【治療経過】足のだるさや重さに悩んでいた患者さんはどうなったか
右足のだるさと重さを訴えて来院された患者さんをご紹介します。
(患者さんご本人に了承をいただいています)
右ひざからすねにかけて、血管が浮き出ています。このボコボコ浮き出ている血管を静脈瘤といいます。
エコー検査では右大伏在静脈の逆流を認めました。
足の重さやだるさを自覚するようになったのは、静脈の逆流により足に老廃物が溜まっていることが原因と考えられました。
そこで、大伏在静脈の逆流を止めるために高周波カテーテルによる血管内焼灼術を行いました。
眠っている間に治療が終わり、痛みはありませんでした。
<この患者さんのその後の経過>
治療後、右足のだるさは改善して、足がとても軽く感じるそうです、
術後1か月の写真です。
右ひざからすねにかけてボコボコ浮き出ていた静脈瘤は目立たなくなりました。
<解説>
足の静脈は、老廃物で汚れた血液が流れる下水道のような役目をしています。
血液が重力で落ちてこないように逆流防止弁が数cmおきについているのですが、この逆流防止弁がきちんと閉じなくなってしまうと、重力により血液の逆流がおこります。
血液が逆流すると汚れた血液が足に溜まり、重さやだるさを感じるようになります。
血液が逆流して渋滞(うっ血といいます)すると、血液が心臓に戻れるように渋滞の抜け道が作られるようになります。これがボコボコ浮き出た静脈瘤です。
静脈瘤は上流からの血液の逆流によって発生するため、逆流している大伏在静脈をカテーテルで焼いて閉塞させると血液の逆流が止まります。
血液の逆流が止まれば血液の渋滞もなくなり、渋滞の抜け道である静脈瘤は用がなくなり小さくなっていきます。
立ち仕事で足のだるさや重さにお悩みの方は一度足の超音波検査を受けてみましょう。
静脈の逆流があればカテーテルによる治療で症状を改善できます。逆流がない場合は弾性ストッキングを着用するとお仕事中も足が楽になります。