足の冷えと下肢静脈瘤は関係ある?冷え性の原因と対策を専門医が解説

下肢静脈瘤で足が冷えるって本当?冷え性との関係と正しい対処法

この記事は下肢静脈瘤専門クリニック「目黒外科」院長 齋藤陽 医師が監修しています。

「足の静脈瘤があると冷えやすいのでは?」と疑問に思う方は少なくありません。ですが実際には、下肢静脈瘤によって直接的に足が冷えると訴える患者さんは非常に少ないのが現状です。では、なぜそう感じるのか?冷えを感じる場合の原因や対策について、専門医の立場から解説します。

足の静脈瘤と冷え症の関係は実は薄い

下肢静脈瘤は、足の表面近くの静脈が拡張し、血液が逆流することで発生します。静脈の弁が壊れて血液が滞ることにより、足のだるさ・むくみ・ほてり・重さなどの症状が出ますが、「足の冷え」を直接引き起こすものではありません

冷え性の主な原因は、動脈側の血流不足・筋肉量の減少・自律神経の乱れ・生活習慣などであり、静脈の逆流(静脈瘤)とは異なるメカニズムです。

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足が冷える本当の原因とは?

下肢静脈瘤ではないのに足が冷える…という方は、以下の要因が関係しているかもしれません。
  1. 筋肉量の減少: 筋肉は熱を生み出す器官。特にふくらはぎの筋肉が少ないと冷えやすくなります。
  2. 運動不足: 血流は筋ポンプによって促進されます。運動不足により循環が悪くなると冷えを感じやすくなります。
  3. 冷房や冬の寒さなどの環境要因: 特に女性は末端の冷えを感じやすい傾向があります。
  4. 生活習慣の影響: 湯船に浸からずシャワーで済ませる、偏った食生活なども体温調節機能に影響します。

冷え性対策としてできること

冷えの予防・改善には、日常生活での工夫が重要です。

定期的な運動:ウォーキング、ストレッチ、軽い筋トレを取り入れて筋肉を刺激し血流を改善。

足湯・温浴習慣:就寝前の足湯は血流改善に効果的で、リラックスにもつながります。

足の保温:靴下やレッグウォーマーなどで足元を冷やさないようにすることも、冷え対策として有効です。特に寝る前や冬場は意識して保温を心がけましょう。

温かい食事や飲み物:冷たい飲食物を避け、内臓を冷やさない工夫も大切です。

冷えに悩む方へのメッセージ

足の冷えと下肢静脈瘤の関連は限定的ですが、「冷え」と「足のだるさ」「むくみ」などを併発している方は、他の血流障害の可能性もあるため、放置せずに専門医の診察を受けることをおすすめします。

足のだるさ・むくみが気になる方はこちらの記事もご覧ください

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よくある質問(FAQ)

Q1. 静脈瘤で足が冷えることはありますか?
A. 基本的に静脈瘤は足の冷えの直接原因にはなりません。冷えの原因は動脈側の血流不足や筋肉量の減少によるものが多いです。
Q2. 冷えを感じるときは何科に相談すればよいですか?
A. 内科・循環器内科・血管外科などが適しています。静脈瘤や動脈硬化など血管の病気の有無を確認できます。
Q3. 静脈瘤があっても冷え性対策は効果がありますか?
A. はい。筋肉を動かして血流を促進することは静脈瘤にも冷えにも良い影響があります。生活習慣を整えることが大切です。