
下肢静脈瘤の初期症状とは?足のむくみ・血管の浮き・だるさに要注意
こんにちは。目黒外科院長の齋藤陽です。下肢静脈瘤の治療に28年間取り組んできた経験をもとに、早期に見逃されやすい初期症状について解説します。こんな症状ありませんか?セルフチェックリスト
🌆 夕方になると足がむくむ 日中の重力によって血液が足に滞り、特に静脈の流れが悪くなっている場合、夕方にかけてむくみが目立つようになります。👀 足の血管が浮き出て目立つようになってきた 皮膚表面に青や紫の血管がクモの巣状・網目状に見えたり、ボコボコと浮き出すようになってきた場合は、静脈瘤の進行が始まっている可能性があります。
🌙 夜中〜明け方にこむら返りが起きる 筋肉の酸素不足や老廃物の滞留により、睡眠中にふくらはぎがつることがあります。これは静脈の循環不良が関係していることも多く、頻発する場合は注意が必要です。
🦵 足がだるい・重い感じがする 静脈に滞った血液が血管内圧を高め、ふくらはぎのだるさや重さにつながります。午後〜夕方にかけて悪化するのが特徴です。
これらの症状が1つでも当てはまる方は、下肢静脈瘤の初期段階に入っている可能性があります。 「年齢のせい」「疲れただけ」と見過ごさず、気になる症状が続く場合は、静脈の逆流が起きていないか専門医によるチェックを受けることをおすすめします。
下肢静脈瘤とは?症状が起きる原因
下肢静脈瘤は、足の静脈にある「逆流防止弁(静脈弁)」が壊れたり、うまく閉じなくなることで発症します。通常、足の静脈は重力に逆らって血液を心臓へ押し上げる役割を担っており、その働きを支えているのが静脈弁です。
静脈弁は一方向にしか開かない“弁”のような構造で、血液が下に戻らないようにフタの役割をしています。

しかし、この弁が何らかの原因(加齢、妊娠、立ち仕事、遺伝など)で壊れてしまうと、血液は重力に引かれて逆流し、本来流れるべき心臓方向ではなく、足先に向かって停滞してしまいます。

この状態が続くと、ふくらはぎなどの血管内圧が上がり、血管が徐々に膨らんで曲がりくねり、皮膚の表面に浮き出るように変形していきます。

さらに進行すると、血液の滞留によってむくみ・だるさ・かゆみ・皮膚の炎症・潰瘍など、さまざまな症状を引き起こすようになります。
このうっ滞によってふくらはぎの静脈が膨らんだり、血管が浮き出たり、むくみ・だるさ・かゆみなどの症状が現れるようになります。
症状別に見る静脈瘤のサイン
🦶むくみ(浮腫)
これまで気にならなかったのに、夕方になると足首やふくらはぎがパンパンに張るように感じることはありませんか?
これは、重力の影響で下肢の静脈に血液やリンパ液が滞留し、静脈圧が高くなっているサインかもしれません。下肢静脈瘤の初期によく見られる症状です。
特に、すねの前側を指で5秒ほど強く押してへこみがなかなか戻らない場合は注意が必要です。これは体内の水分が血管の外へ漏れ出し、組織にしみ込んでいる状態(=浮腫)を意味します。
症状が日々少しずつ悪化している、または左右差がある場合は、静脈の逆流が原因となっている可能性がありますので、早めの受診をおすすめします。
🌙こむら返り(足がつる)
夜中や明け方に、突然ふくらはぎが激しくつるような経験はありませんか?
これは「こむら返り」と呼ばれる筋肉のけいれんで、下肢静脈瘤の初期段階にしばしば見られる症状のひとつです。
血液の逆流やうっ滞によって筋肉に酸素や栄養が届きにくくなると、筋収縮のコントロールがうまくいかなくなり、つりやすくなると考えられています。
運動不足・水分不足・冷えなども原因になりますが、頻繁に繰り返す場合は血管由来の問題を考える必要があります。
特に「ふくらはぎの張り」「むくみ」「血管の浮き」といった他の症状と併発している場合は、静脈瘤の可能性が高くなるため、早めに専門医の評価を受けましょう。
👁血管が浮き出て目立つ
足のすねや膝裏を見たときに、網目状やクモの巣のように血管が目立つようになってきたら、「クモの巣状静脈瘤」の可能性があります。
これは比較的軽症とされていますが、静脈内の血液の流れが一部乱れているサインでもあります。
この段階では自覚症状が乏しい方も多いですが、放置すると次第に血管が太く浮き上がり、進行していく可能性もあります。
「見た目が気になるだけだから…」と軽く考えず、血管の変化に気づいた段階で超音波検査を受けておくことで、進行予防や早期治療につながります。

足の皮膚の上から見て、血管が太くなり、デコボコと波打つように蛇行している場合、これは「伏在型静脈瘤(ふくざいがたじょうみゃくりゅう)」と呼ばれるタイプの下肢静脈瘤で、すでにある程度進行した状態です。
この状態では、静脈弁の機能不全が広範囲に及んでおり、血液の逆流が継続していることが多く、単なる「見た目の問題」では済まされません。
放置しておくと、血液のうっ滞によりむくみやだるさが悪化し、皮膚炎や色素沈着、さらには皮膚潰瘍にまで進行するリスクがあります。
伏在型静脈瘤は、超音波検査によって逆流の程度や範囲を正確に評価できるため、できるだけ早い段階で専門医による診察を受けることが重要です。 進行してからでは治療法が限られてしまうこともあるため、「血管の見た目がおかしい」と感じたら、まだ症状が軽いうちに相談することをおすすめします。

足のだるさ・重さ
血液の逆流によって足の静脈圧が高まり、疲労感やだるさ、重苦しさが夕方にかけて強くなります。「疲れただけ」と思いがちですが、血流障害が関係している可能性も。むくみや浮き出た血管と併発している場合は特に注意が必要です。
当てはまったらどうする?まずは専門医へ
足の静脈にある逆流防止弁が壊れると、血液が心臓に戻れずに足に滞留しやすくなります。その結果、ふくらはぎの静脈内圧が慢性的に上昇し、筋肉や周囲の組織に負担がかかって「だるさ」「重さ」「疲労感」として感じられるようになります。
このだるさは、朝は軽くても、日中の立ち仕事や長時間の座位によって徐々に悪化し、夕方から夜にかけて特に強くなるのが特徴です。
多くの方が「年齢のせい」「歩きすぎたから」と見過ごしがちですが、下肢の血流障害による静脈瘤の前兆であることも少なくありません。
特に以下のような症状を併発している場合は注意が必要です:
✅ 夕方になると足がむくむ
✅ 血管が浮き出て目立つようになってきた
✅ 夜間に足がつることが増えてきた
これらが複数当てはまる方は、静脈瘤による循環不全が進行しつつあるサインかもしれません。
だるさが「単なる疲れ」で済まない可能性があるため、超音波検査による静脈評価を一度受けることをおすすめします。
目黒外科では、超音波検査で静脈の逆流を評価し、日帰りでできる治療法(レーザー・グルー治療など)をご提案します。
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