足の血管が赤く腫れて痛い原因は?血栓性静脈炎と下肢静脈瘤を専門医が解説
 

足の血管が赤く腫れて痛い?血栓性静脈炎の原因・症状・治療法【専門医監修】

足の血管がボコボコと浮き出て赤く腫れ、痛みを感じることがあります。それは「血栓性静脈炎」という、下肢静脈瘤に伴って起こる合併症の可能性があります。

こんなお悩み相談をいただきました

以前から足の血管がボコボコ浮き出ているのには気づいていました。
でも自覚症状が何もないので、病院に行ったりはしませんでした。
数日前からボコボコ浮き出た血管が赤く腫れて痛くなりました。
これは何かの病気でしょうか?

血栓性静脈炎とは

血栓性静脈炎は、静脈内に血の塊(血栓)ができて炎症を起こす病気で、特に足の表面近くにある表在静脈に多く見られます。

下肢静脈瘤との関係

下肢静脈瘤は皮膚のすぐ下にある静脈がボコボコと膨らむ病気ですが、その中では血流が滞りがちです。
長時間座りっぱなし、水分不足、運動不足などが重なると血液が固まりやすくなり、血栓ができるリスクが高まります。

【関連記事】下肢静脈瘤の症状・原因・治療法を徹底解説|放置するとどうなる?

症状・見た目の特徴

血栓性静脈炎が起きると、血管の部分が赤く腫れ、熱感や痛みを伴うようになります。
炎症が強いと皮膚の表面にも変化が見られますが、命に関わる肺塞栓などは稀ですので、過度に心配しなくて大丈夫です。

治療法と自然経過

治療の中心は消炎鎮痛剤(痛み止め)の内服で、数週間程度で腫れや痛みは改善することがほとんどです。
炎症が落ち着いてから下肢静脈瘤そのものの治療(硬化療法や血管内焼灼術)を行うケースが多いです。

【関連記事】下肢静脈瘤の治療法|レーザー・高周波・グルー・ストリッピングの違いとは?

血栓のその後は?

血栓は通常、静脈瘤の中で固まるとその部分の血流が止まり、血管内の圧がかからなくなるため、半年〜1年ほどかけて静脈瘤自体が縮小し、自然に退化していくことがあります。これは最も理想的な経過です。

しかし一方で、血栓が時間の経過とともに溶けてしまうと、再び血液の流れが静脈瘤内に戻り、血流が滞る状態が再発してしまうことがあります。このように再開した血流が再び澱むことで、血栓性静脈炎が再発するリスクも出てきます。

そのため、再発の可能性があると判断される場合には、追加的な処置として硬化療法(血管内に硬化剤を注入し、静脈瘤を意図的に閉塞させる治療)を行うこともあります。これにより、再度の血流再開と血栓形成を未然に防ぎ、再発を抑えることが期待できます。

【関連記事】【下肢静脈瘤の専門医が解説】クモの巣状静脈瘤や網目状静脈瘤には硬化療法!

血栓性静脈炎は何科を受診すればいい?

血栓性静脈炎を疑う場合は、心臓血管外科や血管外科を受診するのが適切です。
目黒外科では、下肢静脈瘤とその合併症に特化した診療を行っていますので、お気軽にご相談ください。

下肢静脈瘤専門クリニック「目黒外科」のご案内

目黒外科は、下肢静脈瘤レーザー手術件数日本最多(2020年から5年連続)の実績を持つ、下肢静脈瘤専門クリニックです。
28年以上にわたり下肢静脈瘤治療に専念してきた院長が、診察・検査・説明・手術・フォローアップまで一貫して担当します。
完全予約制・日曜診療対応で、忙しい方でも安心してご来院いただけます。
足の静脈瘤が気になる方や静脈瘤が腫れて痛くなった方は、ぜひ一度ご相談ください。

▼下肢静脈瘤のご相談・ご予約はこちらから▼ 下肢静脈瘤治療の予約バナー 目黒外科 ▶ 下肢静脈瘤専門クリニック「目黒外科」の詳細はこちら


院長著書のご紹介|下肢静脈瘤の治療と予防ガイド

目黒外科 院長・齋藤 陽は、下肢静脈瘤に関する知識をまとめた書籍
専門医が教える世界一わかりやすい“下肢静脈瘤”の治療と予防』(医学通信社)を執筆しています。
実際の治療例を交えながら、下肢静脈瘤の原因・症状・最新治療法・セルフケアについて、専門医がやさしく解説した一冊です。
下肢静脈瘤に悩む方、治療を考えている方にぜひ手に取っていただきたい内容となっています。

下肢静脈瘤の治療と予防に関する書籍の表紙画像

📚 下肢静脈瘤についてさらに深く知りたい方にぴったりの一冊です!





この記事は、下肢静脈瘤専門クリニック「目黒外科」院長・齋藤 陽(外科専門医/下肢静脈瘤血管内焼灼術実施管理委員会の実施医・指導医)の監修により作成されています。