赤いクモの巣みたいな血管や、青い糸ミミズのような血管が気になりませんか?
こんなお悩みはありませんか?
- 足に赤いクモの巣みたいな血管が増えてきたので気になる
- 足に青い糸ミミズのような血管が目立つようになりスカートが履けない
- 足の毛細血管が目立つようになって、これがもっと大きくなるのではないかと心配
クモの巣状静脈瘤とは
クモの巣状静脈瘤は皮膚の直下の「真皮」と呼ばれる層を走る直径0.1~1mmの毛細血管です。英語ではspider veinといい、クモの巣状「静脈瘤」と名前はついていますが「毛細血管拡張症」とも呼ばれます。
網目状静脈瘤とは
クモの巣状静脈瘤よりも少し太めの青い毛細血管を網目状静脈瘤と言います。網目状静脈瘤は直径 2mm までの青い毛細血管です。
クモの巣状静脈瘤と網目状静脈瘤のできる原因
クモの巣状静脈瘤と網目状静脈瘤の多くは女性ホルモンの影響を受けて発生します。そのため20代から30代の女性に最も多く見られ、40代までが発生しやすい年代です。
特に妊娠中は女性ホルモンの分泌量が妊娠前と比べて格段に増えることから、クモの巣状静脈瘤や網目状静脈瘤が増加しやすくなります。
出産後はクモの巣状静脈瘤・網目状静脈瘤もある程度は目立たなくなりますが、どうしても消えない部分は残ってしまいます。
特に女性は見た目を気にする方が多いので、スカートが履けなくなることやプールや海水浴、温泉などに行かれないなど、美容的な悩みを抱えてしまう事になります。
このような美観を損ねてしまうクモの巣状静脈瘤や網目状静脈瘤には硬化療法という治療法があります。
この記事では、クモの巣状静脈瘤や網目状静脈瘤の治療法である硬化療法について解説いたします。
硬化療法とは
ポリドカスクレロールという硬化剤と呼ばれるお薬をクモの巣状静脈瘤と網目状静脈瘤に対して注射をします。使用する注射針は一般的な注射針よりも更に細い極細の注射針を使用します。
これをクモの巣状静脈瘤と網目状静脈瘤に対して注入します。
クモの巣状静脈瘤・網目状静脈瘤の中に硬化剤が注入されると、静脈瘤の中の血液と硬化剤が混ざり合って血液が固まります。
血液が固まって流れなくなった毛細血管は血管としての役目を果たさなくなります。
すると毛細血管は木が枯れるように細くなり、数か月かけて徐々に消えていきます。
硬化療法を行った際は、弾性包帯という通常の包帯よりもややきつめの包帯により足を圧迫します。
弾性包帯による圧迫は48時間必要ですので、硬化療法を行うのに適したシーズンは例年10月から4月頃です。
また、硬化療法後を行ったクモの巣状静脈瘤や網目状静脈瘤が退縮していくまでの期間が数か月かかりますので、素足を出す季節から逆算しますと秋から冬にかけての硬化療法が望ましいと考えます。
暑い季節に硬化療法を行うと汗をかきますので、弾性包帯を巻きっぱなしにすると、あせもが出来やすくなります。
ですから夏に硬化療法を行う事はあまりお勧めしません。
クモの巣状静脈瘤と網目状静脈瘤は放っておくとどうなるの?
クモの巣状静脈瘤と網目状静脈瘤は、治療しないで放っておいても巨大化するわけではありません。時々皮膚のチクチク・ピリピリとした感覚や灼熱感を訴える方がいらっしゃいますが、基本的には無症状ですので、放置したからと言って健康面で大きな問題は生じません。
あくまでも美容的に気になるという方だけが治療対象となります。
硬化療法を行う際の注意事項
硬化療法を行った際に以下の副作用・合併症を起こすことがあります。- 静脈瘤内血栓(7.2%)
- 色素沈着(4.6%)
- 静脈炎(0.92%)
- 疼痛(0.87%)
- 水疱(0.75%)
- 皮膚の潰瘍・壊死
- 脳血管障害(一過性脳虚血発作等)
- 視覚障害
- 片頭痛
硬化療法に際して休薬が必要な薬
以下のお薬を服用中の方は硬化療法を行う際にお薬を中止していただく必要があります。初診の際にお薬手帳をお持ちいただき、担当医に見せてください。
●ホルモン剤
①ピル
②抗ホルモン剤(前立腺がんや乳がん治療中の方)
●骨粗しょう症の治療薬
①ビビアント(一般名:バゼドキシフェン酢酸塩)
②エビスタ(一般名:ラロキシフェン塩酸塩)