高血圧症
みなさんこんにちは。目黒外科院長の齋藤です。
2017年6月に下肢静脈瘤の診療に特化した専門クリニックとして産声を上げた目黒外科ですが、おかげさまで2020年6月に3周年を迎えることができました。
これまでに多くの患者様に下肢静脈瘤以外のご相談もいただいておりましたが、目黒外科の特色を強く打ち出そうと思い、敢えて下肢静脈瘤以外の診療を封印してまいりました。
しかし、3周年を機に目黒外科はこの封印を解きます!!
せっかくご縁があって目黒外科を気に入ってくださった患者様と、手術が終わって下肢静脈瘤の治療が終わってしまったらお別れするのではなく、その後も健康の悩みを相談いただける「かかりつけ医」としても末永くお付き合いができたらと考えております。
そこで、3年目を機に目黒外科は変わります。
具体的に、内科、循環器内科、生活習慣病外来、漢方外来、甲状腺外来、薄毛治療(AGA、FAGA)、出生前診断(NIPT)、品川区の各種健康診査、品川区の各種検診、予防接種、美容点滴、ボトックス注射(顔のしわ取り、肩こり)などのラインナップです。
パワーアップした目黒外科を今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
ブログの記事も拡張した診療科に沿ったテーマでお送りしていきたいと思います。
まずは第1弾!「高血圧」です。それではいってみましょう!!
高血圧ってどんな病気?
高血圧とは、文字通り血圧が高い状態です。
血圧がいくつ以上になると「高血圧」?
病院で測定した血圧が140/90以上、家庭で測定した血圧が135/85以上で高血圧と診断されます。
脳卒中や心筋梗塞の危険性を予測するには、家庭血圧の方が優れています。
したがって、できれば毎日、最低でも週に5日はご家庭で血圧を測定し、血圧手帳に記録しましょう。
高血圧の原因は?
本態性高血圧
塩分の摂り過ぎ、肥満、運動不足、たばこ、ストレス、お酒の飲みすぎなどの生活習慣や遺伝など様々な要因が重なったことによる高血圧のことで、日本人の大多数が本態性高血圧です。
二次性高血圧
別の病気が原因で血圧が高くなることを二次性高血圧といいます。原発性アルドステロン症、睡眠時無呼吸症候群、腎血管性高血圧などが代表的な原因です。
血圧が高いとなぜいけないの?
高血圧は、別名「サイレントキラー(静かなる殺人者)」と言われ、血圧が高いからと言って普段の生活では症状を自覚することはほとんどありません。しかし、血圧が高い状態が長年にわたり続くと、全身の動脈が硬くなります。これを動脈硬化と言います。動脈硬化が進むと、特に重要な臓器である脳、心臓、腎臓を障害します。最悪の場合、脳卒中や心筋梗塞、腎不全などの病気により死に至ることもあります。
高血圧の患者さんは日本全国で4300万人もいますが、その中でちゃんと血圧が適正にコントロールされている人はおよそ1200万人しかいません。つまり高血圧患者さんの7割は、いまだに血圧が高く治療が不十分なのです。
血圧は、いつどうやって測定すればいいの?
朝の血圧測定
朝起きたらトイレに行き、安静にしてから血圧測定をします。
血圧のお薬を飲んでいる方は、お薬を飲む前に血圧を測定しましょう。
朝食前に血圧を測定しましょう。
血圧は2回測定してください。
夜の血圧測定
寝る前に血圧を測定します。
朝と同様に、安静にしてから血圧を測定します。
寝る前も、朝と同様に血圧を2回測定してください。
高血圧にならないよう日常生活で気を付けることはありますか?
減塩
日本人は食塩摂取量が多く、減塩は血圧の改善にとても効果的です。高血圧の人の食塩摂取量は1日6g未満が目標です。
肥満の改善
肥満の主な原因は食べすぎと運動不足です。したがって、肥満の人は糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症、脂肪肝などによる肝機能障害、腎機能障害などの原因となります。
肥満の人はBMI25未満を目標にしましょう。
飲酒量を減らす
お酒の飲みすぎは高血圧の原因となりますので、飲酒量を減らすようにしましょう。
禁煙
運動
早歩き、ジョギングなどの有酸素、持久系の運動を1日30分以上するよう心がけましょう。
血圧の治療法は?
生活習慣を改善しても血圧が正常化しない場合は血圧を下げる薬「降圧剤」を服用することになります。
降圧剤の種類にはカルシウム拮抗薬、ACE阻害薬、ARB、β遮断薬、利尿剤など多くの種類があります。高血圧のタイプや他に持病があるかどうかでどの薬を用いるか、あるいは複数の薬を組み合わせるかを医師が判断します。
血圧の薬って飲み始めたら一生飲まないといけないの?
生活習慣や遺伝など、様々な要因が重なって高血圧になっている本態性高血圧の方は、生活習慣を改善することで血圧が正常化し、降圧剤を減らしたり、やめることができます。
しかし、生活習慣を変えることは容易ではありません。しかも一時的では意味がなく、長期間にわたる継続が大切です。
ですから初めから高いハードルを自分に課して挫折するよりも、小さなできる事をコツコツと積み上げていくことが大切です。
「お薬を飲まない」ことに固執するあまり、長期間にわたって血圧が高い状態に対して何ら有効な対策を打たないでいると、結局ご自身の健康を損ねる事になります。
お薬によって血圧を適正にコントロールすれば脳卒中、心筋梗塞、腎機能障害などの発症リスクを下げる事ができるわけですから、「お薬をやめられなくなるから飲みたくない」というお気持ちは分かりますが、ご自身の健康を維持するために必要なことは何か?という点を冷静にお考えになってください。