足の血管がボコボコする原因は?下肢静脈瘤の症状・治療写真付き解説|目黒外科
 

足の血管がボコボコする原因は?下肢静脈瘤の症状・治療を写真で解説

足の血管が浮き出て見える、ボコボコと膨らんで気になる──それは下肢静脈瘤のサインかもしれません。この記事では、実際の写真を交えながら、下肢静脈瘤の症状・原因・治療法についてわかりやすく解説します。

下肢静脈瘤とは?

下肢静脈瘤は、足の静脈にある血液の逆流を防ぐ「静脈弁」が壊れることによって発症する病気です。通常、足の静脈は重力に逆らって心臓へ血液を送り返すために、弁が一方向にしか開かない構造になっています。しかし、この弁が加齢や負担の蓄積などで機能しなくなると、血液が足に滞留し、静脈が異常に拡張・蛇行してしまいます。

その結果、皮膚の表面にボコボコと浮き出た血管が見えるようになり、放置するとむくみ・かゆみ・皮膚炎・色素沈着・潰瘍などの症状へと進行することもあります。

下肢静脈瘤の原因

主な原因としては、以下のような要素が挙げられます:
  • 長時間の立ち仕事や座りっぱなしの仕事(血液が足に溜まりやすくなる)
  • 妊娠・出産(ホルモンの影響や子宮による血管圧迫)
  • 加齢(静脈弁の老化)
  • 遺伝的要因(家族に静脈瘤のある人は発症リスクが高い)
このように、年齢・性別にかかわらず誰でも発症する可能性がある疾患であり、「見た目の問題」だけでは済まされないケースも多く見られます。

【写真で比較】下肢静脈瘤の見た目

以下に掲載しているのは、実際に下肢静脈瘤と診断された患者さまの症例写真です。
「自分の足の血管が目立ってきた」「ふくらはぎがボコボコしていて気になる」など、見た目に変化を感じている方は、ぜひご自身の状態と照らし合わせてご確認ください。
下肢静脈瘤は、症状や進行度によって見た目が大きく異なります。初期段階では細い血管の浮き出し程度でも、進行すると太い血管が蛇行し、皮膚トラブルを伴うこともあります。
写真と照らし合わせることで、医療機関を受診すべきかどうか判断する一つの目安にもなります。

なお、症状の有無にかかわらず、違和感がある場合には専門医の診察を受けることをおすすめします。
軽度の下肢静脈瘤(ふくらはぎ) 中等度の下肢静脈瘤(色素沈着あり) 重度の下肢静脈瘤(血管の蛇行) 「見た目が気になるだけだから」と思っていても、足の重さやだるさ、むくみ、かゆみなどの症状を感じている場合は、下肢静脈瘤が進行しているサインかもしれません。 実は、静脈瘤は見た目だけの問題ではなく、体内で静脈の逆流やうっ血が進んでいる証拠であることが多く、放置することで皮膚の炎症や色素沈着、潰瘍といった深刻な合併症につながる可能性もあります。

症状があるということは、体が「静脈の異常に気づいている状態」。そのままにしておくと、見た目の変化だけでなく、日常生活への支障や長期的な健康リスクが高まります。

早めの診断と適切な治療により、進行を食い止めることができる病気ですので、症状を感じた時点で専門医へのご相談をおすすめします。

どんな症状が出るの?

以下のような症状が複数当てはまる方は、下肢静脈瘤が進行している可能性があります。

🌙夕方になると足がだるく、疲れやすい: 重力の影響で血液が足に溜まり、静脈の圧力が高まることで、だるさや倦怠感を感じやすくなります。

👠足がむくみ、靴がきつくなる: 血液やリンパの流れが滞ることで、足首やふくらはぎにむくみが生じます。むくみが慢性化すると皮膚の変色や硬化にもつながります。

🩹皮膚がかゆい、黒ずむ、湿疹が出る: 血液のうっ滞によって皮膚に酸素や栄養が届きにくくなり、炎症や色素沈着、湿疹などの皮膚トラブルが現れます。これを「うっ滞性皮膚炎」と呼びます。

💤夜中や明け方にふくらはぎがつる(こむら返り): 血行不良によって筋肉への酸素供給が不十分になり、けいれん(つり)が起こりやすくなります。

これらの症状は、日常生活に支障をきたすだけでなく、静脈瘤の悪化や合併症のリスクを示すサインです。
「年齢のせいかな」と自己判断せず、早めに専門医による超音波検査を受けることで、適切な治療方針を立てることができます。

下肢静脈瘤の原因と仕組み

健康な足の静脈には、血液を心臓に向かって押し上げる働きを助ける「静脈弁」が一定間隔で備わっており、重力に逆らって血液が逆流しないように調整しています。ところが、この弁が壊れたり弱ったりすると、本来上に向かって流れるはずの血液が、重力に引かれて足の方へ逆流してしまいます。

その結果、血液がふくらはぎや足首などの下肢に滞留し、血管の内圧が上昇。静脈の壁が長時間押し広げられることで、血管が徐々に拡張・変形し、皮膚の表面に浮き出て「ボコボコ」と目立つようになるのです。

このような変化は、見た目だけの問題ではなく、静脈内で血液のうっ滞が慢性的に続いているサインでもあり、むくみやだるさ、かゆみなどの自覚症状を伴うことが多くなります

治療方法:保存療法と手術療法

保存療法(初期段階向け)

  • 弾性ストッキング:適切な圧力のものを日中着用し、血流をサポートします。
【関連記事】弾性ストッキングの効果と選び方

手術療法(進行している方向け)

  • 血管内焼灼術:レーザーまたは高周波で逆流静脈を閉鎖。日帰り・局所麻酔で実施可能です。
  • グルー治療:専用の医療用接着剤で静脈を閉じる新しい方法。傷跡がほとんど残りません。
【関連記事】下肢静脈瘤の治療法|レーザー・高周波・グルー・ストリッピングの違いとは?

