【医師監修】下肢静脈瘤の症状は季節で変わる?夏と冬の違いと正しい対策法を解説

【医師監修】下肢静脈瘤は夏に悪化する?季節ごとの症状の変化と正しい対策

この記事は、下肢静脈瘤専門クリニック・目黒外科 院長の齋藤 陽医師が監修しています。

季節によって変化する下肢静脈瘤の症状

下肢静脈瘤をお持ちの方々にとって、季節の変化は症状の出方や強さに大きく影響します。特に夏と冬では血管の状態が異なり、症状に顕著な違いが現れることがあります。以下では、それぞれの季節における特徴と対策について詳しく解説します。

夏季:症状の悪化に注意

夏は気温が高くなることで体温調節のために血管が拡張します。下肢静脈瘤のある方では、この拡張によって血液が足にたまりやすくなり、「逆流」が増加します。その結果、足のだるさ、むくみ、痛みなどの症状が強くなります。

さらに、湿度や発汗による脱水状態により、血液が濃くなり粘度が上昇。これが血栓を生みやすくなり、静脈瘤内に血栓ができて血栓性静脈炎を引き起こすことがあります。これは足が赤く腫れて熱を持ち、強い痛みを伴うため、特に注意が必要です。

冬季:症状の軽減と冷えへの注意

冬になると寒さにより血管が収縮し、静脈の容量が減少するため、血液の逆流が減少し、足の重だるさやむくみは軽くなる傾向があります。ただし、冷えが強すぎると血流そのものが滞ることもあるため、油断は禁物です。

季節に合わせた下肢静脈瘤のケア方法

  • 夏季の対策:こまめな水分補給(1時間ごとにコップ1杯)、室温・湿度の適切な管理、血液の滞留を防ぐための弾性ストッキング着用、足を高くして休む習慣を。
  • 冬季の対策:保温対策(厚手の靴下やレッグウォーマー)、湯船に浸かる習慣、冷えた部屋ではストレッチを取り入れて筋肉ポンプを活性化。

患者さんの体験談

60代・女性(東京都) 「夏になると毎年ふくらはぎがパンパンに腫れて辛かったのですが、目黒外科で教わった弾性ストッキングを夏でも使うようにしたら、症状がかなり楽になりました。夏に弾性ストッキングを履くのは暑そうで正直嫌でしたが、室内はクーラーが効いているのでさほど苦になりませんでした。」

よくあるご質問(FAQ)

Q1. 夏は入浴よりもシャワーの方が良いのでしょうか?

A. シャワーだけでは下肢の血流が促進されにくいため、ぬるめのお湯に10〜15分程度浸かる入浴がおすすめです。

Q2. 冬の寒さ対策としてストッキングの下に靴下を重ねてもいいですか?

A. 弾性ストッキングの上に緩めの靴下を重ねるのはOKです。

Q3. 暑い季節でも弾性ストッキングを着用した方が良いですか?

A. はい。夏でも静脈瘤の症状が強くなることが多いため、通気性の良いオープントゥタイプのストッキングを選べば、快適に着用しながら症状の悪化を防ぐことができます。

オープントゥータイプの弾性ストッキング(ベージュ)

まとめ

下肢静脈瘤の症状は季節によって変化しますが、各季節に適したケアを行うことで快適な生活を送ることが可能です。症状が気になる方は、早めに専門医に相談し、ご自身に合った対策を見つけましょう。

ご相談・診察予約は目黒外科までお気軽にどうぞ。

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