートパンツを履くのが恥ずかしい…」「ふと鏡を見たとき、足の血管が青く目立っていて気になった」
そんなお悩みをお持ちの方へ、見た目の改善を目的とした静脈瘤の治療法をご紹介します。
見た目だけでなく、早めの治療が必要な理由
足の静脈瘤は、単なる美容上の問題にとどまらず、放置することで健康に悪影響を及ぼす可能性もあります。初期の段階では自覚症状がなく、青や紫色の血管が目立つだけですが、進行すると以下のような症状が現れます:
- 足の重だるさや疲労感
- かゆみや色素沈着(うっ滞性皮膚炎)
- 皮膚潰瘍(最重症)
足の静脈瘤の治療法一覧
現在は、切らずに治せる方法が中心で、ダウンタイムもほとんどなく日常生活への支障が少ない治療が主流です。- レーザー治療(EVLT)
静脈内にレーザーカテーテルを挿入し、内側から熱で血管を閉鎖する治療法です。血液が逆流している伏在静脈本幹だけでなく、そこから枝分かれした側枝静脈瘤(ボコボコと浮き出た静脈)も含めて、レーザーカテーテルのみで治療を完結できます。見た目の改善効果が高く、術後はすぐに日常生活に戻れるのが特長です。 - 高周波治療(RFA) 高周波の熱エネルギーを用いて静脈内側から焼灼し、伏在静脈本幹の血流を止める治療です。レーザー治療と同様に、切開せずに本幹を治療できますが、側枝静脈瘤に対しては数ミリの皮膚切開が必要となります。
- グルー治療(医療用接着剤)
特殊な医療用接着剤を血管内に注入し、伏在静脈本幹を閉鎖する治療法です。術後の圧迫療法(弾性ストッキングなど)が不要で、短時間で治療が完了するのが大きなメリットです。ただし、治療できるのは伏在静脈本幹のみであり、側枝静脈瘤の処置には数ミリの皮膚切開が必要です。 - 硬化療法
クモの巣状静脈や網目状静脈瘤など、小さな静脈瘤に対して有効。薬剤を注入し血管を閉じる方法で、美容目的でも選ばれています。
治療法の選び方|専門医との相談が重要
静脈瘤の状態や進行度、患者さんのご希望(症状改善重視・見た目重視・仕事への影響・ライフスタイルなど)によって、最適な治療法は異なります。軽度であれば硬化療法が選ばれますが、進行している場合はレーザーや高周波治療などが適応になります。
また、治療後も再発予防のために定期的な検診や生活習慣の見直しが大切です。特に、立ち仕事・遺伝要因がある方は注意が必要です。
まとめ|見た目と健康、どちらもあきらめない
足の静脈瘤は「見た目が気になるから治療したい」という理由だけでも、立派な治療の動機です。

切らない・縫わない・日帰りでできる現代の治療法で、美しさと健康の両立を目指しましょう。
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