進行を防ぐための予防法

下肢静脈瘤の進行を防ぐためには、日常生活の中で血流の改善と静脈への負担軽減を意識した習慣づくりが重要です。以下のような予防法を日々の生活に取り入れてみましょう。

🏃‍♀️1日20〜30分程度のウォーキングを習慣に: ふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」と呼ばれるほど、下半身の血液を心臓に戻す役割を担っています。歩くことで筋肉がポンプのように働き、血液のうっ滞を防ぎます。
🪑長時間同じ姿勢でいない(立ちっぱなし・座りっぱなしの回避): 静脈の血流は、筋肉の動きによって促進されます。1時間に1回は足を動かしたり、かかとの上げ下げなどの軽い運動を取り入れましょう。
🛁入浴やストレッチで下半身の血流を促す: ぬるめのお湯での入浴は血管を拡張させ、ストレッチは筋肉を柔らかく保つことで血流の流れをスムーズにします。冷え性の方にもおすすめです。

⚖️体重管理と塩分摂取の見直し: 体重が増えると足の静脈にかかる圧力が高まり、静脈瘤のリスクが上がります。また塩分の摂りすぎはむくみの原因となるため、バランスのよい食事を心がけましょう。
これらの対策は、静脈瘤の発症予防だけでなく、既にある静脈瘤の悪化防止にも効果的です。無理のない範囲で、できることから始めてみてください。

目黒外科の下肢静脈瘤治療の特徴

目黒外科には、下肢静脈瘤治療一筋28年の実績を持つ専門医が在籍しており、これまでに年間数百件以上の症例に対応してきた豊富な臨床経験があります。
当院で行う下肢静脈瘤の手術はすべて日帰り・局所麻酔で実施しており、体への負担が少なく、翌日から仕事や日常生活に復帰できるケースも多くあります
初診時には、静脈の状態を正確に把握するために超音波(エコー)検査を実施。血管の逆流の有無や範囲、重症度をその場で確認し、保存療法(弾性ストッキング・生活指導など)と手術療法のどちらが適しているかをわかりやすく丁寧にご説明いたします。

患者さま一人ひとりの症状やライフスタイルに合わせた、無理のない・納得のいく治療方針を一緒に考えていくことを大切にしています。
「手術が必要かどうか不安」「まずは話だけでも聞きたい」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。

よくあるご質問(FAQ)

Q1. 静脈瘤は放っておくと自然に治りますか?

A. 残念ながら、下肢静脈瘤は自然に治ることはありません。 静脈の弁が一度壊れてしまうと、逆流が続く状態が慢性化し、時間とともに静脈瘤は少しずつ悪化していきます。
最初は見た目の変化だけでも、放置していると足のだるさ・むくみ・かゆみが強くなり、やがて色素沈着(皮膚が茶色く変色)や湿疹、うっ滞性皮膚炎、最終的には潰瘍形成といった重篤な皮膚トラブルに進行することもあります。

進行してからの治療は、時間も費用も負担が大きくなりがちです。
早期に対応することで、比較的軽い治療で済むことが多く、見た目や症状の改善だけでなく、将来的なリスクを減らすことにもつながります。
違和感を覚えた時点で、まずは専門医の診察を受けることをおすすめします。

Q2. 静脈瘤の治療は保険が使えますか?

A. はい。血管内焼灼術・血管内塞栓術・硬化療法・ストリッピング手術はいずれも保険適用の対象です。詳細は診察時にご案内いたします。

【関連記事】下肢静脈瘤の治療法|レーザー・高周波・グルー・ストリッピングの違いとは?

【関連記事】下肢静脈瘤の治療費用とは?健康保険での費用を解説

Q3. 何歳くらいから治療が必要ですか?

下肢静脈瘤の受診者は、30代から60代の方が中心ですが、実際には20代でも妊娠・出産や立ち仕事の影響で症状が現れることがあります。また、70代以上でも「年齢だから仕方ない」と思い込んで放置していた方が、皮膚炎や潰瘍といった重症化をきっかけに来院されるケースも少なくありません。

この病気は「年齢」よりも「症状」が出ているかどうかが受診の判断基準になります。
むくみ・足のだるさ・こむら返り・血管の浮きなど、気になる症状があれば、早めに超音波検査で状態を確認することで、進行を防ぎ、軽い治療で済ませられる可能性が高くなります。
年齢にかかわらず、違和感を覚えたら一度専門医に相談してみることが、自分の足を守る第一歩です。

まとめ|足の血管が気になる方は専門医へ

下肢静脈瘤は「見た目が気になるだけの病気」ではありません。 進行すると、足のだるさやむくみ、皮膚の色素沈着、かゆみ、うっ滞性皮膚炎、さらには皮膚潰瘍や血栓性静脈炎などの合併症を引き起こすことがあります。
これらは日常生活の質(QOL)を大きく下げる原因となり、放置しているうちに治療が複雑・長期化してしまうケースも少なくありません。
「年齢のせいかも」「立ち仕事だから仕方ない」と思って見過ごさず、 血管の浮き・足の疲れ・むくみなど、少しでも違和感を感じたら早めに専門医の診察を受けることが大切です。

目黒外科では、初診時の超音波検査から診断、治療、アフターケアまでをすべて一貫して対応しています。
28年の経験を持つ下肢静脈瘤専門医が、患者さま一人ひとりに最適な治療プランをご提案し、治療後も再発予防や生活指導を丁寧に行います。
安心してご相談いただける環境を整えておりますので、「これって静脈瘤?」と思ったときが受診のタイミングです。